トップページ > みどり東京レター > SDGs かけ声よりもまず実行 地球のために 何か1つ ――東村山市「エコライフフェア」
みどり東京レターは、都内62市区町村が実施するイベントをわかりやすく紹介することを目的に、月に1回程度更新しています。ぜひご一読ください。
2023.12.15
会場となった秋水園(東村山市秋津町)の広場で行われたオープニングセレモニー。東村山市内のダンススタジオWAVE DANCEの皆さんが、寒さを吹き飛ばすような溌剌としたダンスを披露しました。
エコライフフェアでは、省エネ・省資源実践の一つとして、
会場案内のチラシは紙に印刷しないでQRコードで来場者がスマートフォンに表示していたよ。
前日の暖かさから一転、強い寒気におおわれた令和5年11月26日(日)、東村山市の秋水園でエコライフフェアが開催されました。このイベントは、令和3年度まで個別に開催されていた「環境フェア」と「リサイクルフェア」を統合した形で令和4年度から始まりました。今年度は「SDGs かけ声よりもまず実行 地球のために 何か1つ」というテーマを掲げて、環境に配慮した循環型社会の構築に向けた情報発信の場となることを目的として開催されました。ときどき小雨が降るあいにくの天気でしたが、会場に集まった市民はフリーマーケットや飲食コーナーを覗いたりスマートフォンを活用した恐竜探しにチャレンジしたりと楽しんでいました。
オープンセレモニーで挨拶に立った実行委員長の高村久代氏。
「地球からいただいたものを1つでも地球に返すことで循環ができるように、ともに取り組んでいきましょう」と、イベントのテーマを説明しました。
オープニングセレモニーで挨拶する渡部尚市長。
東村山市はごみの減量とリサイクル率において全国でも上位に位置する進歩的な都市であることを強調し、今後はさらに温室効果ガスの削減にも取り組んでいくとして、市民の協力を呼びかけました。
東村山市のゆるキャラ・ケヤキの妖精「ひがっしー」(左)、廃棄物処理会社のマスコットキャラター・地球環境防衛軍「エコマン」(中)、東村山ラビッツ村の村長「らびっこ」(右)などのキャラクターも集合し、子どもたちの人気を集めていました
会場にならんだブースには、秋水園の中で活動しているリサイクル工房「とんぼ工房」によるリサイクル家具やおもちゃの販売、NPO空堀川に清流を取り戻す会による展示などのほか、秋水園内のリサイクルセンター施設の見学や、パッカー車の展示と乗車体験、生ごみ処理器「ミニ・キエーロ」の展示と体験など、多彩な催しが行われました。また、自転車を漕いで発電したエネルギーで電車を動かしたり、ごみの分別クイズや空堀川で捕れた魚の展示水槽、外来種のカメを目近で観察できたりする場もあり、SDGsという大きなテーマを一つ一つていねいに考える工夫が感じられました。
とんぼ工房は、秋水園の中にあるリサイクル工房です。リサイクルセンターに持ちこまれた家具などの粗大ごみを修理・修繕して次の利用者に譲る活動とともに、使用不能になった家具類を解体して出た端材でおもちゃなどを作って販売しています。
資源ごみとして持ちこまれたびん類を溶かしてつくったガラス玉を貼りつけてオリジナルのオブジェの制作にチャレンジ。
参加者はきれいなガラス玉を選びながらの作業が魅力だと話してくれました。
段ボールで作ったコリントゲーム。ゲームには外来種のアメリカザリガニやアライグマなどの絵が張り込まれていて、楽しく遊びながら外来動物を覚えてもらう工夫が凝らされていました。
グリーンカーテンコンテストの様子。市内の個人から12点、団体から5点の応募があり、来場者の投票により最優秀賞と優秀賞が決められました。
今回のエコライフフェアでは、市民が手作りした従来型の出展に加えて、アプリを使って生きもの調査をする「バイオーム」の体験会、スマートフォンとARを活用して恐竜の化石を探すバーチャルイベントなど、新しいツールを使ったコーナーも準備されていて、来場者の人気を集めていました。
学校の授業でもタブレットを使いこなす世代が増える中、アプリを使って自然環境や生活環境を考える新しい手法でSDGsや環境への関心を啓発する動きも徐々に増えていくことが予想されます。従来型のイベントの形とアプリなどを使った新しい方法が融合したハイブリットなイベントの在り方を体験できたエコライフフェアでした。
スマートフォンとARを使ったバーチャル化石探し。会場の各所に張られた恐竜のマークを見つけてスマートフォンで撮影、クイズに答えると化石が出現し、化石を彫って恐竜を探し当てると、画面に会場の中で動く恐竜が現れました。
「空堀川に清流を取り戻す会」の展示ブース。空堀川の成り立ちや現状、会の活動の様子とともに、外来生物についての説明などがまとめられていました。
「いきものコレクションアプリ Biome」をダウンロードし、スマートフォンで植物や動物を撮影して検索すると、撮影した生き物の名前を調べることができます。
普段何気なく見ている生き物も、名前がわかるとぐっと身近な存在になるようです。小学校の中にはすでにこのアプリを授業に取り入れているところもあります。
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