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2016.03.28

かれん と シーナの『エコ質問箱』 質問2

質問2:小学校で実施している環境学習について教えて!

シーナ
かれんの学校では総合的な学習の時間に何をしているの?
かれん
え、どうしたの突然?
私たちの学校では、情報と国際交流の授業をしているわ。
近所にあるドイツ学校の子たちとの交流会を企画して、その招待状をパソコンで作ったのよ。
シーナ
へえ、楽しそうだね。
でも、「環境」についてはやっていないんだね。残念だなあ。
学校によっては「環境」の授業をしているところもあるらしいよ。
ぼくたち、このコーナーではエコの取り組みについて調べたりしているじゃない? 学校ではどんな環境学習の取り組みをしているのか、知りたくない?
かれん
うん。でもどうやって調べるの?
シーナ
実は今回、スペシャルゲストとして、杉並区で環境の授業のサポートをしている、NPO法人すぎなみ環境ネットワークの境原達也さんに来てもらっているんだ。
境原さ~ん、お願いします!!
境原さん
はじめまして!
私たちは、杉並区内の小中学校や児童館などの環境学習の取り組みのサポートを行っています。その一つ、杉並区立井荻小学校の取り組みが特にユニークな広がりへと発展してきているので、学校における環境学習の一つの事例として紹介しますね。
お二人は杉並区に来られたことはありますか?
かれん
私は残念ながらありません。
境原さん
そうですか。
23区の中では多摩地域に近い武蔵野台地に位置していて、川や雑木林も割と多く残っています。ぜひ一度訪れてみてください。
シーナ
ぼくはこの間、善福寺公園というところに行ってきたよ。
友だちのどんぐりたちがいっぱいいたなあ。
境原さん
きみは、どんぐりの精だったね。どんぐりは種類が多いから、なかまも多いんだよね。
今回紹介する井荻小学校は、学校の敷地内に、その善福寺公園を水源とする善福寺川という川が流れているんですよ。
私たちが関わる前から野鳥観察の授業をしていましたが、せっかくの立地を生かして川の学習をしてみませんかと提案したことで、2009年から善福寺川の授業が始まりました。
かれん
学校の中に川が流れているなんてステキ!
ぜひ行って見てみたいです。
シーナ
でも危なくないのかな?
境原さん
そうなんですよね。今はフェンスで囲っていて普段は入れないようになっていますが、かつては開放されていて自由に川に入って遊んだりできたそうです。校長室にはその当時の写真も飾ってあるんですよ。
校長室に飾られた開校当時の井荻小フェンスに囲まれた今の善福寺川

校長室に飾られた開校当時の井荻小と、フェンスに囲まれた今の善福寺川

シーナ
うらやましい!
境原さん
ここの川の学習は、まずは4年生を中心として始まりました。
4回の授業サポートを通じて、子どもたち一人一人が自分なりのテーマを設定して調べ学習を行うのです。そこから発展して、3年生では川の生き物に親しみ、5年生になると4年生の時よりも精度の高い水質検査や指標生物探しなどを行って、学年ごとにステップアップしていきます。
かれん
私たちの学校の近くには川がないから、川の学習をするのも難しいですか?
境原さん
学校の中に川が流れているというのは珍しいと思いますが、各学校なりの環境の特性があると思いますから、それをうまく生かした環境学習ができるといいと思うんですよ。
実は、この取り組みが始まった年の3月に、5年生の社会科の単元に京都の鴨川を再生した地域の人たちの話があったのも一つのきっかけになりました。
かれん
鴨川再生の話は私も習ったことがあった気がします。
境原さん
同じ教科書かもしれませんね。井荻小では、そのとき担任の先生が、せっかく鴨川再生のことを勉強したんだから地元の川についても子どもたちに知ってほしいということで、私たちが善福寺川の状況を説明することになったのです。
シーナ
教科書で勉強したことをそれだけで終わらせず、身近な川と比べて考えたりすることで、自分の事として定着していくんだろうね。
境原さん
まさにその通りなんです。授業の後、先生が子どもたちに「自分たちにできることってないかな?」と問いかけたのですが、それも勉強だけで終わらせるのではなくて、自分たちの生活に引き付けてほしいという思いがあったからなんですよ。
かれん
それで、井荻小の子たちはどうしたんですか?
境原さん
先生の問題提起を受けて、さまざま意見が出て議論が起りましたが、まずは一番身近にできる川のごみ拾いから始めることを決めました。
以降、3学期の終わりまで毎日続けていきます。2010年度からは普段は立ち入ることができないフェンスの内側にも特別の許可をもらって入り、川沿いを歩いてごみを拾いました。
シーナ
毎日続けたのはすごいなあ。
かれん
その活動は今でも続いているんですか?
境原さん
この年の5年生たちが、6年生に進級してからも通年の活動として続けましたし、2011年3月には卒業後も続いてほしいと、6年生たちが5年生たちに向けて自分たちの思いを伝えて、新6年生がその思いを引き継ぐようになりました。
以来、井荻小では善福寺川のごみ拾い活動が、川の学習の集大成とし定着しています。低学年の子どもたちも川を歩いてごみ拾いをする6年生たちの姿を見ていますから、「ぼくたち・わたしたちも早くやってみたい!」と心待ちにしているのです。
こうした活動が柱になって、学校全体で川の学習を進めるという意識が共有され、発展的な学習が展開されています。
かれん
今日は、井荻小の取り組みについて教えてくださって、
ありがとうございました。

Question

かれん
では、ここで問題です。
境原さんたちNPO法人すぎなみ環境ネットワークでは、杉並区内全域における環境学習のサポートを行っているそうですが、中でも活動が広がるきっかけとして2000年から続けている活動があります。次のうちどれだと思いますか?
  • A1 夏の直射日光を遮って涼しくする「緑のカーテン」の設置・栽培
  • A2 冬の間に学校のプールの中で生まれたヤゴたちを捕まえる
    「ヤゴ救出作戦」
  • A3 生ゴミ堆肥で地場産の野菜を育てて、学校給食の食材に使う地域循環の取り組み
ヒント:実は、このECOネット東京62のホームページでも紹介しているので、読んだ人もいるかな…。

答えを見る

解説

シーナ
答えは、A2の「プールのヤゴ救出作戦」。

学校のプールは、毎年6月頃にはじまるプール開きに合わせて、冬の間に溜めていた水を抜いて、清掃が行われるんだ。
このとき、プールに産み付けられたトンボの幼虫・ヤゴなどの水生生物も排水溝から水といっしょに流されてしまうため、水位を落としてヤゴを捕まえて、学校や家で飼育しようというのが、「ヤゴ救出作戦」なんだよ。
学校の立地の違いや、プールまわりの木の有無や枝の張り出し方などの環境条件によって、プールの中にいるヤゴの数や種類も大きく変わってきて、多いところでは数千頭も捕れるんだって。すごいよね!

※ECOネット東京62では、活動紹介の第54回( http://all62.jp/ecoreport/54/01.html )で取り上げているよ。
あわせて読んでみてね!

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