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第7回武蔵野市:さまざまな活動に触れることでその後のアクションにつなげてもらうことをめざして(むさしの環境フェスタ)

 当プロジェクトの助成金を活用した都内62市区町村の環境事業の取り組み状況について順番に紹介する「環境事業紹介」のコーナー。
 第7回は、武蔵野市で10月に開催されたむさしの環境フェスタについてご紹介します。
 今回が、第7回となるむさしの環境フェスタは、前回2013年から武蔵境駅前の境南ふれあい広場公園で開催しており、今回は隣接する武蔵野プレイスも会場に加えて開催しました。

 ぜひご一読ください。

会場を駅前の境南ふれあい広場公園に移して、来場者が大きく増えた

“会場となった境南ふれあい広場公園。武蔵野プレイスが隣接し、駅のホームからも見下ろすことができる。アクセスのよさが好条件となって前年度から来場者が倍増した

会場となった境南ふれあい広場公園。武蔵野プレイスが隣接し、駅のホームからも見下ろすことができる。アクセスのよさが好条件となって前年度から来場者が倍増した

 武蔵境駅のホームからも見下ろすことができる「境南ふれあい広場公園」は、2011年1月に竣工した駅前商業地域に位置する市立公園で、隣接する複合機能施設「武蔵野プレイス」と一体的に計画・整備された施設だ。今年第7回を迎えた「むさしの環境フェスタ」は、ここ境南ふれあい広場公園と武蔵野プレイスを会場に、2014年10月19日(日)に開催された。
 「前回の第6回から、境南ふれあい広場公園を会場に開催しています。一昨年までは、市役所のすぐ隣にある武蔵野クリーンセンターで開催しており、普段市民の皆様にはあまり馴染みのない施設の見学なども組み込んだプログラムを実施したのですが、市のほぼ中心に位置するとはいえ、駅からだとバスを乗り継いでご来場いただくことになり、アクセスはあまりよくありませんでした。境南ふれあい広場公園なら駅前にありますから、より多くの方々に足を運んでもらえることを期待して、会場を変更しました。昨年度は曇りで時折雨もぱらつくあいにくの天気でしたが、その前の年に1,500人ほどだった来場者数は3,000人に倍増し、今年は天気も良かったので、さらに大勢の約4,000人の方が来場されました。クリーンセンターで開催していた頃は親子連れや高年齢層の方に来場者の偏りがみられましたが、駅前の会場になって従来来場いただいていた親子連れや高年齢層の方に加え、さらに幅広い年齢層の方々にご来場いただけるようになっています。」
 武蔵野市環境政策課の森本章稔さんは、会場を変えて実施したむさしの環境フェスタの集客効果についてそう話す。

広場の中央に立つ「環境の木」に、来場者からのメッセージで葉を茂らせる

 むさしの環境フェスタでは、毎年のテーマを設定している。今年のメインテーマは、「みんなでE~COと(いーこと)はじめよう!──未来の地球を守ろう──」。各団体は、それぞれの分野に特化した活動をしているため、特定の環境分野やカテゴリーで絞り込むようなテーマ設定はできない。博覧会的にさまざまな活動を紹介し、見たり体験したりした中から少しでも興味のあるジャンルについて深めていってもらい、環境に配慮したライフスタイルに関する意識向上や、実際の環境配慮行動につなげてもらいたいという意図を込めている。

 境南ふれあい広場公園は、真ん中が円形の芝生になっていて、芝生を取り囲むようにブースを配置し、会場東側にイベントステージを設けて、開会宣言を行ったり、井の頭自然文化園による動物クイズやチェーンソーを利用した木材加工のデモンストレーションなどのステージイベントを実施したりした。 また、広場中央には、「環境の木」と名付けた模造紙一杯に描いた木を貼り出した。環境フェスタの開始時には枝だけが広がっているが、来場者がそれぞれのメッセージを葉っぱに見立てた用紙に書き込んで貼り付けていくことで、緑いっぱいの「環境の木」が完成する、そんな来場者といっしょにつくりあげていく来場者参加型イベントだ。
 全体企画は毎年、出展者全員が参加する全体会議の中でアイデアを出し合いながら議論している。昨年は「むさしのの未来を描くグラフィックアート」と題して、アーティストに協力してもらい、大きなキャンパスに大勢で1つの絵を完成させる参加型のお絵描き体験を企画した。この絵は現在、クリーンセンター内に展示されているが、来場した多くの子供が参加し、非常に興味深い仕上がりとなっている。

 また、隣接する武蔵野プレイスの1階ギャラリーでは、市内12の小学校から夏休みの自由研究で作った環境に関する作品を借りてきて展示した。環境政策課の職員が全学校をまわって、すべての作品の中から1校当たり4作品を選定した。選定のために膨大な量の作品を確認するのは大変な作業であるが、児童が作った一つ一つの作品には、個性あふれる発想やさまざまな努力の跡などがあり、それを少しでも来場者に知ってもらい、何かを感じてもらいたい、そんな思いが新たな行動につながる動機づけとなると期待し実施している。また、児童にとっても自分の作品が選ばれて展示され、多くの人に見てもらうことは大きな励みになるのではないだろうか。

イベントステージでは開会宣言や動物クイズ、木材加工のデモンストレーションなどが披露された。写真は、ステージでの武蔵野市長あいさつの様子
イベントステージでは開会宣言や動物クイズ、木材加工のデモンストレーションなどが披露された。
写真は、ステージでの武蔵野市長あいさつの様子

市内12の小学校から借りてきた夏休みの自由研究の展示は、武蔵野プレイスの1階ギャラリーに展示した
市内12の小学校から借りてきた夏休みの自由研究の展示は、武蔵野プレイスの1階ギャラリーに展示した

閉会時にお披露目された緑いっぱいの「環境の木」
閉会時にお披露目された緑いっぱいの「環境の木」

むさしの環境フェスタの経験を、平成31年度に開設予定の環境啓発施設に活かす

 むさしの環境フェスタの始まりは、平成20年のこと。いくつかの市民団体から、いっしょに活動したり発表したりする機会を作れないかと要望があり、これに市が応える形で始まった。
 実質的な事務局は環境政策課が担っているが、むさしの環境フェスタでは環境政策課で扱っている分野だけでなく、緑や水・廃棄物(3R)など様々な環境要素を網羅する。武蔵野市環境部の全5課(環境政策課のほか、ごみ総合対策課、クリーンセンター、下水道課、緑のまち推進課)の職員で構成するプロジェクトチームが企画の種を出して、全体会議で煮詰めていく方式を取っている。
 「出展団体は今年度、5月頃に市報を通じて公募しました。会場のキャパシティに対して出展ブースの数はいっぱいいっぱいの状況なので、実はお断りしているくらいです。今後はこれまでの会場に固執せず、より広い会場での開催も検討していまして、井の頭恩賜公園なども候補に挙がっています。出展団体が出そろったのち、開催当日までに月1回ほど全体会議を開催しています。その中で、先ほどお話したメインテーマや企画内容の検討、パンフレットのデザイン、事前の広報の方法やブースのレイアウトなど、むさしの環境フェスタに関わるほぼすべてのことを出展者の方々と議論して決定しています」

 一昨年までむさしの環境フェスタの会場になっていた武蔵野クリーンセンターは、昭和59年10月の稼働開始以来、約30年が経過して、主要設備の耐用年数経過による更新時期を迎えている。一般的に清掃工場の整備には、計画から竣工まで10年ほどの期間が必要となるため、平成20年度から施設基本計画の策定等に着手して、詳細な検討を行いながら計画どおり平成29年4月をめどに新クリーンセンターの稼働を開始できるよう、整備を進めている。なお、新武蔵野クリーンセンター(仮称)は現行施設の敷地内東側に建て替え用地を確保しており、現クリーンセンターの稼働終了後の跡地の有効活用も並行して検討が進められている。施設の有効活用の一つとして、武蔵野市の環境啓発・情報の受発信拠点となる全市民的な環境啓発施設として位置づけることが計画されている。
 「むさしの環境フェスタを含むこれまでの環境啓発事業の経験や成果を生かして、新たに整備する環境啓発・情報の受発信拠点の整備につなげていきたいと思っています。これまではむさしの環境フェスタという形で全市的な環境啓発の事業を実施してきましたが、環境啓発事業は効果の測り方が難しく、現在は来場者数を指標としているケースが多くありますが、事業の目的からしても、必ずしも何人来たからよかったということではありません。来ていただいて、いろんなことに触れていただいたことによって、それがどんなアクションにつながったかというところが一番大切なところだと思います。それをどのように次のステップへつなげていくか、そのやり方をこれからも追求して、これまで実施してきたむさしの環境フェスタのエキスを新施設にいかに抽入し、これまでの経験を生かしていけるかということも含めて、前向きに検討していきたいと思っています」
 施設の完成は平成31年度を予定している。どんな施設として整備していくか、具体的な計画作りはこれからになるというが、市役所やクリーンセンターに隣接するという立地から描けるコンセプトもある。そんな辺りも含めて、むさしの環境フェスタで得た経験を生かして市民の皆さんに伝え、ひとつひとつの小さなアクションを持続的な社会づくりのステップにつなげていきたいと話す森本さんだ。

話を伺った武蔵野市環境部環境政策課 課長補佐兼計画係長の森本章稔さん

話を伺った武蔵野市環境部環境政策課 課長補佐兼計画係長の森本章稔さん


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