【第49回】2020年の「ゴミゼロ」達成を目指し、リサイクルに取り組む:アメリカ、カリフォルニア州バークレー市

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気候行動計画

ゴミゼロを目指す理由

一般廃棄別の減量とリサイクルへの7つの取り組み

コンポスト化やリサイクルに熱心な住民の手間をできるだけ軽減するために、バークレー市は非営利組織であるエコロジー・センターに委託して、道路脇でのリサイクル品の回収を実施しています。対象となるのは、ビン、缶、プラスチック製品、新聞、ミックスドペーパー(新聞紙・雑誌・段ボール・牛乳パックを除いた紙類)、段ボール紙。それに加え、生ごみや剪定後の木の枝なども、コンポストにするために回収します。

エコロジー・センターのリサイクル品回収車
(出典:エコロジーセンターHP http://ecologycenter.org/recycling/

ビン、缶、プラスチック製品、新聞、ミックスドペーパー、段ボール紙、さらにコンポスト化するための廃棄物を、事業所からも回収しています(バークレー市が直接実施)。これにより事業所のごみ廃棄費用が大幅に軽減されました。また、事業所から回収されてコンポスト化される有機廃棄物の量は、年間6,500トン超にもなっています。

バークレー市のあるアラメダ郡では、建築廃材などの廃棄物量が全体の21%を超えています。これをリサイクルすることで、埋め立て処分場での廃棄物量が減るだけではなく、新しい建築資材を生産するために必要なエネルギーの消費を減らすことにもつながります。現在、バークレー市の廃棄物の18%ほどが建築用廃材で占められています。

せっかく回収した廃棄物でも、リサイクルするために遠隔地まで運んでいては、輸送から出るGHGが増えてしまいます。さらに、廃棄物管理の仕事を地元で生む可能性を失ってしまいます。そのために市では、回収品目をできるだけ増やし、廃棄物転換を地元で推し進めています。

ゴミゼロを達成するには、リサイクルやコンポスト化を増やすだけではなく、そもそもの生産量を減らすことが重要です。そのために、市では様々な取り組みを始めています。

まず、2012年には使い捨てのビニールのレジ袋の配布を禁止しました。買い物袋を持参しなかった客には再生紙の袋や再利用可能な袋の販売を始めました。ある調査では、カリフォルニア州で使われるレジ袋190億枚のうち、リサイクルされる率は5%に満たないということが分かっています。きちんと処分されないレジ袋は捨てられ、水路や野生生物の生態系汚染につながることもあります。

気候行動計画には、市が一般廃棄物の廃棄費用を改訂して(値上げの方向へ)、住民にリサイクルへのインセンティブ(動機付け)を与えるとともに、普及啓発活動も行うことが求められています。住民が負担する廃棄費用は住宅や事業別に、また、廃棄量によっても、以下のように分かれています。

【廃棄物回収費用(1か月):一般家庭対象】

出典:バークレー市HP

役所や公共施設でのゴミ削減は住民に大きな影響を与えます。気候行動計画には、役所のどの部局にも、適切なゴミ分別容器が設置され、職員はリサイクル可能なものは100%リサイクルするよう、適切なトレーニングを受けていることが推奨されています。さらに、紙の利用を減らし、文書作成や配布には電子媒体を用いることが求められています。

非営利組織との取り組み

注釈

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