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第23回大島町:季節ごとに咲く花が、島民・観光客にやすらぎと小さな感動を与えることをめざす(地域に花を咲かせる事業)

 当プロジェクトの助成金を活用した都内62市区町村の環境事業の取り組み状況について順番に紹介する「環境事業紹介」のコーナー。第23回は、伊豆諸島最大の島・伊豆大島全域を町域とする、大島町で実施している「地域に花を咲かせる事業」について取り上げます。
 地域ごとの主要道路沿いにある空き地などに花を植え、その後も雑草処理などで年間にわたって手入れを継続する同事業は、四季折々に咲く花々が、島民はもとより島を訪れる観光客にもやすらぎと小さな感動を与えることをめざしています。加えて、島内にある7地域の婦人会の協力を得て実施するこの事業は、地域コミュニティの活性化につながる取り組みにもなっています。
 なお、同町の助成金事業では松枯れ対策も行っており、こちらについても併せてご紹介します。

都道の脇の花壇などを中心に、季節の花を植える

 東京から南へ120kmの太平洋上に浮かぶ総面積90.76km2の伊豆大島は、農業(特に花卉栽培)及び漁業とともに、観光が産業の柱になっている。釣り客・ダイビング・サイクリング、島内に約300万本生息している椿を生かした観光などが知られ、2016年2月には国際優秀つばき園【1】として3園が認定された。また、2010年には日本ジオパークに認定され、大地と自然と人の暮らしのつながりを楽しみながら学び伝え、教育・防災・産業振興等に活かす取り組みに力を入れている。
 そんな大島町で、島を訪れる観光客はもとより、島民にとってもやすらぎと小さな感動を与えようと、都道脇などを中心に、季節の花々が植えられている。
 「大島公園に行く途中の見晴台、各地域の都道沿いの空き地などに花を植えています。一部地区では、島の玄関口の一つでもある大島空港の駐車場に隣接している花壇に植えてもらったりもしています。道路拡張などによって植える場所がないため植えていない地区もありますが、各地域の駐車スポットのまわりなどに植えて、住民の目を楽しませて、観光客を迎え入れる彩(いろどり)としています」
 そう話すのは、大島町役場政策推進課振興企画係の倉田和昭さん。2015年11月から同事業の担当として携わっている。

大島空港の花壇に植えた花々。住民や観光客にやすらぎをもたらしている。
大島空港の花壇に植えた花々。住民や観光客にやすらぎをもたらしている。

島内にある7地域の婦人会が花の管理を担う

 花を植えているのは、地域の婦人会のメンバーたち。大島の気候に合って、潮風にも強く長持ちする草花を、各婦人会の好みも交えて選び、四季を通じていろいろな花が入れ替わっていくように設計している。
 例えば、秋から冬にはキンセンカ、冬から春にかけてスイセンやパンジー、春から初夏にかけチューリップ、夏はヒマワリ、秋は百日草や日々草などを植えている。
 島内では、やぶ椿・大島ザクラ・ツツジ・アジサイなど四季折々に花の咲く木も自生するが、年間を通じて彩り豊かな花を咲かせて楽しんでもらおうという趣旨だ。
 各地域の婦人会では、花の植え付けだけでなく、水やりはもちろん、雑草取りや枯れた草花の除去など、常に一帯の管理を担っている。
 「花が咲いているのは見ていますが、私自身は花に詳しくはありませんから、種類などはよくわかりません。ただ、ポイント・ポイントに花が咲いているのは気持ちもいいよねという感覚は、住民皆が持っていると思います。それとともに、たぶん婦人会の皆さん自身が一番満足しているんじゃないですかね。事業がきっかけになって、地域のコミュニティの活性化につなげがるのも、この事業のめざすところです」
 同事業について、倉田さんはそんなふうに話す。

幹線道路沿いに整備している花壇。
幹線道路沿いに整備している花壇。

幹線道路沿いに整備している花壇。

島の全域に及んだ松枯れ被害の対策にも

 地域に花を咲かせる事業とともに、大島町の助成金事業としては松枯れ対策も実施している。
 大島は、全島が富士箱根伊豆国立公園に編入され、海岸線などに松(クロマツ)が多く繁殖している。こうした松は、景観を高める要素になっているとともに、風の強い島の過酷な環境の中で、防風林の役割も担っている。
 島内の松に松くい虫被害が目立ち始めたのは、昭和58年頃からだった。松枯れは島の全域に及び、島内の松は全滅の危機に陥った。その対策として始まったのが松枯れ対策事業だった。
 松くい虫被害の拡大を防ぐため、枯れた松の伐倒と焼却、防除のための薬剤の樹幹注入や消毒などさまざまな保護・保全対策を実施したことで、近年は少しずつ効果が表れてきている。また、こうした対策とともに松の苗木を植栽して、松林の再生をめざしていると話す倉田さんだ。

松枯れ対策事業で薬剤を注入。
松枯れ対策事業で薬剤を注入。

松枯れ対策事業で薬剤を注入。


注釈

【1】国際優秀つばき園(International Camellia Gardens of Excellence)
 国際ツバキ協会(International Camellia Society:略称ICS。本拠地はロンドン、世界28か国のツバキ協会が加盟)が認定する、国際的に特に優秀な椿園。認定されるには、同協会の審査を受け、展示品種数200種以上、管理維持水準など一定の認定基準をクリアする必要がある。2016年2月現在の認定数は、14か国39園。
 なお、今回認定されたのは、日本最大級の椿園「大島公園」(公称品種数1066種類)、高校の椿園として最大級で学校の申請は世界初となる「大島高校」、そして日本一早く咲く“早咲き椿”がある「椿花ガーデン」の3園。

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