【第29回】国際社会の動きと私たちの日常生活をつなげる

亀山 康子(かめやま やすこ)

 国内外で異常気象が増えています。この現象がすべて地球温暖化を原因としているとは言い切れませんが、温暖化したら起きるだろうと言われていたことが実際に起き始めているのは確かです。放っておけば、さらなる温暖化が予想されていますが、このような緊急性に反して、温暖化抑制のための合意を目指した国際交渉は、ほとんど進展をみていません。わたしたちの日常生活から遠いところの話と思われがちな国際交渉を、日常生活につなげてみたいと思います。

【図3 】今後の排出量と気温上昇との関係とエミッション・ギャップ
出典:Emission Gap Report (UNEP, 212)

色がついた帯は、21世紀中の気温上昇を特定の幅に抑えようとした場合に許容される温室効果ガス世界総排出量。2020年に黒い四角で示されているのは各国が提示した2020年排出量目標の合計値。いくつかの国は幅で排出量を提示しているため、その上下に一定のレンジをもうけているが、いずれにしても、すべての国が今掲げている2020年目標値を達成したとしても、オレンジから濃いピンク(21世紀中に2.5℃~5℃)の気温上昇が生じてしまうことを表している。