【第52回】鳥類から見る都市の生物多様性

幸丸 政明(こうまる まさあき)

1.「都市」という空間

 「都市」というものは、人間がそこに集中し、多様な営みを通じて周辺環境を飲み込みながら成長していく不定形な存在ですから、人口と建物が集中し、諸々の人間活動の中心となっている地域と漠然と定義するしかなく、空間的広がりは行政的な区分に頼るほかはなさそうです。そこで、都市、あるいは都市の鳥類についてやや抽象的に考える場合は、一般的な「都市」という概念に頼り、分布情報などの属地的情報を扱うときには「東京23区」という行政区分を都市として扱うことにしたいと思います。
 「都市」は「生物多様性国家戦略2012-2020(以下「国家戦略」)における7つの地域区分の一つに過ぎませんが、機能的には生物種、物質、エネルギーの流れを通して他の区分の生物多様性を支配する存在であり、「国家戦略」でいう生物多様性の4つの危機の原因は全て都市に求められるので、別の意味で「都市」は生物多様性における「ホットスポット」であるといえます。

2. 鳥類の生息環境としての都市

3. 都市鳥

イエスズメ
ホシムクドリ
カワラバト
スズメ
ムクドリ
ハシブトガラス
ヒヨドリ
オナガ
キジバト
カルガモ
カワウ
メジロ
シジュウカラ
カワセミ

4. 都市から生物多様性を考える必要性

参考文献等