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 みどり東京レターは、都内62市区町村が実施するイベントをわかりやすく紹介することを目的に、月に1回程度更新しています。ぜひご一読ください。

2023.11.17

第45号気軽に楽しく身近な環境づくりを考える――国立市「第25回 環境フェスタくにたち」

会場の一つとなった、くにたち市民芸術小ホール。ここでは子どもたちの環境作品展や絵本と児童書のリサイクル、エコバッグづくりなどが行われました。


国立市「第25回環境フェスタくにたち」

開催日時
令和5年10月21日(土) 10:00〜15:00
会場
くにたち市民芸術小ホール・谷保第四公園・国立市役所西側広場
主催
環境フェスタくにたち実行委員会・国立市
協力
(株)ヤクルト本社中央研究所・(株)小池商店

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会場には40を超えるブースが並んでいて、ごみの減量やリサイクル、正しい電気の使い方など、
毎日ちょっとの努力でできることを体験しながら学んだよ。

「環境」ってなんだろう?を楽しく考える

 令和5年10月21日(土)、少し汗ばむような秋晴れのもと、国立市では「第25回 環境フェスタくにたち」が開催されました。今回は『「環境」ってなんだろう? 〜身近な環境づくりを考える〜』をテーマにして、会場にはさまざまなブースが並びました。絵本のリサイクルのほか、エコバッグ作成、端材を使った木工など参加型・体験型のコーナーに多くの市民が集まっていました。

開会式で挨拶に立つ国立市の永見理夫市長(右)。左は実行委員長の田中友統さん。永見市長は挨拶の中で、食品ロスの削減やフードドライブなどは、温暖化防止とともに社会課題の解決への道を開くものと強調され、協働の大切さを指摘しました。

シルバー人材センターによる包丁研ぎの受付コーナーに並ぶ人々。事前申し込みで200本、当日受付で50本の包丁が持ちこまれました。毎年依頼しているという年配の女性は「よく切れるようになって気分良く料理できます」と話していました。

芸術小ホールの地下アトリエで開かれていたエコバッグ作成のコーナー。布製のトートバッグにクレヨンで絵や文字を描き、わら半紙の上からアイロンを当てて定着させると、世界に一つだけのエコバッグが完成します。

リユースバザーの会場。開会と同時に市民が集まり、並べられた衣類や雑貨などの商品を手に取っていました。

人気ブースの一つ「木材トントンコーナー」。建築業などの専門業者から提供された端材の板や角材を使って、踏み台や本立て、コーナーテーブルなどを自由に作ります。製作に没頭していた参加者は「自分の思い描いたサイズ・形のものを作れるのが嬉しい」と話してくれました。処分されるはずだった端材がしっかり生かされていました。

ごみの分別クイズに挑戦。さまざまなごみの写真を見ながら可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみなどに分けていきます。

ごみ減量への取り組み ―マイ食器の持参、生ごみ処理容器の普及―

 現在、全国各地で行われているイベントでは会場のごみを減らす取り組みが進んでいます。「環境フェスタくにたち」でも事前にパンフレットなどでマイ箸、マイ食器、マイコップの持参を呼びかけていました。当日はリユース容器の貸出ブースもありましたが、多くの来場者が各自食器を持参している様子でした。
 また、数年前から市と市民団体が協働で生ごみ処理容器「ミニ・キエーロ」の普及を進めています。会場では普及活動の一環としてモニター募集のための実演が行われ、実際に日々使っているという市職員から、ごみ収集日に生ごみを出す量がぐっと減ったという説明がありました。国立市のごみは令和3年度の統計で、全体の約70%が可燃ごみ、そのうち約40%が生ごみです。「ミニ・キエーロ」の普及による生ごみの減量化にも期待が寄せられています。

来場者の多くが、マイ食器を持参して飲食店を利用していました。幼児を連れた女性に話を聞くと「慣れないので戸惑いましたが、マイ食器だとごみを捨てる場所を探す手間が省けていいですね」と話してくれました。会場で山積みになったごみを目にすることがないのも清々しい光景でした。

生ごみ処理容器「ミニ・キエーロ」の実演。プランターに雨除け用のカバーを装着した容器は、都外の自治体での実践を参考に改良を重ねた国立市オリジナルの容器です。中に入れた黒土に穴を掘り、生ごみをしっかり埋めておくと微生物の力で約2週間後にはごみが分解され、臭いも出ずにごみが土に返ります。

ごみ収集車(通称パッカー車)を使ったごみの学習。パッカー車の仕組みを大人も子どもも興味深げに見入っていました。ライターやLPGを使っているスプレー缶などが普通ごみといっしょにパッカー車に入ると火災が起こることがあるなどの説明があり、ごみ分別の重要性も学びました。

東京消防庁による火災の模擬実験。手前の容器にLPGを含むスプレー缶の液体を少量噴霧して火花を出すと爆発が起こり、容器の口にかぶせた漏斗が吹き飛ぶ様子に、危険性を実感することができました。
また、化学繊維の布と木綿布、不織布などの燃焼実験によって、素材による燃え方の違いの実演もありました。

気候変動・温暖化防止を気軽に学び、楽しみながら考えよう

 会場では「きこうへんどうって何だろう?」、「電気製品の省エネと正しい使い方」、「自転車で人力発電体験」、「資源回収コーナー」、「ペレットストーブや太陽光発電蓄電池の展示」、「家具の転倒防止相談」や「住宅の断熱化相談」など多彩なコーナーが設けられていて、気候変動や温暖化防止対策を総合的に捉えようという意図が垣間見えました。青空のもと、多くの市民が気負うことなく楽しみながら、かつ身近な問題として温暖化防止や気候変動を考える場となっていました。

環境政策課が準備した自転車で人力発電を体験するブース。省エネ家電買い換え補助金の案内などもあり、エネルギーを無駄なく上手に使うことの大切さをアピールする場となっていました。

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