【第7回】足元からエコのすすめ

小林 光(こばやし ひかる)

 地球環境を守ると言うと、どこか遠い他人事のように聞こえます。自分に何ができるのだろうか、と考えてしまいます。でも、実は、家でこそ地球が守れるのです。また、皆が、それぞれに地球のことを考え出すと、世の中は、ぼーんと大きく変わってしまうのです。家は、世の中を変えるための、いわば基地でもあるのです。

3.11の経験が日本を変えつつある

家は、需給が出会う小さな経済市場

 家など小さな場所だ、と思うかもしれません。そこで何が起ころうと世の中の大勢には影響ない、と、思う人が多いでしょう。
 しかし、家は、とても大事な場所なのです。
 図は、私の家の敷地に降ってくる太陽エネルギーなどを示したものです。私の家は、都内にあって、御他聞に漏れず、狭隘敷地に立っています。110m2ですが、ここに一年間で降り注ぐ太陽の光や熱のエネルギーは、46万メガJ(ジュール)。なんのことだか分かりませんが、これは、実は、家で実際に使っている電気やガスのエネルギーに比べると、なんと10倍近く大きい値なのです。

さらに増設した太陽光パネルで手に入れた安心

 こうした省エネの強化をしただけでなく。わが家では、自然エネルギーの供給量の増大にもこの際挑戦をしました。
 系統電力には逆潮流しないが、家で蓄電池に蓄えて夜、交流電気として使えるシステムを導入しました。夏なら扇風機、通年では、パソコンの充電や常夜灯の点灯、朝のテレビの視聴などに使うようにしています。前述の大学院生によるアンケートで示されたような支払平均額以内で、これはできました。

 さらに、わが家では屋根下の熱気を床下にまで運んで暖房に役立てる太陽熱床暖房システムを使っていますが、この熱を床下にまで押込むファンは、これまでは、普通の系統電力を使っていました。これもこの際、太陽光発電の電気に振り替えることにしました。もともと、太陽が照っている時にしか使わないファンなので、需要と供給が最初から一致していて、大変に合理的だと思いました。取り付けた太陽光パネルは定格能力がたった70Wで小さなものです(写真参照)。しかしそれでも、停電でも、床暖房できる、という安心感が手に入ったのです。

小さな太陽光発電パネルを設置した小林邸

消費者が世の中を変える!

 周りの人に聞くと、多くの御家庭でこうした過程が進んでいて、省エネをするためのエコハウス・エコポイントの利用も盛んですし、太陽光パネルや太陽熱温水器を取り付けるご家庭がどんどん増えている、と聞きます。
 このように、消費者が動き出したら、世の中は大きく姿を変えざるを得なくなります。日本の化石燃料輸入代金の支払額は年間23兆円にも達します。こうした燃料代を、消費者の力で、引き下げ、さらに、国内に落ちるように変えたら、今の不況もなくなってしまうかもしれません。
 たくさんの無駄な発電所を抱え、実際に動かさなければならない理由は、消費者が望む電力量が季節や時間帯によって大きく変わるからです。最大値に合わせて、供給力を保っておく必要があるというのです。しかし、そんなことをしなくなったら、無駄な発電所は要らなくなり、電気代も安くなり、皆がハッピーです。
 今こそ、国民パワーで新しい経済や社会に向けて、イニシアチブを取りましょう。できることは一杯あります。