【第29回】国際社会の動きと私たちの日常生活をつなげる

亀山 康子(かめやま やすこ)

 国内外で異常気象が増えています。この現象がすべて地球温暖化を原因としているとは言い切れませんが、温暖化したら起きるだろうと言われていたことが実際に起き始めているのは確かです。放っておけば、さらなる温暖化が予想されていますが、このような緊急性に反して、温暖化抑制のための合意を目指した国際交渉は、ほとんど進展をみていません。わたしたちの日常生活から遠いところの話と思われがちな国際交渉を、日常生活につなげてみたいと思います。

地球温暖化は現実となっている

気候変動枠組条約第19回締約国会議(COP19)で決まったこと

「目指すべき」目標と「目指せると思う」目標との差(ギャップ)

色がついた帯は、21世紀中の気温上昇を特定の幅に抑えようとした場合に許容される温室効果ガス世界総排出量。2020年に黒い四角で示されているのは各国が提示した2020年排出量目標の合計値。いくつかの国は幅で排出量を提示しているため、その上下に一定のレンジをもうけているが、いずれにしても、すべての国が今掲げている2020年目標値を達成したとしても、オレンジから濃いピンク(21世紀中に2.5℃~5℃)の気温上昇が生じてしまうことを表している。

わたしたちができること

 ここまで、地球全体の話や国際交渉の説明を読んでくださった方々の中には、これらの話が自分の日常生活から遠く離れた別世界のことのように感じられる方も少なくないと思います。しかし、温暖化問題の将来は、最終的には私たち一人一人の選択次第です。「目指すべき」目標の十分な理解なくては、なぜ二酸化炭素を減らさなくてはならないのかも納得できないでしょう。まずは自分が、自分の子どもや孫の世代にどのような日本を残したいと思うか、というところから温暖化対策を考えてみませんか。なるべくエネルギーを使わない生活を送る、森林を利活用しつつ保全する活動に参加する、といった個人の行動は、「自分ひとりでやって何の役に立つんだろう」と思ってしまいそうなほど、地球の中では些細な効果しか直接には及ぼさないでしょう。しかし、同じように考えて行動する人が増えなくては、日本の「目指せると思う」決定方法は変わりませんし、温暖化抑制に寄与する2015年国際合意も達成されないのです。
 消費者としての購買行動や消費行動は、資源循環を目的とした行動にも結びつきます。森を大切にする行動は、生態系保全にもつながります。個人の温暖化対策は、他の環境価値への配慮行動とも一致することが多いことに気づくでしょう。

参考文献

参照サイト