【第12回】東京都の自然と日本の国立公園

親泊 素子(おやどまり もとこ)

1.幻の日本大博覧会と国立公園

そもそも日本に初めて公園制度ができたのはいつでしょうか?それは1873年(明治6年)1月15日に全国府県に出された「太政官布達第16号」によるものでした。しかし、いきなり欧米のような公園がつくられたのではなく、江戸時代の社寺境内や大名庭園、あるいは今まで市民の行楽地となっていた名所等が公園とされました。当時の東京府が最初に公園とした場所は、金龍山浅草寺、三縁山増上寺、東叡山寛永寺境内、富岡八幡社地、飛鳥山の5カ所でした。東京以外では、大阪府の住吉、浜寺、広島県の厳島、鞆、高知県では高知公園が、1874(明治7)年には金沢の兼六公園、1875(明治8)年には高松の栗林公園が開園されました。また、1879(明治12 )年以降、松島や雲仙等自然の景勝地や行楽地も公園となりましたが、当時はまだ、私有地の指定は認められず、官有地であったために面積は小さいものでした。

 一方、明治政府は富国強兵、殖産興業を掲げ、日本を近代化すべき開発を推し進め、廃仏毀釈運動による歴史・文化遺産の破壊や、土地開発や工業化による自然破壊や公害等の環境破壊を起こしていました。しかし、明治政府は日露戦争の勝利の勢いで、日本大博覧会を1912(明治45)年に開催すると発表したのです。しかし、1908(明治41)年に、その博覧会は明治天皇即位50年に合わせて1917(明治50)年に延期することが発表され、さらに、1911(明治44)年の第二次西園寺内閣の時に、財政的理由からついに大博覧会は中止となってしまったのです。それでも、明治天皇の即位50年の式典だけは盛大にやる計画で、各地で準備が進められていました。しかし、1912(明治45)年の7月30日に明治天皇が崩御せられ、即位50周年の式典も、一転して、明治天皇の悲しみの葬儀へと代わってしまったのです。

2.明治神宮と国立公園

3.東京都の自然公園

4.自然公園とエコツーリズムの推進

5.おわりに

 東京には世界中から多くの外国人が訪れます。都内の観光地や歴史的な場所だけでなく、是非とも東京の素晴らしい自然公園にも足を運んでほしいと思います。そのためには、外国人観光客が自然公園を訪れても戸惑うことのないように、現地での案内標識はもちろんの事、外国語でのセルフガイドマップや観光資源案内等を充実させることで、世界の人々にも、日本の首都東京にこれほど、豊かな自然があることを理解してもらえるのではないでしょうか。また、最後に忘れてはならないのは自然公園の景観を守る担い手は地元の人々です。地元の人々の生活の安定にも気を配りながら、是非とも、このような素晴らしい東京の大自然を守り育てながら活用していって欲しいと思います。

脚注

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