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2016.03.18

第22回町田市:第二次町田市環境マスタープランに基づく電気自動車充電器の整備や住宅用太陽光パネル設置補助

 当プロジェクトの助成金を活用した都内62市区町村の環境事業の取り組み状況について順番に紹介する「環境事業紹介」のコーナー。第22回は、町田市環境資源部環境・自然共生課が例年の助成金対象事業として実施している住宅用自然エネルギー利用機器等の設置補助事業と、今年度実施した電気自動車充電設備の有料化について取り上げます。
 住宅用自然エネルギー利用機器等の設置補助は、太陽光パネルや太陽熱温水器などの自然エネルギー利用機器や省エネ型給湯設備などの導入に際して補助をするもの。一方、電気自動車充電設備の有料化は、市が保有し、これまで無料で提供してきた電気自動車用急速充電器に課金設備を付けて有料開放したもの。
 事業の概要とねらいについて、担当者の話を聞きました。ぜひご一読ください。

「町田市環境マスタープラン」に基づいて取り組まれている環境施策

「第二次町田市環境マスタープラン」の表紙

「第二次町田市環境マスタープラン」の表紙

 町田市は、多摩地域の最南部に位置し、23区を除けば都内の市町村では八王子市に次いで人口が多い。都心部までは電車で30分~1時間ほどとアクセスもよい。ただ、その鉄道交通は主に市域の外縁部に沿って整備されているため、市中心部など鉄道利用が不便な地帯があり、主要な公共交通として路線バス網が発達している。
 また、町田市の自動車保有台数は、2014年3月末の時点で1世帯当たり0.687台と、全国平均の1.069台を下回っている。全国平均では2005年をピークに減少傾向がみられるが、町田市ではすでに2000年から減少傾向が続いている。

 こうした状況の中、町田市では2002年3月に策定した「町田市環境マスタープラン」と2012年4月に同プランを改定した「第二次町田市環境マスタープラン」に基づいた環境施策を進めている。今回紹介する、住宅用自然エネルギー利用機器等の設置補助も、同マスタープランの目玉施策として始まったものだ。
 第二次町田市環境マスタープランは、今年度(2016年度)で前期5年間が終了し、2017年度からの後期5年間に向けた見直しが予定されている。これまでの取り組みを総括して、今後また新たな取り組みをつくっていく端境期に差し掛かっているわけだ。
 当プロジェクト助成金事業を中心としたこれまでの取り組みと今後の展開について、同市の環境資源部環境・自然共生課の板橋かおる課長、菱谷圭一担当係長、主任の櫻井雄一さんに話を聞いた。

電気自動車用急速充電器の有料化

 町田市の電気自動車用充電設備は、2011年1月から1年間に渡って実施した、電気自動車カーシェアリングの社会実験事業がきっかけとなって導入されたものだ。現在、普通充電器2台と急速充電器2台の合計4台で運用しているが、このうち急速充電器2台について、今年度(2015年度)、課金設備を設置して有料化する事業を行った。
 「電気自動車用の充電設備は、電気自動車をはじめとする低公害車の普及を目的に整備しているものですが、利用者に受益者負担をしていただくため、今年度急速充電器2台を有料化しました。市内でも民間事業者による設置が進んでおり、有料での提供となっていることから、市が無料で提供し続けると民業圧迫になってしまうということもあります。ただ、民間の施設は、会員登録が必要だったり、クレジットカードによる決済だったりしますので、市ではコイン式の課金設備を導入して、誰でも利用できるようにしています」
 事業の概要について説明してくれたのは、担当の櫻井さんだ。有料化事業によって、忠生市民センターと町田新産業創造センターの2か所に分散設置した急速充電器は、1回(最大30分)の利用当たり500円が課金されることになった。一方、市庁舎および町田リサイクル文化センターに設置している普通充電器については、従来通り無料開放している。ただし、利用は1時間以内に限る。

   今回の有料化については、市のホームページにお知らせページを掲載している他、市の広報誌『広報まちだ』(7月21日号)でも告知した。また、年4回発行している環境広報誌『ECOまちだ』では、新年度の4月1日号への掲載をめざして準備を進めている。
 「実は、有料化を境に利用件数自体は減少傾向にあります。2台ある急速充電器のうち、1台は有料化と同時に場所を移して設置しましたので、場所がわかりにくいということもあるかもしれません。今後、場所の周知と併せて、広報・PRに力を入れていきたいと思っています」
 菱谷さんがそう付け加える。

広報まちだ(2015年7月21日号)の誌面で告知した急速充電器の有料化。

広報まちだ(2015年7月21日号)の誌面で告知した急速充電器の有料化。

 電気自動車充電設備の導入の経緯については、板橋課長が次のように説明する。
 「町田市では、2011年1月から1年間、電気自動車のカーシェアリングに関する社会実験事業を実施しました。電気自動車2台と充電器4台は、国や都の補助金を受けてこのときに導入したものです。2台の電気自動車は、カーシェアリングの利用登録をしてもらった市民が共同利用して、4台の充電器のうち急速充電器2台を利用時の充電のために、残り2台の普通充電器を返却後の夜間充電用として活用するというシステムでした」
 カーシェアリング社会実験は、わざわざ市中心部のステーションまで借りに来る手間や台数の制約などもあって、それほど利用が伸びなかったが、電気自動車の普及拡大と活用効果最大化に向けた取り組みとして一定の役割を担ったといえる。
 現在、電気自動車2台は公用車として利用し、充電器は市民に開放して、電気自動車の普及促進に役立てていこうというねらいだ。

町田新産業創造センターの駐車場に設置してある急速充電器。

町田新産業創造センターの駐車場に設置してある急速充電器。

市庁舎裏に設置されている普通充電器。最大1時間までの利用について無料開放している。用事があって役所を訪れたついでに充電するような利用方法が多い。

市庁舎裏に設置されている普通充電器。最大1時間までの利用について無料開放している。用事があって役所を訪れたついでに充電するような利用方法が多い。

住宅用自然エネルギー利用機器等(住宅用太陽光発電システム等)設置補助金

 今年度(2015年度)のオール東京62市区町村共同事業からの助成金事業は電気自動車用充電器の有料化に充てたが、2014年度以前の助成金事業は、住宅用自然エネルギー利用機器等の設置補助として実施してきた。来年度も、設置補助に充てることを計画しているため、同事業の概要とねらいについても併せてご紹介いただいた。
 「住宅用自然エネルギー利用機器等設置補助は、2002年度に策定した『町田市環境マスタープラン』で創設した制度です。現在は、太陽光発電システムや太陽熱温水器などの他、高効率ガス給湯器などの省エネ機器なども補助の対象にしています。補助対象や細かい内容については毎年見直していますが、来年度も補助を実施する予定にしています」
 担当の櫻井さんが概要についてそう説明する。
 毎年、年数回に期間を分けて予算の範囲内で補助申請を受け付け、抽選によって補助先を決定している。2015年度の補助額は、太陽光発電設備の場合1kW当たり1万円で、居住部分への設置が上限5万円まで、共同住宅の共用部分への設置が上限8万円までの補助。太陽熱温水器や高効率ガス給湯器、蓄電池システム(定置用リチウムイオン蓄電池)については定額1万円の補助としている。

 

 第二次町田市環境マスタープランでは、2016年度を目標期限とする自然エネルギー等設備の普及目標として、太陽光発電設備の設置について、戸建住宅2,800件及び共同住宅50件という目標を掲げている。2014年度末現在の数値では、すでに戸建住宅が2,490件、共同住宅も26件での設置が進んでおり、2016年度内の目標達成も十分に見込める。
 今後は、これに引き続く2017年度からの新たな目標を、2016年度内にまとめていく予定だという。その中では、さらに高い目標の設定も見込まれるが、目標達成の方法に関しては、これまで通り設置補助をしていくのがよいのか、もっと別の方法をとっていくのがよいのかなどを含めて、今後検討していくことになる。
 財政的にも厳しい昨今の状況と、国や都の補助が終了したこともあって特に太陽光発電システムでは申請件数自体がここ数年減ってきていることなども考慮に入れつつ、より効果的・効率的な方法で新たな目標の達成をめざしていきたいと話す、板橋課長、菱谷さん、櫻井さんだ。

環境広報誌「ECOまちだ」2015年度冬号(2016年1月11日号)の誌面より。

環境広報誌「ECOまちだ」2015年度冬号(2016年1月11日号)の誌面より。

「2015年度町田市住宅用自然エネルギー利用機器等設置補助金申請の手引き」(表紙)。

「2015年度町田市住宅用自然エネルギー利用機器等設置補助金申請の手引き」(表紙)。

市役所のカウンターに掲示している、自然エネルギー利用機器等補助金申請の案内。

市役所のカウンターに掲示している、自然エネルギー利用機器等補助金申請の案内。


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