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 みどり東京レターは、都内62市区町村が実施するイベントをわかりやすく紹介することを目的に、月に1回程度の更新を予定しています。ぜひご一読ください。

2020.02.10

第11号原っぱを思いっきり駆け回って輝け子どもたち――昭島市「冬の原っぱ大会」

会場となるエコ・パークの「緑を育むゾーン」には、市内の2つの小学校と2つの保育園から大勢の子どもたちが集まっていた。

会場となるエコ・パークの「緑を育むゾーン」には、市内の2つの小学校と2つの保育園から大勢の子どもたちが集まっていた。

イベント名称:冬の原っぱ大会

開催日時:2019年12月19日(木) 9時45分~12時00分
会場:昭島市エコ・パーク「緑を育むゾーン」
参加人数:487名
主催:昭島市
協力:廃棄物減量等推進員、あきしまおもちゃ病院、福生萌芽会

shiina

今年で9回目の開催だよ。緑を育むゾーンは広々とした原っぱだから、思いっきり走り回れるんだって!

武蔵野の自然環境再生のシンボル拠点で、ごみの減量と自然教育を

 昭島市美堀町にあるエコ・パークで、「冬の原っぱ大会」というイベントがあると聞き、「原っぱ大会」ってなんだろう? どんなことをするのかなと興味深く、早速、訪れてみました。
 曇り空の下、JR拝島駅から玉川上水沿いの道路に出て東に向かい15分ほど歩くと、エコ・パークの看板が見えてきました。昭島市エコ・パークは、環境コミュニケーションセンターの建物がある「緑のリサイクルゾーン」と「原っぱゾーン」、「スポーツゾーン」、「緑を育むゾーン」に分かれていて、原っぱ大会は「緑を育むゾーン」で行われるということです。
 会場に着いたときには、市内の2つの小学校から来た1・2年生と、2つの保育園から来た園児たちで大賑わい、すでに開会式やどんぐりの植樹を終えて、ちょうど原っぱ大会ゲームが始まるところでした。
 主催者である昭島市環境部の方のお話では、エコ・パークの環境コミュニケーションセンターにはリサイクル棟も併設されていて、ごみの減量や自然環境などの環境教育の場としての役割もあり、小学校とコラボした学習の一環としてこのイベントが企画され、今年で9回目の開催ということでした。


昭島市の臼井伸介市長(中央)も子どもたちに混じって紙飛行機を飛ばして楽しんでいた。

昭島市の臼井伸介市長(中央)も子どもたちに混じって紙飛行機を飛ばして楽しんでいた。「国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さんが、日本の子どもたちは、目が輝いていないっていっていたけれど、それは寂しいことだよね。こんな、遊具も何もない広場だけれど、思いっきり駆け回れる場所で遊んでいるときには子どもたちの目が輝いているんだ。それを見ていると、こちらも嬉しくなるよね」と話してくださった。


ごみ分別競争の様子。

ごみ分別競争の様子。地面に置かれた紙には、燃えるごみ、燃えないごみ、古紙など、さまざまな種類のごみが書かれていて、向こうに置かれた透明ケースの中から指定のごみを探して、ゴールまで持ち帰り、グループごとに速さを競う。「古紙」や「燃えないごみ」というのが、子どもたちにはちょっと難しいようだったが、係の人の手を借りて、みんな真剣にやっている姿が印象的だった。


数年前に植樹されたどんぐりの木。

数年前に植樹されたどんぐりの木。すでに3m近い高さにまで育っている。エコ・パークは「武蔵野の自然環境再生のシンボル拠点」として整備されているとのことで、毎年小学生によって植樹が行われている。将来、子どもたちが植えた木々が育ってりっぱな雑木林ができるのを想像すると、わくわくする。自分たちが植えたどんぐりで雑木林ができたとき、子どもたちは何を感じるだろうか。


広場いっぱいに広がる子どもたちの声

 メインイベントのどんぐり植樹は、「宝探し」として、絵の描いてあるどんぐり20個を全員で探し、そのどんぐりを植えるという趣向で行われます。そのあと、いくつかのエリアに分けて、原っぱ大会ゲームが始まりました。ゲームはダンボール競争、ごみ分別競争、エコでクラフト、自然でクラフト、昔の遊び大会、自然観察ツアーなどのメニューがあり、それぞれに趣向を凝らして準備されています。
 羽子板や剣玉、紙飛行機づくりや竹馬などの昔遊び、トウジュロの葉を使っての手裏剣や熱帯魚づくりを教えるコーナーが人気で、たくさんの子どもたちが集まっています。あちこちから子どもたちの楽しそうな声が聞こえてきます。
 準備に参加されていた(一社)生物多様性保全協会の松井氏は、「子どもたちがね、『楽しかったー』っていいながら帰って行ったよ」ととても嬉しそうに話されました。外で遊ぶ機会が少なくなってきている子どもたちにとっては、広々とした原っぱで思いきり駆け回るのは、本当に楽しくよい思い出になるだろうと想像されました。


あきしまおもちゃ病院のメンバーによる紙飛行機づくりの指導。

あきしまおもちゃ病院のメンバーによる紙飛行機づくりの指導。皆、真剣な表情で飛行機をつくっている。外で遊ぶ機会がすっかり少なくなって、紙飛行機を飛ばした経験もないのだろう。紙飛行機だけでなく、どんぐりのおもちゃや風車の作り方も教えてもらい、子どもたちには思い出と一緒に、たくさんのお土産ができたようだった。


自然観察ツアーに出かける前に配られたカード。

自然観察ツアーに出かける前に配られたカード。広場の中をめぐる小径をとおり、いったん広場の外にでて、広場の橫を流れる玉川上水の横の道をとおり、広場に戻る。その間にさまざまな植物を探して歩くようになっている。どんぐりはすぐに見つけられるようだったが、赤い葉、黄色い葉、緑の葉などは上や横を見ながら歩かないと見つからないせいか、ちょっと難しそうだった。指導員の方は、どんぐり一つ取ってもさまざまな形があり、木の種類がちがうとどんぐりの形もちがうこと、自然の中には多様な植物があるのだということを説明されていた。


福生萌芽会のメンバーがトウジュロの葉を使った手裏剣づくりを教えていた。

福生萌芽会のメンバーがトウジュロの葉を使った手裏剣づくりを教えていた。今は外来種のトウジュロが増えて、あちこちで伐採している。伐採してそのまま捨てるのはもったいないから、こうした昔遊びを伝えたくて教えていると話してくださった。子どもたちも、手裏剣づくりを教えてもらいながら、ここどうするの? 熱帯魚はどうやってつくるの? バッタつくって!と積極的に話しかけてくる。バッタは時間がかかるので、今日は教えられないけど、手裏剣をつくった子は皆、バッタをもらって嬉しそうだった。


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