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2016.10.14

第29回世田谷区:好奇心を大事にしながら、子どもたちへアプローチする(世田谷区子ども環境イベント)

 「みどり東京・温暖化防止プロジェクト」の助成金を活用した都内62市区町村の環境事業の取り組み状況について順番に紹介する「環境事業紹介」のコーナー。第29回は、世田谷区で毎年開催している「世田谷区子ども環境イベント」について取り上げます。
 今年度で4回目を迎えるこのイベントは、小田急線成城学園前駅下車徒歩4分にある砧区民会館を会場に、ホールイベントや工作教室を実施。当日は、小学生以下の親子を中心に300人ほどの来場者があり、大いに賑わいました。
 事業の内容と現状の成果や課題について、担当者の話を聞きました。ぜひ、ご一読ください。

約300人のホールで毎年開催している、世田谷区子ども環境イベント

世田谷区こども環境イベントのポスター。

世田谷区こども環境イベントのポスター。

 2016年7月16日(土)、「世田谷区子ども環境イベント」が開催された。会場は、小田急線成城学園前駅から徒歩4分に位置する多目的ホールや集会室などを備えた複合施設・砧区民会館「成城ホール」(世田谷区成城6-2-1)の1階ホールとロビー、4階集会室。
 2013年から毎年開催しているこのイベントの今年のテーマは、『自然の恵みを活かして環境にやさしい暮らし方をしよう』。未来を担う子どもたちに環境の大切さを知ってもらい、夏休みに家庭や地域等で身近なことから環境づくりに取組んでもらうきっかけにしてもらおうというわけだ。
 定員297人のホールでは、環境ポスターコンクールの表彰式やエコパフォーマンス、アニメ映画『メアリーと秘密の王国』の上映会を実施。同時に、4階集会室を使って工作教室を実施するとともに、ホールロビーでは環境ポスターコンクールの入賞作品30点の展示や子どもエネルギー総合相談を実施した。
 「子ども環境イベントは、今年で4回目になりますが、毎年、ホールイベントと工作教室などお子さんたちにも楽しんでいただける企画を実施しています。ただ、小学生を対象にしたイベントで、毎年来ていただける子もいますから、飽きがこないようにさまざまな分野を取り上げて、内容と講師を変えながら実施しています。いろいろなことに興味・関心を持っている子どもたちの好奇心が湧くように、テーマ設定などを工夫しながら実施しているところです」
 今回お話を伺った、世田谷区環境総合対策室環境計画課環境計画担当の木村浩規係長と龍田淳さんがそう話す。
 前年度までも、ホールイベントとしてポスターコンクールの表彰式と上映会は実施してきたが、エコパフォーマンスは今回が初の試みだ。今の子どもたちは、学習指導要領によって小学生でも1年生から6年生までさまざまな教科の中で環境について学習するが、環境セクションとしては、好奇心を大切にしたうえで環境への思いや興味・関心を育んでいけるようなアプローチをとっていきたいと木村さん、龍田さんは言う。今回、科学やエコの実験ショーや手品などのパフォーマンスを行っているらんま先生のステージを取り入れたのもそんな思いからだった。「空気砲」や「水の実験」などエコについて楽しく学べる実験ショーを繰り広げる40分ほどのパフォーマンスの間、子どもたちは集中力を切らすことなく、講師の話やパフォーマンスに見入っていたという。
 「講師の方は、壇上だけでなく、会場にも降りてきて、子どもたちとの掛け合いの中で進めながら、場を盛り上げていくのがとても上手でした。終わった後に握手を求める子もいましたから、何か感じるものがあったんだろうと思います」

前年度から募集を行い、春先に審査をして入選作品30点を選んだ環境ポスターコンクール展

ステージイベントでの「環境ポスターコンクール」表彰式。区長を囲んでの記念撮影。

ステージイベントでの「環境ポスターコンクール」表彰式。
区長を囲んでの記念撮影。

 ホールイベントの皮切りとして開催したのが、「環境に配慮した暮らし方」などをテーマにしたポスターコンクールの表彰式。区内の小学5・6年生1,027名の応募の中から特選3点を含む入選作品30点が選ばれ、当日、保坂区長から表彰状の授与を行った。ロビーでは特選・入選作品の展示を行い、来場者にアピールした。
 前年度から募集をし、年度が明けて早々に審査を行った環境ポスターコンクールは、6月から区内5施設で各1週間ほど展示を行ってきた。その最終段階がこの日の環境イベントでの展示とステージイベントでの表彰式だ。入選作品30点は、区のホームページからも見ることができる。

当日会場に展示された「環境ポスターコンクール」の入賞作品30点。

当日会場に展示された「環境ポスターコンクール」の入賞作品30点。

 「ポスターコンクールは、広く環境をテーマにして自由に書いてもらっています。中には外来生物について描いてきた子もいて、普通の大人のような視点で子どもたちなりにいろいろなことを捉え、考えていることを感じさせられます。絵の上手・下手もあるんですけど、視点のとり方の面白さがとても興味深いですね。1,027の作品すべてを張り出すことができたらすごいんだろうなと個人的には思います」
 木村さんはそんなふうに話す。
 絵にする題材を見ていると、小学生ながら多方向から見ていて、一人ひとり関心が違っているのがよくわかる。難しい環境の問題をなるべくわかりやすくして示していくことで、子どもたちの好奇心を刺激していけるような、情報提供の工夫をしていきたいという。

定員の数倍の申し込みが殺到した「工作教室」

 ホールの上の階で実施した工作教室は、午前・午後それぞれ1時間半ずつで開催。
 午前中には、午後からホールイベントでパフォーマンスを披露する、らんま先生による「環境実験ショー&エネルギー自動車の工作」。らんま先生のパフォーマンスを通じて環境について楽しく学んだあと、手回し発電機で走る模型自動車を作った。
 午後には、定員20名のペレット・ペンダントづくり。東京ガスの協力で、古くなって使えなくなったガス管を再利用したリサイクル工作に取り組んだ。講師の説明を受けて、ガス管の廃材からできたポリエチレンペレットを並べて、カラフルなペンダントを作っていくプログラムだ。
 いずれも事前申込制で抽選により参加者を決定したが、ペレット・ペンダントづくりは定員の3倍、らんま先生の科学実験ショー&エネルギー自動車工作は、定員30名の実に15倍以上の申し込みが殺到する大人気プログラムとなった。

 この他、東京電力の協力で開催した「こどもエネルギー総合相談」は11時から14時の時間で自由に参加してもらった。節電の話や、ブレーカーが落ちる仕組みなどについて、わかりやすく説明するためのツールを持ち込み、子どもでもわかるように解説したほか、保護者からの相談などにも対応した。

ペレット工作前に行ったガスやエネルギーに関する座学の様子
エネルギー自動車工作の様子(右)。

ペレット工作前に行ったガスやエネルギーに関する座学の様子(左)と、エネルギー自動車工作の様子(右)。

こどもエネルギー総合相談のブースを訪ねる親子。

こどもエネルギー総合相談のブースを訪ねる親子。

区内の二酸化炭素排出量の46%を占める家庭の温暖化対策を進めるために

世田谷区環境基本計画の表紙。

世田谷区環境基本計画の表紙。

 23区中の西南端に位置する世田谷区は、東は目黒区と渋谷区、北は杉並区と三鷹市、西は狛江市と調布市、南は大田区と接し、さらに多摩川をはさんで神奈川県川崎市と向かい合っている。区域は、東西約9km・南北約8kmのほぼ平行四辺形で、面積58.05km2は23区でもっとも小さい台東区の約6倍に当たる。平成28年6月1日現在の人口は890,927人、467,272世帯。東京23区内では人口・世帯数ともに第1位だ。
 世田谷区環境基本計画は平成8年に策定され、その後社会情勢や世田谷区を取り巻く環境の変化に応じて見直しを重ねてきた。平成27年3月に改定された環境基本計画において、平成36年度までの10年間の区の環境・エネルギー施策の方向性を示す計画として環境の保全等に関する目標と方針、重点的に取り組むべき事項を定めている。
 区内の二酸化炭素排出量は、平成23年度の統計で、部門別には民生家庭部門が46.0%、民生業務部門が26.9%を占めている。このため、特に家庭や事業所における省エネ対策や再生可能エネルギーの活用促進を重要施策として位置づけている。
 「家庭での取り組みを進めるうえで、10年~20年のスパンで考えていくと、お子さんの頃から定着させる必要があるだろうということで取り組んでいるのが本事業です。小学生以下の子どもたちを対象に、その子たちにどうやって興味を持ってもらうか、環境について考える機会をどれだけ回数多く持たせることができるか、という視点から実施していこうというのが基本的な考え方になります」
 できれば小学生の間に6回行ったと言ってもらえるようなイベントにしていきたいと木村さんは言う。毎年来たいと思わせるような集客力と魅力のあるイベントをめざす。
 工作教室では、未就学児も来て保護者といっしょに参加する姿も見られた。ホールで上映した映画も家族で観る人が多く、一日楽しんでもらえるイベントとして定着していってほしいという。

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