トップページ > みどり東京レター > 食品ロスを減らすために、どんなことができるだろう? 中央区立環境情報センター・展示「食品ロスについて考えよう!」
みどり東京レターは、都内62市区町村が実施するイベントをわかりやすく紹介することを目的に、月に1回程度の更新を予定しています。ぜひご一読ください。
2022.05.31
中央区立環境情報センターの入口
「食品ロス」は、貧困や温暖化などとも関係しているよ。無駄なく食べきることが大切なんだね。
中央区立環境情報センターでは、4月29日(金)から5月22日(日)まで、展示「食品ロスについて考えよう!」が開催されました。
食品ロスの問題は持続可能な開発目標(SDGs)の12番目「つくる責任、つかう責任」に位置づけられていますが、この目標だけでなく、飢餓や貧困、人や国の不平等をなくそうなど、ほかの多くの目標と関連をもつ多面的な問題、世界全体の課題でもあります。
展示「食品ロスについて考えよう!」の様子。イラストを多用したパネルによって、わかりやすく解説されていました。
「食品ロス」とは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことで、日本の食品ロス量は年間646万トン(2015年度の推計、2019年度は570万トン)。国連世界食糧計画による食糧援助量が年間約420万トン(2019年実績)ですから、これと比較しても、日本の食品ロスがいかに大量であるかがわかります。同時に、日本の食料自給率は38%(カロリーベース)ですから、生産のために使われる資源や運搬のためのエネルギー、捨てた食品の処分コストなどを考慮すれば、大量な無駄遣いをしていることになります。
日本の食品ロスは、およそ半分が、一般の家庭から出ていると推測されていて、この量を減らすことが重要なのです。そのため、今回の展示では、特に家庭での食品ロスを減らすために役立つ取組みや工夫に注目して紹介されていました。
展示には、買い物の工夫など、簡単ですぐに行動に移せる例がたくさん紹介されていました。
区民の関心も高く、4月29日(金)から5月22日(日)までの会期中に212名が来場、年齢層も2歳から70歳までと幅広い層が訪れています。パネルの内容も、「お買い物は使いきれる分だけ」や、「食べきるための調理テクニック」など、すぐに行動に移せるものばかりで、来場者からは「家庭から出ている食品ロスの量に驚いた」という声のほか、「勉強になった」「今後の参考にしたい」などの感想が寄せられています。
中央区立環境情報センターは、地域が一体となって環境活動を実施する拠点となることを目的に設置されました。中央区は江戸時代から400年以上にわたって、商業・文化・情報発信の中心で、現在はオフィスも多く、たくさんの人々が行き交う場所です。
中央区立環境情報センターが入っている東京スクエアガーデンの外観。東京メトロ銀座線「京橋」駅に直結していて、非常に利便性がよいです。
環境保全意識の普及・啓発には、区民へのアピールに工夫が欠かせないため、SNS(ツイッター、インスタグラム)やYouTubeでの動画配信を活用した積極的な情報発信や、年4回の季刊紙「環境情報センターだより」の発行などを通じて周知を図っています。
環境情報センターでは様々なイベントを実施しており、5月10日に実施した「ECOカフェ料理教室」では、パスタを活用したリメイク料理を作って、イタリアマンマの知恵を学び、食品ロスについて考える時間も設けました。参加者からは、「イタリアの知恵を学べた」など好評でした。
また、様々な分野・テーマの総合環境講座も開催しています。今年度は「環境問題、SDGsとビジネス・生活・世の中!」をテーマに、専門家を講師に迎え、全9回の連続講座が行われる予定です。そのほか、まち歩きのついでに手ぶらでふらっと立ち寄った方でも参加可能な工作コーナーや、木、牛乳パック、粘土、野菜の切れ端などを使った親子向けエコワークショップ講座も実施しています。
常設の展示情報コーナーは、江戸時代のエコについて学べる「エコを探そう!江戸時代」や環境に関するクイズが出題される「クイズ!エコマスター」など、タッチパネルを利用して多様なビジュアルを再現し、クイズに答えながら、地球にやさしい生活や技術開発などを学べるようになっています。
「エコを探そう!江戸時代」は、CGで江戸のまち並みを再現。タッチパネルを操作しながら江戸のまちを散策しているような感覚が楽しめます。
本事業は、公益財団法人 東京都区市町村振興協会からの助成で実施しております。
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