トップページ > みどり東京レター > 地球のために何ができるか考える ――台東区「第23回 環境(エコ)フェスタたいとう 2024」
みどり東京レターは、都内62市区町村が実施するイベントをわかりやすく紹介することを目的に、月に1回程度更新しています。ぜひご一読ください。
2024.12.12
会場となった台東区生涯学習センターの入り口
会場全体でスタンプラリーをやっていたよ。
各階のブースでクイズに回答するとエコグッズと交換できて、気分が上がってくるね。
少し肌寒さを感じさせる曇り空のもと、台東区の生涯学習センターおよび隣接する金竜公園を会場にして「第23回 環境(エコ)フェスタたいとう」が開催されました。今年は、昨年に引き続き「もう一度 耳をすまそう 地球の声に」をテーマとして、45ブースが展開されていました。
オープニングセレモニーで挨拶する台東区長の服部征夫さん。
挨拶では、「脱炭素社会を目指し、省エネルギーの普及啓発や廃棄物の削減、プラスチックの分別回収などの取り組みを進めている」と、区の環境政策などについて説明がありました。
オープニングセレモニーで挨拶する
実行委員会委員長の渡邊卓洋さん。
「一人ひとりの行動が未来を変える」と強調されました。
一階アトリウムの中心に置かれた「エコの樹」には、来場者のメッセージがたくさん貼られていました。メッセージをみると、地球のために自分に何ができるか、一人ひとりが考える機会となっていることがわかりました。
来場者の声がたくさん貼られた「エコの樹」。「ごはんをのこさない」「節水」「マイボトルを使う」など、今、自分に出来ることを書いたものが目立ちました。
会場には、古着や端布、端材などでくらしの道具を作ったり、どんぐりや松ぼっくりを材料にしておもちゃを作ったりするコーナーもあって、普段はあまり意識しない素材を積極的に生かして使う体験コーナーも充実していました。「もったいない」の心を養い、次世代に伝えたいという実行委員会の心意気が垣間見られました。
「古着・端布で何が出来るの?」のブース。
古着や端布、余り糸でつくった小物がならび、「もったいない」の心が形になって見えました。
どんぐりなど自然の素材でおもちゃづくり。
台東区に関連のある企業や団体のブースでは、環境への負荷を減らす取り組みを積極的にアピールしていました。
以前は廃棄されていたコークスでつくるロックウール(人工の鉱物繊維)の使用例や断熱効果などを紹介するブースがあったり、CO2からe-メタンと呼ばれる合成メタンができる仕組みをゲームで体験するブースがあったりと、普段、表面には現れないさまざまな技術も身近に見ることができました。
e-メタン(合成メタン)のできる仕組みを
ゲームで体験しました。
台東区では「花の心プロジェクト」(※)を推進しており、今回の環境(エコ)フェスタでも「エコプランターを使って花の寄せ植えをしよう!」や「堆肥de! ガーデニング講座」など花や緑でうるおいのあるまちづくりのためのワークショップが行われていました。
また、「隅田川の水質を調べよう」や「プラスチックは資源!」など団体や区による活動の紹介とともに、オール東京62共同事業「みどり東京・温暖化防止プロジェクト」のブースも出展され、各市区町村の環境への取り組みプロジェクトとして実施している取り組みなどを紹介していました。特に、荒廃した竹林に目を向け竹の有用性を伝える「竹林間伐材を作って遊ぼう!」、「油・断・快適! 下水道!」など、普段見過ごしている部分や隠されている部分に目を向けるよい機会を提供する試みも見られました。
こうしたSDGsを意識した取り組みを実際にさまざまな角度から見て体験できる仕組みがあちらこちらに組み込まれていて、刺激的な環境フェスタでした。
(※)「花の心プロジェクト」は、花をいつくしむ心、思いやりとおもてなしの心を持って、花でまちを飾り、心豊かでうるおいのあるまち台東区を世界にアピールする事業
「油・断・快適! 下水道!」のブースでは、家庭や飲食店などから流された油が下水管の壁に塊になってへばりつき、下水管の詰まりを起こしたり、洪水とともに流れ出たオイルボールが環境を汚染したりすることを教えられました。
「竹林間伐材で作って遊ぼう!」のコーナーで、竹ぽっくりに挑戦! 竹馬もあり昔の自然素材を利用した遊びを楽しむ子どもたちの姿が新鮮。竹を利用することで竹林整備が進むことを願いたいものです。
オール東京62市区町村共同事業「みどり東京・温暖化防止プロジェクト」のブースでは、東京都全域の地図を広げたワークショップや多摩産の間伐材を使ったワークショップなどに集まる子どもたちの姿が見られたほか、市区町村ごとの二酸化炭素排出量のグラフの比較の説明もあって、一口に東京といっても地域によってさまざまに違いがあることが実感できました。
本事業は、公益財団法人 東京都区市町村振興協会からの助成で実施しております。
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