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2015.03.17

第10回三鷹市:市民・事業者と市の協働で実施する環境啓発イベント ~毎年6月に開催しているエコミュージカルを中心に

 当プロジェクトの助成金を活用した都内62市区町村の環境事業の取り組み状況について順番に紹介する「環境事業紹介」のコーナー。
 第10回は、三鷹市がここ数年、6月に開催している「エコミュージカルと5つのエコイベント」を中心とした三鷹市の環境啓発事業についてご紹介します。2014年のエコミュージカルは『食』をテーマに、『ブレーメンの音楽会 ~みんなでecoしてごちそうさん~』の上演とともに、エコ楽器づくりのワークショップなど5つのエコイベントを実施。当初予定の定員650人を超える693人が参加する大盛況の一日となりました。
 市の基本計画に基づいて設置された「みたか環境活動推進会議」と協働で開催しているこのイベント。三鷹市のめざす協働のあり方や方法についてもご紹介しています。ぜひご一読ください。

定員650人のイベントに700人近くが集まったエコミュージカル

 2014年6月15日(日)、三鷹市役所に隣接する三鷹市公会堂で『エコミュージカルと5つのエコイベント』が開催された。グリム童話『ブレーメンの音楽隊』をモチーフにして、食べ物を大切にすることが地球を守ることにつながるというメッセージを込めたオリジナルのミュージカルコンサートだ。演出・出演は市内で活動する劇団。
 当日は、当初予定の650人を超える市民693人が集まる大盛況のイベントとなった。劇の最後には子どもたちが舞台に上がって、自分たちの作ったエコ楽器を鳴らしながらいっしょに踊ったり歌ったりする場面も用意され、大いに盛り上がった。
 「毎年6月に開催しているエコミュージカルは、市の単独事業として実施しているものではなく、『みたか環境活動推進会議』との協働で行っている事業です。特にミュージカルに限っているわけではなく、毎年意見を出し合って決めていますが、ここ数年はエコミュージカルが続いています。毎年テーマを決めていまして、今年度(2014年度)は『食』をテーマにした『ブレーメンの音楽会 ~みんなでecoしてごちそうさん~』の上演。その前の年は『再生(リサイクル)』をテーマにして、エコミュージカルの演題は『おもちゃのガラクータン』でした。親子を中心とした参加者の皆さんにミュージカルを通じて、エコのメッセージをわかりやすく伝えていきたいと企画しています」
 そう説明するのは、三鷹市生活環境部環境政策課の大島さん。子ども向けのイベントで集客につなげるとともに、将来を担う子どもたちに小さいうちからエコについて学んでほしいという思いがあるという。
 イベント当日は、エコミュージカルだけでなく、その開演に先立って、13時から14時の1時間、5つのエコイベントをロビーで開催した。
 この5つのエコイベントも、『食』をテーマに構成し、市内で事業・活動をしている諸団体との協働を意識した内容にしている。(1)市内の農産物直販所の場所や販売している農産物を掲載した『三鷹産農産物の直販マップ』の配布(協力=JA東京むさし)、(2)ペットボトルを再利用したマラカスを作成する『エコ楽器ワークショップ』、(3)クイズや紙芝居で食とエネルギーについて学ぶ『食とエネルギーについて学ぼう』(協力=東京ガス株式会社西部支店)、(4)自宅でグリーンカーテンを育ててもらうためのゴーヤ苗のプレゼント、(5)会場に用意されたエコな目標の中から自分が取り組むものにシールを貼る『東京エコムーブメント』の実施、シールを貼っていくと、エコバッグやエコラップ、手ぬぐいなどの景品がもらえるというもの。なかでも、エコ楽器ワークショップは、用意した400人分の材料がなくなるほどの人気となった。
 さらに、エコミュージカルの上演に先立ち環境標語の表彰式も実施。2014年は592点の応募があり、市長賞には、市内小学1年生の「いきものが たくさんすむまち きれいなみたか」という標語が選ばれ、表彰された。

2014年6月のエコミュージカル。劇の終盤では、子どもたちが舞台に上がって自分で作ったエコ楽器を鳴らしながらいっしょに歌い・踊って盛り上がった。
2014年6月のエコミュージカル。劇の終盤では、子どもたちが舞台に上がって自分で作ったエコ楽器を鳴らしながらいっしょに歌い・踊って盛り上がった。
2014年6月のエコミュージカル。劇の終盤では、子どもたちが舞台に上がって自分で作ったエコ楽器を鳴らしながらいっしょに歌い・踊って盛り上がった。
2014年6月のエコミュージカル。劇の終盤では、子どもたちが舞台に上がって自分で作ったエコ楽器を鳴らしながらいっしょに歌い・踊って盛り上がった。

2014年6月のエコミュージカル。劇の終盤では、子どもたちが舞台に上がって自分で作ったエコ楽器を鳴らしながらいっしょに歌い・踊って盛り上がった。

エコ楽器づくりワークショップ

エコ楽器づくりワークショップ

エコミュージカルのチラシ

エコミュージカルのチラシ
※クリックで別ウィンドウが開きます(PDF:2,063KB)

三鷹市環境基本計画の進捗のための協働取組のために設置された「みたか環境活動推進会議」

みたか環境活動推進会議の会報誌「みたか環境ひろば」の記念すべき第50号。市役所や市政窓口、図書館、コミュニティ・センターなどで配布しているほか、これまでのバックナンバーすべてを市のホームページ上から閲覧・ダウンロードできる。

みたか環境活動推進会議の会報誌「みたか環境ひろば」の記念すべき第50号。市役所や市政窓口、図書館、コミュニティ・センターなどで配布しているほか、これまでのバックナンバーすべてを市のホームページ上から閲覧・ダウンロードできる。※クリックで別ウィンドウが開きます(PDF:1,930KB)

 三鷹市では、環境政策課に限らず、市民との協働による事業実施を特徴にしている。今回のエコミュージカルを市と協働で開催する「みたか環境活動推進会議」は、三鷹市環境基本計画に基づいて、市民、事業者及び市が協働で三鷹市のめざす環境像の実現を図るために平成19年5月に設置された団体だ。平成14年3月に策定した基本計画の進捗(しんちょく)に必要な環境情報の収集・提供・交換や協働で環境保全の取り組みを進めることを目的に設置され、その後も市との協働による事業実施を推進している。現在は「三鷹環境基本計画2022」を進めるため、年6回程度の会議を開催しており、市民委員が7人、非営利団体から2人、事業者およびJA東京むさしからそれぞれ1人ずつ、加えて市内に7地区の住民協議会がある中から交代で3地区が参加して、合計14人が任期2年間の取り組みを進めている。
 そうした中、毎年6月に開催しているエコミュージカルも、「循環・共生・協働のまち みたか」を掲げる「みたか環境活動推進会議」による環境保全の取り組み推進の柱事業の一つとして実施しており、また他にもさまざまな啓発事業を実践している。
 四半期に一度発行している会報誌「みたか環境ひろば」では、委員が市内を歩いて感じたことや自分たちの実施している環境活動などを記事にしている。2014年1月号で記念となる第50号の発行を迎え、身近な環境への配慮と取り組みの輪を広げていこうと、今後ますますの紙面の向上と読者の増加をめざす。また、今年度(2014年)11月にはスポーツGOMI拾い大会【1】という、ごみ拾いをスポーツとして楽しむというイベントを実施した。これも毎年決まっているわけではなく、話し合いの中で企画を練っていくもので、平成23年7月から4回目の開催となっている。去る1月にはナガミヒナゲシという外来植物のことを知ってもらうための環境講座も開催している。委員の中から、市民にもっと外来植物の問題について知ってほしいという意見が出て企画したものだ。5月の連休が近づくと街中や土手で一斉に開花するナガミヒナゲシのような雑草社会の近況について、東京大学大学院農学生命科学研究科の根本正之氏を講師に招いて開催した。
 そうしたさまざまな活動の中で、中心的な事業が6月に開催しているエコミュージカルというわけだ。

市民、事業者および行政が協働で進める環境事業

 「三鷹市の事業は、先ほどもお話したように、“協働”を非常に意識してやっています。みたか環境活動推進会議の委員の皆さんといっしょにやるのも協働ですし、市内事業者といっしょにイベントを実施したりして三鷹市内の環境の取り組みを盛り上げていこうというのも協働の一環として行っています。5つのエコイベントで配った野菜マップは、近くにあるJA東京むさしの協力で提供してもらったものです。それとともに、いっしょに配った「野菜カレンダー」は、“三鷹で穫れる季節の旬野菜”について示しています。その制作を市内にある国際基督教大学(ICU)の学生団体にお願いしました。いろんな方に協力していただき、いっしょに行っているところが、この事業の特徴といえます」  大島さんはそう説明する。
 一方で、そうした協働の取り組みが、普段から付き合いがあるところに依存しているところが課題でもあるという。
 「エコミュージカルやエコイベントで協力してもらっているJAやICUの学生さんなど、普段からお付き合いのあるところにご協力していただいているのですが、逆に言うとそれ以外の団体などとのつながりが乏しいという面もあります。今後は、まだそれほどつながりのない団体や事業者ともいっしょに事業を行ったり環境について考えたりする機会を増やしていければ、と考えています」

「農のある街 三鷹ふれあい農園 直販MAP」(JA東京むさし)の表紙。地場産野菜の直販所の場所と取扱品目をまとめているほか、市民農園や体験農園、季節の農業祭などの問い合わせ先などをまとめて全18ページの冊子にしている。

「農のある街 三鷹ふれあい農園 直販MAP」(JA東京むさし)の表紙。地場産野菜の直販所の場所と取扱品目をまとめているほか、市民農園や体験農園、季節の農業祭などの問い合わせ先などをまとめて全18ページの冊子にしている。※クリックで別ウィンドウが開きます(PDF:1,322KB)

ICUの学生団体が制作に協力した「野菜カレンダー」。三鷹で穫れる季節の旬野菜が、裏表に印刷してある。

ICUの学生団体が制作に協力した「野菜カレンダー」。三鷹で穫れる季節の旬野菜が、裏表に印刷してある。
※クリックで別ウィンドウが開きます(PDF:2,008KB)

協働の担い手となる「みたか環境活動推進会議」には、同時に各委員が所属する組織や地域の中で環境リーダーとしての役割を担ってほしい

毎年2月に開催している省エネルギー講座。今年のテーマは「江戸時代に学ぶ、家庭のエコな生活」。

毎年2月に開催している省エネルギー講座。今年のテーマは「江戸時代に学ぶ、家庭のエコな生活」。
※クリックで別ウィンドウが開きます(PDF:1,852KB)

 環境政策課では、主に親子を対象にするエコミュージカルの他、さまざまな環境講座を実施して、普及啓発に努めている。今年度の事業としては、例えば東京ガス(株)に協力してもらって開催するエコ・クッキング教室や、毎年2月に開催している省エネルギー講座などを実施している。
 ちょうど取材に伺った日の前日に開催したという省エネルギー講座は、毎回のテーマと講師の選定など企画面を環境政策課が担当し、チラシの作成や周知などの広報と当日の運営を三鷹ネットワーク大学という団体に委託して実施している。今年は、『江戸時代に学ぶ、家庭のエコな生活術』と題して、江戸時代前期(元禄時代)の高度成長時代に直面したさまざまな環境問題をいかに克服して後期の文政時代の低成長期に持続可能な社会をつくりあげていったか、当時のくらしを見ながら資源循環の取り組みや省エネ・再生可能エネルギーの可能性などについて学んだという。
 子どもをメインにするものや大人向けに実施する講座、駅前のアクセスがよいところで開催する講座など、対象を変えた講座を組み合わせることで、全体として市民すべての層をカバーすることを心掛けていると、大島さんは言う。
 「なかなか環境というと、すぐに結果が見えないところがあって、われわれとしても課題としています。そこで毎回アンケートを取るようにして、今後学んでいきたいテーマについて聞いたり、環境について考えるきっかけになったりしたかどうかなど、そういったフィードバックをとったり、直接意見を聞いたりしながら、次年度にその成果を生かせるようにということを意識しています」

 課の啓発事業では、特定のテーマと対象に絞って、小さなことから一歩一歩というところを意識して企画しているという。いわばきっかけづくりにするための啓発事業だ。
 一方で、個々人に対するきっかけづくりだけでなく、より多くの市民に広めて、つなげていったり、活動を深化させていったりするための機会も必要となる。そうした取り組みの一つになるのが、みたか環境活動推進会議でもあると大島さんは言う。
 「みたか環境活動推進会議には、各地の住民協議会や事業者などさまざまな組織から集まってきた委員が参加しています。その委員さんたちが、2年間の任期中でさまざまな活動に取り組むことで、それぞれが所属する地域や組織にフィードバックして活動を広めていくとか、地域や組織の中で環境のリーダー的存在として組織や地域の中での担い手になってほしいと思っています」

三鷹市生活環境部環境政策課の大島さん。

三鷹市生活環境部環境政策課の大島さん。

注釈

【1】スポーツGOMI拾い大会
 スポーツGOMI拾いは、企業や団体が取り組む従来型のごみ拾いに、「スポーツ」のエッセンスを加え、今までの社会奉仕活動を「競技」へと変換させた日本発祥の新しいスポーツ。
 活動紹介(第3回)の記事でも紹介していますので、ぜひご一読ください。
  • 活動紹介(第3回)「頭で考えてはじめるよりも、熱中して取り組む中で感じ・気づくことを大事にする ~スポーツGOMI拾いの挑戦」(日本スポーツGOMI拾い連盟): http://all62.jp/ecoreport/03/01.html

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