【第36回】道路は民主主義的な緑地たりえるか

下田 明宏(しもだ あきひろ)

【図1】 建設当初のコモンウェルス・アベニュー
画面右下へ走るのがコモンウェルス・アベニュー。建築が建設される前に、緑地が整備されている点に注目。

【図2】 現在のコモンウェルス・アベニュー
(撮影:Joshua Robinson)

 オルムステッドは、1858年にセントラルパークを設計したとき、「民主主義的(な公園)」という言葉を使いましたが、これは当時、非常に画期的なことでした。すなわち、それまでの緑地は基本的に「ガーデン」であり、一部の人々の鑑賞の対象に過ぎなかったのに対し、オルムステッドは、あらゆる人々が利用できる緑地としてセントラルパークを設計したのです。実際に使える緑地は、都市に住む人々の生活の質を向上させたばかりでなく、緑地に面している不動産の価値も高めました。現在、セントラルパーク周辺の住宅地や、バック・ベイが高級住宅地であるのには、実はこのような背景があるのです。

【図3】 フレデリック・ロー・オルムステッド(1822-1903)米国のランドスケープ・アーキテクチャーの父と呼ばれる。

【図4】 石川栄耀(1893-1955)
「都市計画家・石川栄耀(2009)」より引用

【図5】 播磨坂(東京都文京区)
松平播磨守の上屋敷がこの地にあったことから名付けられた。毎年、桜の季節には、多くの花見客で賑わう。(筆者撮影)

【図6】 パティオ十番(東京都港区)
近隣コミュニティの多様なイベントに利用されている。(筆者撮影)

【図7】 ヤラ川とメルボルン市の都市景観
(撮影:David Iliff)