【第35回】「スマートシティ」プロジェクトで環境都市を目指す:オランダ、アムステルダム市

プロジェクトのテーマ別分布図

 では、具体的にはどんなプロジェクトが展開されているのでしょう。テーマ別にみていきます。

テーマ:生活

 「Geuzenveld-持続可能な地区」プロジェクト:この地区の一般家庭500軒以上にスマートメーターが配布されています。利用頻度の高い家電製品にメーターを設置することで、エネルギーの利用量を可視化でき、待機電力などの無駄を意識するようになるといいます。また、機器だけではなく、近隣住民を対象にエネルギーの効率的利用に関するセミナーを開催したり、省エネアイデアの募集をするなど、住民意識をさらに高める企画もあり、地区全体で電力消費の削減を目指しています。

スマートメーター

テーマ:仕事

 「スマートワーク@IJburg」プロジェクト:毎朝の仕事への通勤による交通渋滞やそれに伴うCO2排出の緩和を目指して、スマートワークセンターを自宅近く(本プロジェクトの場合はIJburg地区)に作ったパイロットプロジェクトです。使いやすくするための様々な工夫がされており、会社に行かなくとも会議に参加できる、テレビ会議のシステムを導入することなども計画されています。この他にも、「仕事」のテーマでは、オフィスビルを対象とした「スマートビルディング」プロジェクト等があり、スマートなビルエネルギー管理システムを導入して、エネルギー消費量のデータを収集、分析、その結果に基づいて冷暖房や照明などを制御して、エネルギー消費削減に成功しています。また、データの見える化を実施することで、ビルで働く人々の意識や行動変化へとつなげています。

スマートワークセンター

テーマ:交通

 「スマートパーキング」プロジェクト:このプロジェクトは、駐車場を前もって予約することを可能にしたシステムで、駐車場を探す時間とそれに伴うCO2排出や大気汚染を抑えようとするものです。民間の駐車場、公共施設の駐車場、またホテルや病院など、市内各地の駐車スペースの空き情報をスマートフォンで入手し、予約できるようにするシェア駐車のシステムです。将来的には、このシステムを利用すれば駐車料金が安くなり、支払いもオンラインできるなど、ドライバーにとってのインセンティブも考えられています。
 「交通」のテーマにおける他のプロジェクトには、各種交通手段から排出されるCO2総排出量の削減を目指した、船舶用の充電ステーションの設置やカーシェアリングシステムの構築、電気自動車や電動スクーターのための充電ポイントの設置など、移動に関するプロジェクトが実施されています。

スマートパーキング情報

テーマ:公共施設

ユトレヒト・ストリート

テーマ:オープンデータ

エネルギー地図

 以上、5種類のテーマごとに実施されている各種プロジェクトを紹介してきました。「アムステルダム・スマートシティ」プロジェクトで実施されているプロジェクトはすべてASCのHPで動画と共に見ることができます.各分野の最新技術と知恵を結集させたこれらのプロジェクトは、動画を見ているだけでもワクワクします。

参考サイト