第28回 緑・水・生き物…わたしたちが心豊かにくらすまち・小金井市
東京には、人口密度の高い都心部から緑豊かな町村部、本土から海を隔てた島しょ部など異なる環境にある62の区市町村(23区、26市、5町、8村)があります。そんな東京62市区町村の各地域を実際に巡って(散歩して)、地域ごとの環境への取り組みを知り、感じるためのヒントとなるスポットをクイズ形式で紹介します。

小金井市にやってきました。
小金井市は、東京都のほぼ中央、武蔵野台地の南西部にあり、都心から約25キロメートル西方に位置しています。
市の東は武蔵野市と三鷹市、西は国分寺市、南は調布市と府中市、北は小平市と西東京市に接しています。
1万年以上も前から人が住みはじめ、江戸時代、玉川上水が完成し、新田開発が活発となり、急速に集落が発達しました。戦後、住宅都市化が進み、現在は12万人を超える人が小金井市で暮らしています。
市内に大学、研究施設が設置され、住宅都市、文教都市としての性格が強い小金井市で「エコ」を探して散歩してみましょう。
- サステナブルなごみ処理
- ストーブの秘密
- 犬養毅が命名
- はけの道
JR中央線武蔵小金井駅から徒歩10分ほど、プラスチックごみ、ペットボトル、空き缶、びん、金属を、その後リサイクルしやすいように品目ごとに選別・圧縮・梱包・保管する施設「メタウォーターサステナブルパークこがねい」にやってきました。見学は(土曜、日曜、祝日、年末年始を除き)自由にでき、案内員の同行 が必要な場合は予約することもできるようです。
Q1 メタウォーターサステナブルパークこがねいの敷地内にある意外なものとは?
1 市営の屋内プール
2 イチゴ栽培用のビニールハウス
3 災害廃棄物一時保管場所(バスケットコート)
4 スポーツジム
正解と解説
正解 3 災害廃棄物一時保管場所(バスケットコート)
メタウォーターサステナブルパークこがねいには、災害廃棄物一時保管場所としてバスケットコートが設置されており、平時は自由に利用することができます。ゴールが一つあり、予約不要で平日および土日も利用可能(年末年始を除く)です。
案内員による同行つきの施設見学では、60~90分ほどかけて、ごみの選別から圧縮・梱包の様子を学ぶことができます。


メタウォーターサステナブルパークこがねいからJR中央線の高架下をくぐり南に進むこと徒歩7分、環境楽習館にやってきました。自然の力を活用した環境配慮住宅型研修施設で、様々な仕掛けがあるようです。
Q2 館内にあるペレットストーブの特徴とは?
1 生ごみを燃やして発電
2 温水をつくって床暖房
3 燃やしてもCO2が発生しない
4 すすが出ない
正解と解説
正解 2 温水をつくって床暖房
環境楽習館では冬にペレットストーブを点ける際、その熱で温水をつくって床下に通し、床暖房にすることで建物を暖めます。
環境負荷の低減を図るモデル住宅として2011年度(平成23年度)に建設した施設であり、太陽光発電パネルやグリーンカーテンなども設置し、電気の使用を最小限にする工夫がちりばめられています。


環境楽習館から隣の滄浪泉園(そうろうせんえん)に足を運びました。かつては明治・大正期の実業家・政治家であった波多野承五郎氏の別荘であり、現在は小金井市が管理する緑地です。入口の門をくぐり、武蔵野の面影を十分にとどめるうっそうと茂る樹木内を歩いていると、至る所から鳥の鳴き声が聞こえてきます。
Q3 滄浪泉園にないものはどれ?
1 地蔵
2 水琴窟(すいきんくつ)
3 枯山水
4 湧水
正解と解説
正解 3 枯山水
滄浪泉園は、入り口から庭園までなだらかな坂となっており、斜面の下からは地下水が湧き出しています。この湧き水は、東京の名湧水57選に選ばれています。
池の周りには、「おだんご地蔵」と「鼻欠け地蔵尊」、敷地内には水琴窟もあります。水琴窟は、地中に作った空洞の中に水滴を落下させ、その際に発せられる音を反響させる仕掛けです。
滄浪泉園と言う名の由来は、元首相の犬養毅が友人である波多野氏のために名づけたと言われ、「手や足を洗い、口をそそぎ、俗塵(ぞくじん)に汚れた心を洗い清める、清清(せいせい)と豊かな水の湧き出る泉のある庭」という意味を持ちます。
滄浪泉園から東に向かい、樹齢300年以上と推定される金蔵院(こんぞういん)のケヤキとムクノキを眺めつつ、二枚橋までの約2kmの「はけの道」を歩きます。「はけ」とは、武蔵野地方の方言で崖(がけ)のことを指し、この道付近を境に高低差15~20mの崖や急な斜面が東西に走っています。
Q4 はけの道周辺には多くの坂がありますが、実際にあるのはどれ?
1 神楽坂
2 富士見坂
3 円通寺坂
4 ムジナ坂
正解と解説
正解4 ムジナ坂
「ムジナ坂」は、階段坂に整備されたかつての農道で、暗くなってからこの坂を通ると、ムジナ(タヌキやアナグマのこと)に化かされるという噂から、人々は怖がって夜は遠回りをしてこの道を避けたといいます。
はけの道周辺には、車屋の坂、白伝坊の坂、おお坂、観音坂、念仏坂など、歴史的背景から名付けられた坂が多くあります。
坂以外には、はけの森美術館、はけの小路、はけの森97階段など、「はけ」にちなんだスポットが数多く存在しています。





