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 みどり東京レターは、都内62市区町村が実施するイベントをわかりやすく紹介することを目的に、月に1回程度の更新を予定しています。ぜひご一読ください。

2022.12.05

第34号高密都市に森をつくる―豊島区「グリーンとしま」再生プロジェクトの植樹

豊島区制施行90周年記念事業の植樹が行われた「みらい館大明」。旧大明小学校の校舎を活用した施設で、この日開催された「大明まつり」に合わせて実施されました。


豊島区 「グリーンとしま」再生プロジェクト「いのちの森」記念植樹

開催日時
令和4年10月30日(日) 10:30~12:00
会場
豊島区 みらい館大明
主催
「グリーンとしま」再生プロジェクト実行委員会、豊島区
参加者
81名

shiina

人口が密集している豊島区を緑いっぱいにしようと植樹しているんだ。
今回は、計57本の苗木を植えたよ!

人口密度日本一の豊島区に「いのちの森」をつくろう

 青空高くに雲が浮かび穏やかな秋の空気に包まれた10月30日(日)、豊島区のみらい館大明で、「グリーンとしま」再生プロジェクトの植樹が行われました。今回の植樹は豊島区制施行90周年記念事業「いのちの森」記念植樹2022の一環として実施されたもので、同日に開催された大明まつりに合わせて行われました。

 主に会場近くの幼稚園、保育園に通う園児とその保護者、近隣住民の方々が参加し、「グリーンとしま」再生プロジェクト実行委員会や豊島区制施行90周年部会員の皆さんといっしょに、準備されたヤマボウシ、ヤマブキ、サカキ、センリョウ、ジンチョウゲ、ツツジなど計57本の木を植えました。

※「いのちの森」…植物生態学者の故・宮脇昭先生が提唱された宮脇方式(「その土地に従来から生息している種類の木を複数種類混ぜて、密に植える」森づくり)で植樹し、作られた森。

開会式で挨拶する高際みゆき副区長。「豊島区は90周年ですけれども、100年、120年に向けて、木とともに子どもたちが元気に育つことを願いつつ一緒に植えましょう」と挨拶されました。

「グリーンとしま」再生プロジェクト実行委員会の石森宏委員長。植樹を始めたときからプロジェクトを指導された植物学者の故・宮脇昭先生の思い出を交えつつ、小学生が寄せた「自然はね、地球をささえるいのちだよ」という標語を紹介。緑を育てる大切さをお話しされました。

この日、計57本の苗木を植えるために準備されたスペース(かつての校庭の一角)。

密を避けるため、少人数に分かれて順番に木を植えました。老若男女、協力し合いながらの作業です。

全員が植樹を終え、苗木で埋まりました。少し密植気味ですが、この中で共生し、競争しながら育つことで、よい森ができるという考えです。

継続こそが力に ─区民1人1本「29万本」を目指して

 「グリーンとしま」再生プロジェクトは、限られた土地を有効活用して、多くの人が集い、賑わう豊島区を緑いっぱいにすることを目指して、2009年から開始した取り組みです。同年から区立小中学校、翌年以降には公園などの公共施設での植樹を開始し、10年目の2018年には10万本の植樹を達成、引き続き区民1人1本の植樹「29万本」を目指して活動を継続中です。2022年10月現在、約13万7000本を約100か所に植樹しました。また、植樹事業で配られる苗木は、参加者の自宅にも緑を増やして欲しいとの願いが込められています。緑を増やすことで持続可能な都市を作るという区政と区民の協働が徐々に形になりつつあります。

 この日、植樹に参加した区民の方には記念品とともにヒラドツツジの苗木が贈られました。豊島区環境清掃部参事の岡田英男氏は「区民の方の間には、“地球温暖化なので緑を増やす貢献をしたい”という考えが高まっている」と手応えを話してくださいました。

みらい館大明で2013年に植樹された木々。植物生態学者であった宮脇先生の「地域に自生する木を植えること。木を植えることは、命を植えること、明日を植えること、そして心に木を植えることです」という考えが実践されています。

環境対策を先導する環境庁舎

 豊島区役所本庁舎は、2015年に現在の地に移転しました。現庁舎は最大限環境に配慮することを目指し、太陽光発電や自然採光、雨水を貯留してトイレの洗浄水や緑地の潅水に再利用する水循環システム、エコヴォイドと名付けられた1~9階の吹き抜け空間による自然換気、グリーンテラスなどの環境技術を取り入れています。屋上10階には、かつての豊島区の自然を再現した「豊島の森」を整備しており、一般にも開放されています。また、小学生対象の環境講座などの環境教育でも活用しています。

豊島区本庁舎が入る複合ビル、としまエコミューゼタウンの外観。壁面緑化が施され、太陽光パネルが設置されています。10階には屋上庭園「豊島の森」があり、一般に開放されています。

「豊島の森」の様子。“武蔵野”に多いエゴノキ、シラカシ、アラカシ、イヌシデ、イロハカエデなどの広葉樹の他、ミツバツツジやナツハゼなどの低木、アジサイやトキワイカリソウなどたくさんの植物が育ち、ハナアブやハチ類、小鳥の姿が見られる都会のオアシスです。

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本事業は、公益財団法人 東京都区市町村振興協会からの助成で実施しております。