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みどり東京レタータイトル

 みどり東京レターは、都内62市区町村が実施するイベントをわかりやすく紹介することを目的に、月に1回程度の更新を予定しています。ぜひご一読ください。

2021.10.15

第20号地球温暖化対策のために、一人ひとりが実践できる省エネについて学ぼう!―荒川区「あらかわエコキャラバン」

「あらかわエコキャラバン」は、環境省が貸し出している色々なツールを用いながら、区民が地球温暖化について学べる体験型イベントです。(写真は「ゆいの森あらかわ」会場にて)

「あらかわエコキャラバン」は、環境省が貸し出している色々なツールを用いながら、区民が地球温暖化について学べる体験型イベントです。(写真は「ゆいの森あらかわ」会場にて)


イベント名称:あらかわエコキャラバン

開催日時
令和3年8月23日(月)~9月6日(月)午前9時30分から午後5時まで
会場
ふらっとにっぽり(1階おもてなしスペース)(8月23日~8月25日)
尾久図書館(1階みんなのひろば)(8月26日~8月28日)
ゆいの森あらかわ(1階ゆいの森ホール)(8月29日~9月6日)
※ふらっとにっぽりではグラフィックパネル・クイズパネルの展示のみを行いました。
主催
荒川区 環境清掃部 環境課 環境推進係

shiina

地球温暖化対策として自分ができることは何かを考えるきっかけになったよ!

会場を分散させたアウトリーチ(出前)形式で密を回避!

 アウトリーチ(出前)形式の環境イベント、「あらかわエコキャラバン」が実施されました。
 テーマは気候変動と省エネ。環境省の「COOL CHOICEイベント用展示ツール」を活用し、地球温暖化対策について、区民の方に様々な角度から学んでもらえるイベントとなりました。
 今回は、2週間の間に、ふらっとにっぽり、尾久図書館、ゆいの森あらかわ、の区内3カ所の施設を巡回しました。取材で訪れた「ゆいの森あらかわ」会場には、多くの家族連れが立ち寄り、親子で展示の内容に熱心に見入っていました。
 本イベントの開催経緯について、荒川区 環境清掃部 環境課 環境推進係、清水雄大さんにお話を伺いました。

 荒川区環境課では、従来、集客型イベントとして、エコフェスタや、環境・清掃フェアなどを開催してきましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、相次いで中止となってしまいました。そこで、アウトリーチ型でのイベントを実施することとなり、環境省のイベント用展示ツールの申込みをし、貸出しを受けることが決まりました。
 主な内容は、12枚のグラフィックパネル、クイズパネル、7歳以上を対象としたVR(バーチャルリアリティ/仮想現実)体験です。まずは、パネルを通して気候変動や省エネについて、その具体的なアクションについて学んだ後、クイズで知識を深め、希望の方にはVR体験をしてもらいます。そして、地球温暖化対策のためにできることを、参加者が自らの手でメッセージボードに残すという盛りだくさんのコンテンツです。最後には、エコなノベルティのプレゼントもありました。

※画像をクリックすると拡大表示します

VRゴーグル用衛生マスクを使用することで、VR機器と参加者の肌が直接触れないようにしたり、アルコールで消毒するなど感染症対策も徹底。

VRゴーグル用衛生マスクを使用することで、VR機器と参加者の肌が直接触れないようにしたり、アルコールで消毒するなど感染症対策も徹底。


 特に区民の関心が高かったのは、VR体験です。気候変動が進行していった場合、異常気象のせいで地球がどうなってしまうのか、「もしも、自然生態系の異変がさらに悪化したら…」、「もしも異常気象による災害が激甚化したら…」など5つのシナリオの中から一つを選び体験することができます。ゴーグルをつけると360度目の前にシアターが広がり、その臨場感に、私たちの身にも起こり得る危機について実感できた方が多かったようです。すべてのシナリオを体験するために、リピートして来場してくださった区民の方もいたといいます。
 大好評だったあらかわエコキャラバンには、実施期間中、なんと、延べ1125名が訪れました(尾久図書館とゆいの森あらかわの来場者合計)。

カプセルトイからでたボールの色に応じて、ノベルティのプレゼント。マイボトルやマイストロ―など、使うことでエコにつながるものばかり。

カプセルトイからでたボールの色に応じて、ノベルティのプレゼント。マイボトルやマイストロ―など、使うことでエコにつながるものばかり。

 アウトリーチ型で実施することの最大のメリットは、普段の施設利用者や、従来のイベントではアプローチできなかった層の方々にも参加していただける点です。また、会場を分けつつ期間を長く設定することで、来場者数を分散させ、密を回避することもできます。アルコール消毒はもちろんのこと、会場内の導線などにも気を配り、感染予防をしっかりと講じながら実施することができました。
 また、来場者を分散させたことで、パネルについて詳しく説明したり、クイズに一緒に挑戦してみたりと、来場者の方とコミュニケーションを取ることもできたそうです。集客型の大規模イベントでは来場者の方全員と接する機会を得ることは難しいですが、イベント中は、「エコについて考えるきっかけなった」という声も直接聞くことができたと清水さんは話します。

コミュニティレベルでの省エネ:新たな気づきをきっかけに、行動変容を促す

 荒川区では、現在、脱炭素化へ向けた取り組みに力を入れています。同区では、省エネや節電アイデアなど身近な『エコ』を募集し、その優れた活動やアイデアを表彰する「環境区民大賞」や、夏休み期間中、小中学生を対象に「夏休みエコ教室」などを実施しているほか、シェアサイクルやエコ助成などの事業を幅広く展開しています。中でも重要なのは、全体の約4割を占める家庭部門での二酸化炭素排出量を減らすことだと、清水さんは言います。
 今回エコキャラバンを実施した狙いも、区民の皆さんに家庭でもできる省エネについて考え、また、各自で実践してもらうためでした。

パネルについて学んだあとは、COOL CHOICEクイズに挑戦! 質問ボードを裏返すと、答えが表示されます。

パネルについて学んだあとは、COOL CHOICEクイズに挑戦! 質問ボードを裏返すと、答えが表示されます。

 例えば、COOL CHOICEクイズの中には、普段家庭で使用されている家電について、①エアコン、②冷蔵庫、③テレビのうちどれが一番電気を使っているか、という問題がありました。
 答えは②冷蔵庫ですが、これは意外と知られておらず、クイズに参加した区民の方からは驚きの声が上がっていたようです。このように、荒川区では、イベントを通じて、身近なエコについて学んでもらい、意識啓発を行うとともに、省エネエアコンや省エネ設備購入の際の助成を積極的に行うなど、行動変容とも連動させているのです。
 今回は、コミュニティの拠点となる施設でイベントを実施することで、より幅広い層の区民にアプローチすることができ、その効果はますます期待できそうです。

地球温暖化に対する取り組みについて、実際に自分の手で文字に起こしてもらうことで、その重みについて心に刻んでもらう。

地球温暖化に対する取り組みについて、実際に自分の手で文字に起こしてもらうことで、その重みについて心に刻んでもらう。

 地球温暖化は、もはや私たちひとりひとりの課題です。気候変動が今後もたらしうる危機について自覚し、日々の行動を見直していかなくてはなりません。メッセージボードには、「あらかわエコキャラバン」を通じて学び、得ることができた新たな気づきをもとに、区民が自分たちにできる省エネについて考えたアイデアが溢れていました。
 これら一つ一つがアクションとなることで、地球温暖化防止に向けた大きなステップとなるでしょう。
 清水さん、本当にありがとうございました。

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本事業は、公益財団法人 東京都区市町村振興協会からの助成で実施しております。