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2012.10.15

第19回「活気と活力ある商店街と地域の再生をめざして
~“みえるエコ活動”から“はすねエコ・キャンパス”の取り組みへ(蓮根駅前通り商栄会)」

蓮根地域の3つの商店街と地元町会や小学校などが連携して始めた、地域連携型モデル商店街の取り組み

 板橋区蓮根は、もとは武蔵国豊島郡の上蓮沼村と根葉村で、上蓮沼村の「蓮」と根葉村の「根」が合わさって「蓮根」という地名ができたとされる。元の「蓮沼」の名が示すように荒川氾濫源の湿地帯だった沖積平地に住宅街が発達して、現在は人口1万6千人ほどが住む。
 この蓮根の地には、3つの商店街が並行するように隣接している。昭和33年に設立された地元密着の商店街「蓮根中央商店会」、安心・安全・明るいをコンセプトに飲食店・サービス業が多い「はすねロータス商店会」、そして都営地下鉄蓮根駅前の立地を生かした「蓮根駅前通り商栄会」の3商店街だ。
 それぞれ特徴ある独自の事業を実施してきたが、2009年度から開始した東京都の地域連携型モデル商店街事業の取り組みをきっかけに、3商店街のほか、地元の町会や小学校なども巻き込んで、地域と商店街の活性化に向けた活動を推進している。それが、「はすねエコ・キャンパス」の取り組みだ。「安心・安全」「環境」「文化」を3つの柱に、さまざまな事業を展開している。

 この「はすねエコ・キャンパス」の統一フラッグ、3つの商店街の街路灯などにはためいている。

はすねエコ・キャンパス事業で作成した、蓮根地域の安心・安全マップ「はすね・ほっとマップ

はすねエコ・キャンパス事業で作成した、蓮根地域の安心・安全マップ「はすね・ほっとマップ」
(クリックするとPDFファイルが開きます)

蓮根駅前通りにはためく、はすねエコ・キャンパスの統一フラッグ(写真の右に写るのが都営地下鉄の蓮根駅)

蓮根駅前通りにはためく、はすねエコ・キャンパスの統一フラッグ(写真の右に写るのが都営地下鉄の蓮根駅)

打ち水&清掃イベントや、レンコン祭りで地域と商店街を盛り上げる

 「はすねエコ・キャンパスでやっている環境活動としては、打ち水&各商店街の清掃イベントがあります。3商店街が協力して去年、一昨年とやってきて、今年で3回目になりました」
 そう話してくれたのは、菊地英孝さんと吉田健志さん。菊地さんは広告美術看板業、吉田さんは自動車サービス業と職種は異なるものの、ともに駅前通りで親の代から店を出している。2人とも、はすねエコ・キャンパス協議会の下部組織に当たる、若手メンバー中心の「作業部会」に参加していて、忙しい本業の合間を縫って、打合せやイベントの準備に奔走している。

駅前通りで店を出す、菊池英孝さん(左)と吉田健志さん(右)
駅前通りで店を出す、菊池英孝さん(左)と吉田健志さん(右)

駅前通りで店を出す、菊池英孝さん(左)と吉田健志さん(右)

打ち水イベントの様子
打ち水イベントの様子

 この打ち水&清掃活動のイベントは、年に1回実施しているはすねエコ・キャンパスの主催事業の一つに当たる。地元の小学校もエコ・キャンパス協議会に参加しているから、子どもたちへの呼びかけもしてもらった。近くの大学の学生さんたちにはボランティアとして参加してもらい、浴衣を着て打ち水をしてもらったりした。
 「このイベントは“エコ”が前面に出たものですが、他にも──直接的には“エコ”ではないものもありますけど──、若手の力で商店街を盛り上げようといろんな企画を立てて、やっています」

 例えば、取材に伺った数日後には、(社)日本POPサミット協会の会長さんを講師に招いてのPOP講習会を開催する予定だ。3商店会の各店舗に呼びかけて、お店のPOPをより魅力的にわかりやすくして、客足を伸ばそうというわけだ。参加者は商店街の人たちだから、開催時間も平日の夜だ。地域センターを借りて、19時から21時の2時間ほどで実施するという。
 はすねエコ・キャンパスの会議や打ち合わせも、毎度、平日の夜に開催するのが定番だ。

2012年3月11日に開催した、はすねレンコン祭りで各商店街を練り歩いた、かすみがうら市の獅子舞
2012年3月11日に開催した、はすねレンコン祭りで各商店街を練り歩いた、かすみがうら市の獅子舞

 3月11日に開催した「はすねレンコン祭り」も柱事業の一つ。地域や商店街の活性化に加えて、蓮根(はすね)の地名にちなんで、レンコン生産地である茨城県かすみがうら市との交流を深めたり、震災による風評被害に苦しむ同市を支援も目的にしている。ちなみに、レンコンは英語で“Lotus”という。3商店街の一つの「ロータス商店会」の名称もレンコンからとっている。
 「はすねレンコン祭りは、去年(2011年)の3月12日(土)に初めてやろうと計画していたんですが、地震で中止になってしまったものですから、今年、改めて復興支援という形で開催しました。かすみがうら市(旧霞ヶ浦町)からもお招きしていて、今年は山車を出そうということで、町会の交通部の人たちに交通整理をお願いしています」
 山車とは、レンコン祭りのメインイベントの太子囃子獅子舞(注1)。午前と午後の2回、和太鼓や笛の音に合わせて獅子山車が3つの商店街を練り歩いた。
 3商店街などの各会場でもさまざまなイベントを開催。東京家政大学(東京都板橋区加賀に板橋キャンパスがある)の栄養科の学生と共同で開発したレンコンメニューの販売や、レンコンやニンジン、キュウリなどかすみがうら市からの産地直送の新鮮野菜も同市との交流事業の一環として販売した。イベントで使用したレンコンは、すべてかすみがうら市産のものを使っている。また花鉢の無料配布や販売(売上金は震災復興支援金としてかすみはうら市に寄付)、使用済食用油等の回収も併せて実施した。
 さらにレンコン祭り明けの3月12日~14日の期間には、『蓮根はしご酒』という企画も開催した。3商店街にある飲食店15店舗が参加して、前売りチケット(2,100円)を持参するお客さんに店自慢の1品+1ドリンクを提供、客は3店舗まで自由に回ることができるという仕組みだ。地域や商店街の盛り上がりが垣間見えるようだ。

注釈

(注1)太子囃子獅子舞
 茨城県かすみがうら市にある「安食太子古墳」から命名され、昭和57年に霞ヶ浦湖岸周辺地域ではじまった。山車の中の大太鼓や付太鼓・笛などの演奏に合わせて獅子舞が繰り広げられる。

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