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2018.02.23

第44回荒川区:環境への関心を高めると同時に、環境団体の活動や区の新たな取り組みをPR(環境清掃フェアあらかわ)

 「みどり東京・温暖化防止プロジェクト」の助成金を活用した都内62市区町村の環境事業の取り組み状況について順番に紹介する「環境事業紹介」のコーナー。第44回は、荒川区が毎年春先に実施している「環境清掃フェアあらかわ」について紹介します。
 このイベントは、他区市町村でも開催している環境イベントと同様に、区民の環境問題等に対する関心を高め、環境配慮行動の必要性を、楽しみながら理解し行動するきっかけづくりとすることを目的として毎年開催しているもの。併せて、荒川区を拠点とした環境活動団体の交流の場及び団体活動を周知する機会にもなっています。
 開催に向けた企画・運営から当日の様子も含めて、担当者より話を聞きました。ぜひご一読ください。

 ※本記事の内容は、2018年2月掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

青く塗装されたボディーがインスタ映えする、水素フォークリフト

 荒川区役所本庁舎正面玄関の東南方面に広がる区立荒川公園は、通称「区役所公園」とも呼ばれる。区制施行50周年を記念して設置された「夢」像を始めとして、公園内にはあちこちに記念樹や記念碑が立ち並ぶ。春にはソメイヨシノやシダレザクラが咲き誇る人気のお花見スポットになり、秋には紅葉が映えるなど、四季折々の彩を見せる。中央に位置する噴水のまわりに設置されたベンチは、おしゃべりを楽しむ人々が集う憩いの場所にもなっている。
 この荒川公園を会場に、毎年開催されている「環境清掃フェアあらかわ」は、区内の環境・リサイクル及び清掃事業に関する普及啓発の機会として実施する環境イベントだ。平成29年度は、5月21日(日)の午前10時から午後3時の会期に約7,000人が来場したという。
 本庁舎入口前に設けられたメインステージでは、今年は水素で動く燃料電池フォークリフトの実演がされた。姿形は普通のフォークリフトとそれほど変わらないが、青く塗装されたボディーは近未来感覚を与えてくれる。
 「毎年、メインステージでは目玉になるショーや実演・展示を企画しています。昨年は、燃料電池自動車MIRAIの展示と試乗を行いましたが、今年はさらに珍しい水素フォークリフトの実演・展示を行いました。もともとフォークリフトは倉庫など屋内で動かすことが多いため電気モーター駆動なのですが、バッテリーの充電に時間がかかり、連続して使用することができません。この水素フォークリフトの場合、燃料になる水素の充填が約3分で行えるため、連続使用ができ、かつ排気ガスを出さないことから屋内での使用も可能となっています。詳しく話を聞かないとその凄さはなかなかわかりませんが、こうしたところにも水素の技術が転用され始めてきているということをぜひ知っていただきたいと、株式会社豊田自動織機様の協力で、愛知県高浜市からはるばる運んできもらった最新機です」
 荒川区環境清掃部環境課環境推進係の小貫係長と白木さんがそう説明してくれた。水素フォークリフトは、運転台に乗り込んで写真撮影もできたというから、まさにインスタ映えする目玉企画となったことだろう。

メインステージで実演・展示された、青い塗装の水素フォークリフト。

メインステージで実演・展示された、青い塗装の水素フォークリフト。

会場となった区立荒川公園。うしろに見える建物が区役所本庁舎。

会場となった区立荒川公園。うしろに見える建物が区役所本庁舎。

清掃事業の移管を機に、「環境フェア」から「環境清掃フェア」に名称を変えて開催

 「環境清掃フェアあらかわ」は、平成4年度に「環境フェア」として始まり、平成12年4月1日の清掃事業移管に伴う組織改編を機に「環境清掃フェア」と名称を変えて継続してきた。今回で通算26年目を迎えたことになる。
 当日は、メインステージでのイベントのほか、公園内の散策道沿いに、区内の環境団体や官公署が出展するブースが立ち並んだ。それぞれの取り組みや製品等を紹介する展示やワークショップを企画して、来場者に楽しんでもらうための工夫を凝らして、お祭り気分を盛り上げる。
 今年から始めた企画の一つに、友好交流都市等に呼び掛けて実施した、物産展がある。初回となった29年度は、茨城県つくば市や群馬県の前橋広域物産振興協会、福島県の福島市観光コンベンション協会、群馬県桐生市の4団体の参加を得ている。
 ふれあい動物園も今年度から始めたことの一つ。都内で唯一の区立遊園地「あらかわ遊園」にある動物園から連れてきてもらったモルモットを抱いたり子ヤギに触ったりと、動物たちとのふれあい機会をつくる、移動動物園を開設した。この日のふれあいを機に、普段からも動物たちとふれあいたい人たちには、ぜひ「あらかわ遊園」に出かけてほしいと呼びかけるPRを兼ねた出展であり、かつ、生物多様性をアピールする企画としても位置付けている。
 「ぱっと見、環境と何の関係があるのと思われるかもしれませんが、どんな切り口でもよいので、環境やリサイクルについて、日々の生活に身近に感じるきっかけとしてもらうことを大事にしています」
 小貫さんはそんなふうに話す。

2017環境清掃フェアのあらかわのチラシ。

2017環境清掃フェアのあらかわのチラシ。※クリックで拡大表示します

裏面には会場模式図が描かれ、ブース内容やメインステージのイベント等を紹介している。

裏面には会場模式図が描かれ、ブース内容やメインステージのイベント等を紹介している。※クリックで拡大表示します

公園内に立ち並ぶ出展ブース。

公園内に立ち並ぶ出展ブース。

友好交流都市等に呼び掛けて出展してらった、物産展。

友好交流都市等に呼び掛けて出展してらった、物産展。

都内唯一の区立遊園地「あらかわ遊園」からやってきた移動動物園のまわりは、子どもであふれかえっていた。

都内唯一の区立遊園地「あらかわ遊園」からやってきた移動動物園のまわりは、子どもであふれかえっていた。

新しい取り組みをお披露目する機会として活用

 イベント全体の一体感と、来場者の回遊性を高める工夫として取り入れているのが、クイズウォークラリーだ。出展団体に企画参加を呼びかけ、最終的に手があがった15団体からそれぞれクイズを出題してもらい、ワークシートにまとめて回答する形式になっている。毎年恒例の企画で、全問正解すると景品がもらえることもあって、来場者の長い列ができていた。今年度は、荒川区公式シンボルキャラクターの「あら坊」と「あらみぃ」をデザインしたオリジナルのランチバッグをプレゼントした。500枚用意したクイズ用紙もすぐに配り切ったという。
 「来場者は、それぞれのブースを巡って、展示内容等に応じたクイズに対して、3つの選択肢の中から選んで回答してもらうという企画です。例えば、『ヘイケボタルやゲンジボタルの幼虫はどこで育つ?』という問いの場合、正解はきれいな水の中なのですが、実際にブースを訪れてみると水の中で飼育しているホタルの幼虫が展示されていて、わかるようになっています」
 出展者それぞれに考えてもらっているので、質問のトーンも違っているが、実際にブースを巡らないと解けないようになっている点は共通している。

クイズウォークラリーで各ブースを巡る参加者たち。

クイズウォークラリーで各ブースを巡る参加者たち。

クイズウォークラリーの景品としてプレゼントしたオリジナルのランチバッグ。

クイズウォークラリーの景品としてプレゼントしたオリジナルのランチバッグ。

 環境課では、来年度(平成30年度)から開始する新規事業として、子ども向けの会員制環境連続講座の実施を検討している。これまで単発の環境講座は実施してきたが、その都度勉強にはなっても回数を重ねながら積み上げていくようなものは提供できてなかった。年間の活動を通じて、体系的な知識を身につけられる環境を作っていこうというもの。事業の実施に当たっては、環境清掃フェアでも紹介する予定だ。
 「環境清掃フェアあらかわは、他市区町村が実施する環境の普及啓発イベントと大きな違いはありませんが、区内の環境団体が自分たちの活動を発信し、区民との交流を図る貴重な場になっています。特に、環境やリサイクル、清掃事業と普段はあまり関わりのない方にも、それぞれの分野のトピックスや課題等に触れてもらい、少しでも興味や関心を持っていただく機会にしたいと考えています。それとともに、区の取り組みとして新しいことを始めた場合にも、多くの人が集まるこのイベントの場で発信して、広く知っていただくための機会にしたいとも考えています。そのためにも、今後も継続して実施していきたい事業です」
 環境清掃フェアの意義と役割について、小貫さんはそう語る。

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