トップページ > かれんとシーナの『エコ質問箱』 > 質問19:トビハゼの営巣地がごみで埋っているんだって!

2017.09.15

かれん と シーナの『エコ質問箱』 質問19

質問19:トビハゼの営巣地がごみで埋っているんだって!

かれん
ねえ、シーナ、トビハゼって知っている?
シーナ
ハゼっていうと、魚の仲間かな?
かれん
そうそう。河口域などの干潟の泥上を這い回ったり、泥の中に垂直の穴を掘って縄張りを作ったりしているんだって。
シーナ
干潟の泥を這い回る魚っていうと、ムツゴロウみたいな感じかな?
かれん
そうね。ただ、ムツゴロウは日本では有明海・八代海周辺だけにいて、トビハゼの方がムツゴロウの半分くらいの大きさしかないんだって。名前の通り、ぴょんぴょん飛び跳ねる小さな魚よ。
シーナ
ふ~ん。それで、そのトビハゼがどうかしたの?
かれん
もともと日本を含む東アジアで普通に見られる魚らしいんだけど、東京湾が生息北限なんだって。
シーナ
へえ、そうなんだ。じゃあ、東京都に住んでいるぼくらにとっても特別な魚なんだね。
かれん
そうなの。ところが、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧に指定されているらしいの。
シーナ
準絶滅危惧ってどういう意味?
かれん
ええと、「現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種」とあるわ。
シーナ
ということは、まだ大丈夫なのかな?
かれん
でも、都道府県別のレッドリストでは、東京都区部や静岡県、三重県などで「絶滅危惧IA類」に分類されているから、都区部のトビハゼはだいぶ危ないんじゃないかな。
シーナ
絶滅危惧IA類というと、「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの」とあるから、もっとも条件の厳しい分類だね。
原因はなんなの?
かれん
埋立てによって泥干潟がなくなっているのが最大の問題なんだけど、水質の悪化も原因の一つだったそうね。工場排水などの規制や下水道の整備などによって水質は改善してきて、個体数も回復傾向にあるらしいわ。都区部では、多摩川や荒川など東京湾に注ぎ込む河口域などに生息地が残されているんですって。
シーナ
河口近くの橋の下には泥干潟地帯があるよね。いつだったか、かれんたちもトンボやカニの観察に行ったんじゃなかったっけ?
かれん
男の子たちが泥の中に手を突っ込んで、こんなに大きなカニをとっていたわ。
シーナ
へえ、東京にも案外豊かな自然が残っているんだね。
かれん
う~ん、そうなんだけど、東京湾のトビハゼにとってもう一つ問題になっていることがあって、それが私たち人間の出すごみだったの。
シーナ
どういうこと?
かれん
川を流れてくるごみが、河口域の泥干潟に寄せてきて、どんどん溜まっているらしいのよ。トビハゼだけじゃないんだけど、泥に穴を掘ろうとしてもごみが被さって邪魔してしまうんだって。
シーナ
ごみはどこからくるの? 道を歩いている人が投げ捨てているの?
かれん
それもあるかもしれないけど、陸地のごみが風で飛ばされたりして、流域全域から流れ着いているのよ。もちろん、河口域でとどまらずに海に流されていくんだけどね。前に話したマイクロプラスチックも、そうして陸から流されてくるプラスチックごみが原因よね。
シーナ
う~ん、いろんなところに問題が表れてきているんだね。何とかできないのかな?
かれん
自然環境保全のNPOがごみの清掃活動プロジェクトを始めているらしいわ。私が東京のトビハゼの問題を知ったのも、そのプロジェクトがきっかけだったの。
シーナ
妙に詳しいと思ったら、そういうことか。
かれん
えへ! でも、ごみの清掃活動って、ある意味、対処療法じゃない。根本解決のためには、東京都区部の河口干潟を生息北限にするトビハゼの問題を私たちがきちんと知って、トビハゼの生活に寄り添う気持ちを持つことだと思うの。そうすることで、川を通じて流れ込む都市のごみ問題の解決につながるといいなと思うのね。
シーナ
そうだね。多くの人に知ってもらいたいし、ぼくもごみを出さない生活を心掛けたいと思うよ。

Question

かれん
そうね。気を付けましょうね。
さて、それではここでクイズです。
トビハゼは警戒心が強いから、人が近づくとさっと穴に隠れてしまうらしいの。どうやってカウントしているかわかる?
  • A1 日本野鳥の会の人たちが双眼鏡とカウンターを手に、数えている。
  • A2 巣穴の数を数えて、トビハゼの個体数を推計している。
  • A3 上空から赤外線スコープで泥の上・中を問わず個体数がカウントできる

答えを見る

解説

かれん
答えは、A2の「巣穴の数を数えている」でした。

干潟にはカニの仲間など泥に穴を掘る動物がたくさん生活しているから、区別して数える必要があるそうです。トビハゼは、口の中に泥をふくんで巣穴の外に吐き出しているから、入り口近くに吐き出した泥の塊があれば、トビハゼの巣穴ということがわかるんですって。

シーナ
へえ、おもしろいね。ぼくが見てもわかりそうにはないけど…。

このページの先頭へ

オール東京62 事業紹介

  • エコプロ2017
  • みどり東京・温暖化防止プロジェクトパンフレット
  • 62市区町村 温室効果ガス排出量
  • 自治体向けカーボン・オフセット 研究成果の紹介
  • スマートコミュニティ研究会
  • かれんとシーナの『エコ質問箱』

オール東京62市区町村
環境インフォメーション

各62市区町村のホームページから集めたエコ情報を掲載しています。

エコアカデミー一覧

第75回
海外事例
ハロウィンをグリーンに!:アメリカ、ナッシュビル市
第74回
今藤 夏子
[水に漂う生き物の情報 ~環境DNAを利用した生物調査~]
第73回
海外事例
市民参加型予算で持続可能な都市を:フランス、パリ市
第72回
竹本 和彦
[「持続可能な開発目標」(SDGs)の達成に向けて ──世界につながる地域の取組み]
第71回
海外事例
トランジション・ムーブメント発祥の地:イギリス、トットネス
第70回
下村 彰男
[東京都の自然]
第69回
海外事例
花粉媒介者の保護を目指して:カナダ、オンタリオ州ゲルフ市
第68回
宇郷 良介
[持続可能な社会への変革に対する「スマートハウス」への期待]
第67回
海外事例
シェアリングエコノミーの最先端都市:韓国、ソウル特別市
第66回
藤本 亜子
[ESDでつくる地域社会の未来]
第65回
海外事例
『メルボルンに参加しよう』-「路地をグリーンに」プロジェクト:オーストラリア、メルボルン市
第64回
岡崎 修司
[「仮想発電所」構想始動!公民連携で展開します(横浜市)]
第63回
海外事例
カーフリーハウジング(車を所有しない集合住宅)という選択:オーストリア、ウイーン市
第62回
福山 研二
[虫からながめた都会のすがた]
第61回
海外事例
全米2万3400都市のエネルギー関連データを提供:アメリカ エネルギー省
第60回
堀口 敏宏
[東京湾における環境の変化と生物相の変遷]
第59回
海外事例
エネルギー消費正味ゼロの図書館:ヴァレンヌ市、ケベック州、カナダ
第58回
一方井誠治
[地球温暖化対策計画」の閣議決定を受け、改めて私達の地球温暖化対策を考える]
第57回
海外事例
[世界初、道路で発電する「ソーラーロード」:オランダ、北ホラント州]
第56回
小堺 千紘
[ニッポンの夏支度「緑のカーテン」。その効果と育て方3つのポイント~自然の力を使って楽しみながら快適に暮らそう~]
第55回
海外事例
[「食」をテーマにした環境への取り組み:スウェーデン、マルメ市]
第54回
竹ケ原 啓介
[低炭素社会の創出等に向けた金融のありかた]
第53回
海外事例
[アート(芸術)で環境問題を普及啓発する:イギリス、ブリストル市]
第52回
幸丸 政明
[鳥類から見る都市の生物多様性]
第51回
海外事例
[野生生物に優しい「裏庭(Backyard)生物多様性プロジェクト」:オーストラリア、ボルーンダラ市]
第50回
崎田 裕子
[「みんなで創る水素社会」2020年とその先をめざして、水素エネルギーと私たちのくらし・地域]

本事業は、公益財団法人 東京都区市町村振興協会からの助成で実施しております。