板橋区取材レポート
「いきいき暮らす緑と文化のまち“板橋”」を区の将来像とする板橋区は、エコ活動にとても積極的です。ビンガラスの用途を広げるために結成した「板橋区ガラスリサイクルプロジェクトチーム」は自治体環境グランプリを受賞し、資源の有効利用を啓発する「リサイクルプラザ」や、環境学習ができる「エコポリスセンター」といった施設も充実しています。
そして、レジ袋削減への取り組みにも力を入れています。今回はその中で、特に板橋区のオリジナリティー溢れる3つの活動を紹介します。
1つ目は、「板橋のいっぴんフェア」での啓発活動です。「板橋のいっぴん」とは、食べ物のおいしい店を区民の方が投票し、区が認定したものを指します。その「いっぴん」の店を集めたイベントが毎年11月に開催される「いっぴんフェア」です。「いっぴんフェア」では、1つの店舗が1つだけ商品を出すため、1人で5~6個の「いっぴん」を買った際に、小分けの袋を何枚ももらうという行為を避けてレジ袋を減らすため、「5店で買い、レジ袋を5枚断ったら景品をプレゼントする」という活動をしています。その実績として、平成21年度は1850枚ものレジ袋を削減したそうです。
2つ目は、「ごみ減量・リサイクル出前講座」です。この講座は、保育園児、小学校4年生、地域のリサイクル推進員の方を対象に行います。保育園や小学校では、小さい頃からごみに対する関心や習慣をつけるために行い、出前講座の中で必ずレジ袋のことをお話しするそうです。保育園へ出前講座に行くと「レジ袋、それダメ―!」と言う子がいることや、「マイバッグ」という言葉を皆が知っているため、レジ袋削減が浸透してきている印象を受けるそうです。平成21年度は、保育園32校、小学校26校への出前講座を行ったそうです。また平成22年度より、地域のリサイクル推進員の方に対しては、地域のリサイクルリーダーになってもらうため、より実践的なことを教えています。
3つ目は、「いたばしエコ・ショップ認定制度」です。「いたばしエコ・ショップ」とは、ごみの減量や3Rの積極的な取り組みについて区に認定された店のことで、認定されると認定シールが発行され、区のHPや印刷物で店を紹介し、区民の方に周知します。この認定を行うにはいくつかの基準があり、その基準の1つとしてレジ袋削減があります。項目としては、「過剰包装の自粛」「買い物袋の推奨」です。平成21年4月時点で認定されている107店のうち、95店がレジ袋削減の基準を満たしています。お店側からは、「お客さんに袋をもらわないようにとは言いづらい」という声があったため、「お買い物はマイバッグで」というステッカーを作成し、配布して店頭に掲示してもらい、お客さんの意識の啓発を図り更なるレジ袋削減に努めています。
このように、板橋区ではレジ袋削減のため、地域の方と関わった魅力的な取り組みを数多く行っています。
国立市取材レポート
今回、私は国立市役所、ごみ減量課の方々にお話を伺って参りました。個人的には、国立市は文教都市に指定されていることや、自然が大変豊かであることなどから、市民の方々の環境に対する意識が非常に高い市である印象を持っています。
市では毎年、レジ袋ノーデーという取り組みを行っております。レジ袋ノーデーとは国立市商工会、国立市消費者団体連絡会、国立市廃棄物減量等推進員の方々の協力の下、市内9つのスーパーの店頭にて、マイバックやポケットティッシュを配布し、マイバッグ利用の啓発活動を行う日のことです。今年は、10月5日に消費者団体の方や廃棄物減量推進委員の方、一橋大学の学生、合計51名の方々によって取り行われました。これまで約10年間の取り組みで、約15000枚のエコバッグが配布されました。啓発活動により、買い物客のおよそ3、4人に1人がエコバッグを持参してくるスーパーもあるなど、持参率は着実に向上しているようです。
また、近年市では、一橋大学の学生の協力の下、マイバッグ利用の?統計データが作成され、ますます活動に注目が集まっています。身近なレジ袋だからこそ市民の方々に関心をもっていただきやすく、そういった所から、地球規模での持続可能な社会、といったものに目を向けていただきたい、と考えておられます。
また、市ではマイバッグ利用の啓発に加え、EPR、すなわち拡大生産者責任の促進に力をいれています。EPRとは、生産者が使用済み容器やビン、ペットボトルを回収し、リサイクルまたは処理までの責任を負うことを言い、生産者がリサイクルできる商品を作ることで、循環型社会を目指すものです。お買い物の際マイバッグに、行きはリサイクル容器を入れ、帰りはその容器にお店で買った商品を入れる、「往復作戦」という取り組みを推進することで、EPRの活動を国全体へと拡大していきたいと考えておられます。
レジ袋削減やEPRについて、今後も市民の方々と事業者の方々の協力を得ながら、適宜改良しつつ、啓発活動を推進していきたい、とのことでした。
調布市取材レポート
2010年にNHKで放送された『ゲゲゲの女房』の舞台である調布市。その調布市のレジ袋削減の取り組みは、「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する「目玉おやじ」のマイバッグを配布するなど、市民の方々に興味を抱いていただき、さらにその奥の「エコ」に意識してもらう『地域密着型エコ活動』だと感じました。
市で作成したマイバッグは、全部で4種類あり、1種類は無地ですが、残る3種類は調布市にゆかりのある、前述の「目玉おやじ」・市内で半世紀以上操業しているキューピーのマスコット・武者小路実篤のカボチャの絵がデザインされています。バッグ本体の色は黒とベージュの2色、容量16リットルと「実用性」「デザイン」ともに持ちやすい作りとなっています。これは調布市の若手職員の方が、「もちたくなるマイバッグ」をコンセプトにデザインしたそうです。このマイバッグを、まずは市役所の職員が率先して持つという考えで、職員約1300人全員に配布しました。そして「市民に使ってもらわないと意味がない」ということで、環境に関するキャンペーンやゴミに関する説明会などの参加者に、マイバッグの趣旨を伝えたうえで配布している、とのことです。例として、調布市で毎年6月の第1土曜日に行われている「環境フェア」でのスタンプラリーの景品として市民に配布した活動があります。
マイバッグ以外にも、調布市には市民と密着した活動があります。それは「小学生による『ノーレジ袋』ポスター制作」です。約200点の応募作品が集まり、どれも力作ばかりだったとのことです。作品の一部は、調布市のホームページで見ることができます。作品には「エコ」や「地球温暖化」というフレーズが描かれていて、入賞の作品には絵の中に地球を描いている作品も多くあります。個人的には「エコして、ええこと」というフレーズが印象的でした。これら全作品は調布市の文化会館で展示され、来場者アンケートによると非常に好評だったらしく「すぐにでもノーレジ袋に取り組みたい」という意見もあったそうです。ポスターがあまりにも出来がよく、中には「市役所の作る下手なポスターはやめて、小学生に作ってもらえば!」という声もあったようです。
また、私は取材期間中に調布市の「深大寺」「味の素スタジアム」に行かせていただきました。多くの人が訪れる場所にもかかわらず、とてもきれいでした。それは、きれいなまちを目指し、市民の皆さんが少しでも意識できる取り組みを行っているからだと感じました。
小笠原村取材レポート
小笠原諸島は東京から約1000㎞離れた、大小30余りの島々からなり、見渡す限りの青い海、本島では見られないような豊富な自然に囲まれています。そんな緑豊かで大自然に囲まれた小笠原諸島は、今年の1月にユネスコの世界遺産委員会に推薦書を日本政府が提出し、今年の7月に審査機関であるIUCN(国際自然保護連合)が現地調査に来られたそうです。その結果を踏まえて来年の6月に世界遺産登録がされるかどうかの決定が下されます。登録されれば屋久島、白神山地、知床に次いで四番目の世界自然遺産となり、現在小笠原諸島では以前にも増して環境活動や自然保護活動に取り組まれているそうです。
特に力を入れているのは、小笠原独自の生態系や遺産価値を守るための外来種対策や貴重な環境資源の保全です。外来種対策とは、本来小笠原には生息していなかった動植物が持ち込まれることによって、独自の生態系に影響を及ぼすためその対策を行うことです。例えばアカギという外来種は、小笠原本島に多く侵入しているため、伐採が行われています。また島外から小笠原諸島へ、あるいは父島から周辺の島々へ外来種を持ち込まないようにするために、島内に入る前には靴底を洗ったり、服に種がついていないかチェックが行われています。伐採された外来種の木(特にアカギ)は製材され、箸づくり(マイ箸)などに用いられます。島内・島外で箸づくりのイベントを催し観光活動に活かしたり、商店や民宿でもアカギの箸が積極的に用いられています。他にも、島民の方々は自主的なビーチクリーン活動・徹底したごみの分別など、環境活動・自然保護にかなり意識が高いようです。
レジ袋に関しても積極的に削減が行われ、マイバック化が進んでいます。小笠原諸島では平成20年4月からレジ袋の有料化が始まり、現在ではほぼすべての商店でレジ袋1枚10円の有料化となりました。役場ではレジ袋有料化に伴い、エコバックを無料で配布するなど行ったそうです。また、お土産袋に関しても有料化されており、3000円以上買うとエコバックがもらえるなどのキャンペーンを行ったり、島への船であるおがさわら丸の船内には張り紙で島民へのレジ袋の有料化の知らせを行っています。レジ袋のゴミは小笠原の美しい景観を汚すだけでなく、小笠原に生息しているアオウミガメが餌と間違えて海に捨てられたレジ袋を食べてしまうこともあるそうです。そのためレジ袋削減の取り組みも、非常に力を入れているそうです。
他に小笠原で行われている活動として、島へ修学旅行に来た生徒に記念品として小笠原特製のエコバックをプレゼントしたり、自然遺産登録推進のロゴマークを入れた携帯バックを環境イベントで配布するなど様々な活動が行われているそうです。
渋谷区取材レポート
私は、渋谷区レジ袋削減推進協議会を取材しました。この団体は平成20年の7月に設立され、区から予算をもらって、委託される形で、レジ袋削減に関する活動を行っています。今回、定期的に行われている協議会の全体会を見学させていただきました。
渋谷区レジ袋削減推進協議会では、区民一人ひとりにレジ袋を減らそうという意識を持ってもらうことに1番重点をおいて活動しています。具体的に何を行っているかというと、1年に1回、区立小学校の5年生の生徒全員に、レジ袋削減啓発標語を考えてもらっています。今年は453人の生徒が、1166個ものスローガンを作ってくれたそうです。これによって、子供にレジ袋削減とマイバックの重要性に関心を持ってもらうと同時に、その子が家に帰り、家族に話してくれることでレジ袋をもらわないようにしよう、という意識が家族にも広がっていくことをねらいとしています。
このスローガンの中でも特によかった16 個のスローガンについては、11月6日と7日にくみんの広場で行われる「ふるさと渋谷フェスティバル2010」で表彰式が行われます。今年から、このフェスティバルでレジ袋削減推進協議会のテントが出ます。テントではスローガンや、手作りマイバックの展示を行い、アンケートに答えてくださった方には、1日1500名ずつ、2日間で先着3000名の方にマイはしをプレゼントするそうです。
今回の全体会では、新たに商店街のお店に貼るステッカーを作ることが決定しました。カンガルーが自分のおなかのふくろに野菜や魚などをいっぱい詰め込んでいるイラストの上に、『「エコ」な私はマイバック』と書かれたかわいいステッカーです。早ければ、今年度のフェスティバルまでに出来上がるそうなので、11月以降、お店でこのステッカーを見かけたら、ぜひ、「レジ袋いりません」と言って欲しいということです。
日の出町取材レポート
多摩地区西部に位置する日の出町は人口およそ1万6千人です。自然が豊富な地域で、2007年にはイオンモールが進出するなど都市開発が進む反面、地域にはスーパーが一軒ある以外に個人商店のみという状況です。よって住民のレジ袋使用率は比較的少ない、とのことでした。昨年から町役場ではエコ活動の一環としてマイバックの推進を開始しました。町が主催するイベント会場などでPRを行い、今年度はさらに、袋に独自のロゴを入れるなどして、住民が使いやすいようにマイバックの開発を進めていきます。同時に、レジ袋の需要自体が少ないので、今後マイバックをどのように普及していくかが課題でもあるということでした。
現在、日の出町が力を入れているのは資源の有効活用です。近年、日の出町内から排出された総ごみ量は減少傾向にある一方、排出時のマナーや不法投棄の問題が発生しており、収集所やその周辺の環境美化についても考えていかなければ、との考えから、廃棄物の減量・リサイクルの推進を目的として、各自治体単位に「ひのでごみ00大作戦21推進協力会」が設置されました。町内では、自治会長さんをはじめ「ごみ00大作戦21推進協力会」の委員を中心として資源回収に取り組んでいます。加えて、今年度からは地元の警察署と連携しながら不法投棄の監視をする「環境パトロール」を実施しています。また、資源の回収量に応じて町が補助金の交付を行うなど、住民による集団収集を促進しています。成果として、日の出町の一人当たりの資源回収率は西多摩8市町村のうち2位という結果が出ており、住民が積極的に参加していることが分かります。なお、町からの補助金は自治体・団体の行事運営費や備品購入費等へ有効活用されている、とのことでした。
さらに、取り組んでいるのが廃棄物総重量の減量です。家庭用生ごみは約80%が水分なので、生ごみを「堆肥化」して再利用できるように生ごみ処理機・生ごみ処理容器、昨年から導入した段ボールコンポスト活用の推進を行っています。しかし、堆肥化した肥料の活用方法がないなど、利用者が限られてしまう点が課題となっています。
今回の取材で、環境活動を行う上で大切にしていることをお伺いしたところ「ごみの減量や資源化は住民と協力し町全体で取り組んでいく必要がある。今後もお互いに意見を交換し合い、成果を出していきたい」とおっしゃっており、地域の連携を大切にしている日の出町の取り組みを感じることが出来ました。今後も住民と協力し、地域一体となった環境活動が期待できると感じました。
東大和市取材レポート
東大和市は、多摩都市モノレールが走り、緑が多くあり、市の北部には狭山丘陵や市全体の22.4%を占める多摩湖があります。また、都心から1時間の通勤圏にあるため、人口8万人のベットタウンとして大規模な都営住宅が建ち並ぶなど、現在も人口が増え続けています。
そのような人口増加の中で、ゴミ排出量が増加傾向を示したため、「市民1人1日ごみ量を700g以下」を平成23年度に達成目標とする、環境基本計画を作成し、ごみの減量を目指しています。
その取り組みの一環として、レジ袋の削減活動も行われています。毎年、6月には「環境市民の集い」が、11月には「農商工祭り」が行われ、エコバックが無料で配布されます。また、東大和市商店街では、10月に商工会が主催の「ECOスタンプラリー」も行われています。これは、参加者全員にエコバッグがプレゼントされ、決められた店舗でマイバックを持参して買い物をするとスタンプがもらえ、それを集めて応募すると、抽選で総額160万円分の商品券が410名に当たるというものです。平成21年度には169店舗が協力し、959名の買い物客が参加しました。とても好評だったこともあり、今年度は昨年度を上回る応募人数ではないかと期待感が高まっていました。
ごみ削減の実施状況ですが、市では、市民1人1日におけるごみ排出量の減量目標700gを平成19年度にすでに達成しました。平成17年度に730gほどあった排出量ですが、19年度は694g、20年度は674gと減少傾向にあります。そこで市は、「ごみゼロプラン」というさらなる目標を掲げています。
「ごみゼロプラン」では、平成24年度に市民1人1日におけるごみ排出量を650g以下とする目標を設定し、具体的に「市民1人が1日あたり、たまご2個分の減量をすること」を呼びかけています。また、生ゴミの水切りを十分に行うことで約10%のごみ減量に繋がり、市全体で実施すれば年間400tのごみ減量になる、といった分かりやすい効果を示して市民意識の高揚を図っています。さらに、ごみの分別も徹底していくため、昨年度に分別についての説明会を186回開催し、延べ5.000人以上の市民が参加したということです。
「ごみゼロプラン」の中に、「市民と歩むごみゼロ作戦」と明記してあるとおり、東大和市では市民目線での環境対策がすすめられているなという印象を受けました。特に、日々の生活から注意して実践できるよう具体的な対策を市が提供してくれているので、市民は分かりやすく無理なくエコ活動を実践できるのではないかと感じました。
市民と共に歩む東大和市の今後のエコ活動から目が離せません。
町田市取材レポート
町田市では市全体のレジ袋「有料化」を目標とし昨年度、市民団体・事業者・市との3者で開催した「レジ袋削減等協議会」で話し合いをしました。
その会議の中で、事業者からレジ袋有料化による売り上げの低下、有料化をする店としない店との間で集客に差が生まれてしまうという意見やドラッグストアやコンビニエンスストアといった協議会に現在参加していない事業者も参加すべきだという意見、行政境の店舗の対応の難しさなど、いくつかの課題があがり、協議会は昨年度の6月で休止となりました。
なお、コンビニエンスストアは、その構成団体の一つである(社)日本フランチャイズチェーン協会の意向と各店舗の経営リスクなどから、当初より協議会には参加せず、独自にレジ袋削減に取り組むという姿勢でした。
協議会休止後、町田市に隣接する八王子市、相模原市とレジ袋削減に関する連携を深めようと今年の2月に3市で話し合いを行いました。
各市の現状として、相模原市の市民団体は、有料化反対であり、また町田市と違い、「有料指定ごみ袋」を採用していません。レジ袋はそのままごみ袋として利用できることからもレジ袋の有料化は難しい状況です。八王子市もレジ袋削減推進協議会で話し合いながら、レジ袋削減に取り組んでいますが、町田市と同様、いくつか課題があるとのことでした。ただし、3市がレジ袋の削減を進めるために相互に情報交換をして協力していく点は、合意を得ています。
ただスーパー三和(さんわ)小山田店で、一店舗独自の取り組みですがレジ袋を「廃止」しています。マイバッグを持参していないお客様には繰り返し使えるエコブクロやレジ袋の代替として利用できるよう、市の有料ごみ袋をばら売りしています。小山田店ではレジ袋廃止が定着しているようです。
レジ袋削減に限りませんが、ごみ減量のために市民へのPR活動として年に1回ですが、市の広報とは別に「ゴミナクナーレ」という啓発を配布しており、その中で生ごみの減らし方など、ごみを減らす工夫を市民の皆さんに伝えているということです。
武蔵野市取材レポート
吉祥寺の街があることで知られる武蔵野市は、緑が豊富な地域で、昔から商業が盛んな土地柄として知られてきました。そんな土地柄のこともあり、武蔵野市では早くから、レジ袋削減の必要性が議論されてきた、とのこと。たとえば市民活動では、すでに10年ほど前からレジ袋削減の取り組みをしてきました。
武蔵野市としては、2006年、「武蔵野ごみチャレンジ700グラム」宣言がスタート。一日に武蔵野市民ひとりが出すごみの量を700グラム以下にしましょう、という目標を掲げて、いよいよ本格的なごみの削減に乗り出すことになりました。
そこで、具体的な取り組みを議論するために、2007年、「武蔵野市ごみ減量協議会」という会議が発足します。この会議は、市民・事業者・行政が共同で、ごみ減量に向けた具体的な取り組みを検討しようというもので、20名ほどが参加しました。その会議の中では当然、レジ袋削減もテーマになりましたが、レジ袋を実際に使用している事業者の意見をもう少しまとめて聞きたい、ということで始まったのが、「第1回レジ袋使用事業者懇談会」でした。12社の事業者が参加したこの懇談会では、「レジ袋の有料化は、事業者にとってやはりハードルが高い」という意見もあり、むやみにレジ袋を有料化してしまうと、そのスーパーや商店の売り上げが下がってしまうという現状もあらためて浮き彫りになったようです。
そうしたいろんな声を総合して、まずは消費者の環境意識を底上げすることが大切ということで、武蔵野市では、2009年、「マイバッグからはじめるプチ・エコキャンペーン」を3ヶ月間実施します。このキャンペーンでは、賛同してくれるスーパー、商店において、「プチエコ抽選会」、「レジ袋を断った方に1円キャッシュバック」など、さまざまなキャンペーンを展開。
その中で、とくに私が驚いたのは、「お客さんが店頭でオリジナルのマイバッグを作る」というもの。こういったアイディアの効果もあって、吉祥寺のあるお店では、レジ袋辞退率が27.3%→57.4%に上昇したそうです。渕上さんや古林さんの感想では、武蔵野市の市民の方々は、環境意識の高い方が多く、これらのキャンペーンに対する反応も早いのではないか、という印象を抱いているようでした。
その後、前述の「ごみ700グラム以下」も見事に達成した現在は、「武蔵野ごみチャレンジ600グラム」を宣言中。目標達成に向けて今後も上記キャンペーンや啓発活動を行なっていきたい、とのお話を伺って、今後ますますのレジ袋削減に向けた取り組みを期待したい、と感じました。