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2019.10.04

第61回西東京市:市の事業すべてにSDGsのロゴマークを表示し、環境施策との関連性をアピール(SGDsの普及啓発)

 「みどり東京・温暖化防止プロジェクト」の助成金を活用した都内62市区町村の環境事業の取り組み状況について順番に紹介する「環境事業紹介」のコーナー。第61回は、西東京市のSDGs普及に向けた取り組みについて紹介します。
 2019年に改定された西東京市第2次環境基本計画後期計画では、市の環境施策とSDGsとの関連性を示し、SDGsの目標達成をめざすとしています。これらの状況について、担当者にお聞きしましたので、ご一読ください。

 ※本記事の内容は、2019年9月掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

自然とのふれあいを皆で大切に育む すごしやすい安心なまち

西東京市第2次環境基本計画後期計画の表紙

西東京市第2次環境基本計画後期計画の表紙

 西東京市では、第2次基本構想で掲げた「やさしさとふれあいの西東京に暮らし、まちを楽しむ」という基本理念の実現に向けて「みんなの輝きを次世代につなぐまちづくり」を進めている。その中で、将来にわたって「住み続けたいまち」「住みたいまち」として選択され続けるには、市民一人ひとりの心やからだの健康はもとより、社会や経済、居住や教育といった生活環境も健康水準を向上させるための要素ととらえ、まち全体の「健康」を達成するための「健康」応援都市としての取り組みを進めるとしている。
 これらの実現に向けて、2019年3月に策定した「西東京市第2次環境基本計画後期計画」では、「自然とのふれあいを皆で大切に育む すごしやすい安心なまち 西東京」という環境の将来像を掲げて、これまでの計画をベースに必要な個所の見直しを図ったり、「西東京市地球温暖化対策実行計画・区域施策編」の包含といった改定に加え、SDGs(エス・ディー・ジーズ)と呼ばれる、国連加盟国が2016年からの15年間で達成するために掲げた「持続可能な開発目標」の実現への貢献という視点を取り入れた。さらに同市が取り組む環境施策とSDGsとの関連性を示し、SDGsの目標達成をめざす計画として位置づけている。
 西東京市環境保全課環境保全係長の石部篤男さんと同係松下奈央さんに話を聞いた。

計画の全体像(概要版より)

計画の全体像(概要版より)

環境フェスティバルにおける普及啓発

 令和元年5月26日に西東京いこいの森公園内のボール広場・パークセンターで開催された環境フェスティバルは、自然環境やリサイクル、エネルギーの利用など身近な環境を楽しく学ぶ機会として毎年開催している、西東京市最大の環境イベントだ。
 今年度のテーマは「私たちがつくる、SDGsで持続可能な世界」。SDGsに焦点を当てて、パネル展示やクイズに仕立てている。最近耳にするようになったもののあまりピンと来ていないかもしれないSDGsについての理解を楽しみながら深めてもらおうというねらいだった。
 「今年度、重点的に取り組むプロジェクトとして、エコプラザ西東京の主催事業では一貫してSDGsを掲げていこうということで進めています。まずは環境フェスティバルの場で普及啓発しました。とにかく見てもらうことが大事なので、展示パネルを読み込めば答えが出せるようなクイズを作って、展示内容をじっくりと見てもらうようにしました。当日は同時開催のアースデイフェアーin西東京と共に多くの方にお越しいただき、SDGsに触れてもらうことができました。」
 環境保全課の松下さんが説明をする。
 出展団体は、東京電力や東京ガス、クールネット東京など市内外の企業やNPOなど10数団体がブースを並べた。市内の団体では、活動紹介(第6回)でも取り上げた、「0円均一」が特徴的といえる。
 「環境フェスティバルでは、「0円均一」のブースが大盛況でした。来場される皆さんがそれぞれ自分にとって必要ないけど、他の誰かにとって役立つかもしれないものを箱に入れて交換するという仕組みです。掘り出し物を求めてずっとうろうろしている子もいて、人だかりが常にできていて、収拾がつかないほどでした。私も、家に眠っていたぬいぐるみを持って行ったんですが、5分ほど経って、女の子が大事そうに抱えていくのを見かけて、心がほっこりしました」

令和元年度は5月26日に開催した「環境フェスティバル」。

令和元年度は5月26日に開催した「環境フェスティバル」。

環境フェスティバルで掲示したSDGsのパネル展示。

環境フェスティバルで掲示したSDGsのパネル展示。

夏休み期間のエコプラザにおけるSDGsの展示

 ちょうど取材に伺ったのは、夏休み期間中の地域探索イベント「いこいーなをさがせ!」の開催期間中だった。環境保全課が入っているエコプラザ西東京でも、この「いこいーなをさがせ!」イベントと連動した展示を作って、キーワードやスタンプを求めてやってくる来場者を待っていた。
 「『いこいーなをさがせ!』は、市内にある15か所ほどの公共施設を巡って、キーワードやスタンプを探し集めると、トートバッグなどの景品と交換できる、毎年恒例の企画です。例年エコプラザ西東京ではハクビシンやタヌキの剥製の展示などをしており、『いこいーなをさがせ!』とは連動していませんでした。今回はイベントのためにエコプラザ西東京を訪れる人も多くいるため、とてもいい機会だと思い、SDGsの普及啓発展示と連動し、SDGsの展示物を手作りで作成しました。クイズに答えてめくるとキーワードとスタンプの位置がわかるようしてあります。夏休みに入ってからは、子どもたちや保護者の方が多く来ていますが、みんな答えをめくってくれています」
 環境フェスティバルの展示はどちらかというと、大人向けの展示で、漢字も多かったが、今回の夏の展示は子ども向けの内容・表現にして、全部振り仮名を振って、最低限知ってもらいたいことだけに絞ったという。

西東京全域で実施した夏休みのイベント「いこいーなをさがせ!」と連動した展示として作ったSDGsクイズ。 西東京全域で実施した夏休みのイベント「いこいーなをさがせ!」と連動した展示として作ったSDGsクイズ。

西東京全域で実施した夏休みのイベント「いこいーなをさがせ!」と連動した展示として作ったSDGsクイズ。答えをめくると、スタンプの置き場所のヒントが表示される。

「いこいーなをさがせ!」のスタートとなるスポーツ会館に掲示されたポスター。

「いこいーなをさがせ!」のスタートとなるスポーツ会館に掲示されたポスター。

主催事業におけるSDGsのラベリング

 環境フェスティバルや市全体で実施した夏休みのイベント「いこいーなをさがせ!」だけでなく、今年度、環境保全課で主催するすべての事業では、SDGsの17のゴールから関連する項目を表示するようにしているという。エコプラザ内で開催する環境学習講座など、年間で20~30回は実施している。夏休み期間中だけでも10回以上を数えた。
 「環境学習講座のテーマは、着物のリメイク、雑草観察会、野鳥観察会など、年間を通してさまざまです。連続講座もありますけど、多くは単発の講座で、参加者もそれぞれで募集します。毎年、フードロスなど旬の話題を取り入れるようにしていますし、市内だけでなく『山仕事に挑戦!』という講座では飯能に行って林業体験をしました。ちょっと毛色の変わったものでは、『土蔵の魅力』という講座も実施しました。壁が厚く断熱性が高い土蔵の涼しさを、実際に屋敷林の中にある土蔵に入って実感したあと、屋敷の中でその魅力について話しをするという講座です」
 SDGsは幅広い課題をカバーしていて、一見関係がないように見えてもつながりがある。ロゴマークの表示による普及啓発だけでなく、秋以降にはSDGsをテーマにした講演会の開催も企画している。11月17日にはエコプラザ内の多目的スペースを会場としたSDGs環境講座「SDGsの17マークは、世界の共通言語」~私たちの暮らしの中からできることを一緒に考えよう~と題した講演会を実施する。さらに12月15日にはSDGsをより広く一般層に向けてアピールしようと、買い物帰りの人などにも気軽に寄ってもらうため、田無駅前のショッピングセンター内のホールを借りて開催する講演会を計画している。
 さまざまな機会を通じてSDGsの普及啓発を図り、その目標実現への貢献を通じて、西東京市の環境の課題解決につなげていこうというわけだ。

主催事業にはSDGsとの関連性を示し、SDGsのロゴをチラシに掲載(「土蔵の魅力」チラシに表示されたSDGsのロゴマーク)

主催事業にはSDGsとの関連性を示し、SDGsのロゴをチラシに掲載(「土蔵の魅力」チラシに表示されたSDGsのロゴマーク)

11月17日に開催を予定しているSDGs講演会のチラシ

11月17日に開催を予定しているSDGs講演会のチラシ


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