トップページ > 環境レポート > 第22回「名門女子大で始まった、学生目線の省エネの取り組み~めざせ!エコキャンパス(白百合女子大学)」
2012.12.22
管理課前に張り出されている、学生エコサポーター募集のポスター(クリックすると画像が開きます)
学生エコサポーターのニュースレター『Hearty Eco』(2012年7月20日発行のVol.1)(クリックすると画像が開きます)
「学生エコサポーターは、今年度から組織を強化して、私たちが2人でサポーター長(リーダー)を務めることになりました」
笠原紗耶香(かさはらさやか)さんと宮武千奈(みやたけちな)さんは、ともに2年生。入学してすぐに学生エコサポーターの活動に参加した。前年度までは、特にリーダーや係などの役割分担もなく、総務部管理課からの話を受けての活動になっていたという。つまり、2人が初代サポーター長になるわけだ。2人体制にしているのは、教職を取っていて忙しいのと、授業の関係などもあって一人では仕事をやり切れないからだという。1人で背負ってしまうよりも分散させたいというねらいもあった。
「これまでは管理課が準備してくれてスムーズにできていたことが、自分たちでやるようになって──何をやるのも手探りですから──、準備が間に合わなくなったり、抜けてしまっていたりと、いっぱい失敗しながら活動しています」
苦笑しながら顔を見合わせる2人だが、表情からは活動の充実も伺える。
エコ・キャンドルに使う廃油を近所の飲食店からもらいに行ったりと、学外の人たちとの交渉なども今はまだ管理課に頼っている面が多いというが、これから学生主体にシフトしていきたいという。
今年度、学生エコサポーターは総勢30人ほどがメンバーに名を連ねる。広報・企画・文化祭担当などの係を設けて、それぞれに打合せをしながら活動をしている。例えば、広報担当はニュースレターづくりを通して、学生エコサポーターの周知を図る。7月に第1号が発行された『Hearty Eco』と題したニュースレターは、ショッキングピンクのタイトルロゴが鮮やかだ。企画担当が春先に作成した学生エコサポーターのユニフォームとなるポロシャツも派手なショッキングピンクの地に白抜きの字が女子大ならではの華やかさを演出する。学生エコサポーターとしてイベントなどに臨むときには、このピンクのポロシャツを着て活動し、存在感をアピールしようというわけだ。
「まだまだ学内でも知名度が高いとは言えません。でもニュースレターを手にとって活動を知ってくれたり、イベントのときに参加してくれた人が声かけてくれたりと、少しずつ手応えも感じています」
サポーター長の1人、宮武さんは、高校生のときは帰宅部だったという。
「高校生までは割と内気で、活発な活動もしてこなかったし、ある意味で目立つことを避けてきたんです。大学に入ったら何かやろうと思っていたところ、たまたまカフェテリアに学生エコサポーターのポスターが貼ってあるのを見て、応募しました。自宅が遠いこともあって、学内で、学校にいる間にできる活動という意味でも、エコサポーターの活動がうまくマッチしています。30人というと多いようですけど、他の部活と較べると少人数です。その分、メンバーと仲よくワイワイやるのも楽しいですね」
各係の他に、副サポーター長も2人いる。同じ2年生ということもあって、4人で集まって話し合う機会も多いという。
一方、笠原さんは、中学・高校時代は吹奏楽に打ち込み、部活メインの生活を送っていた。
「中高時代の部活では、組織ができあがった中で活動していました。立ち上がったばかりの学生エコサポーターは、自分たちでほぼ1からつくっていくところに魅力を感じています。今は割りと新しい段階なのでいろいろとチャレンジできるんです。いろんなアイデアを出しあいながら、まずはやってみるという感じで、みんなの意見が反映しやすいですね。チャレンジしていくおもしろさがあります」
それとともに、エコ活動ならではの手応えもあるという。
「自分たちにとっても楽しい活動になっていますが、それだけでなく、少しは大学や社会にも役に立てると思うと、やりがいも出てきます。小さい大学なので、まずは身近なところ──学内の節電に貢献することなど──から始めていって、今やっている活動を定着していければと思っています。その上で、機会があれば少しずつでも学外の活動にもつなげていければと思っています」
エコ・キャンドルづくりなども、地域の小学校や幼稚園の子どもたちといっしょにできると楽しくなると笠原さんが言うと、宮原さんも、
「うちの大学は児童文化学科がありますから、専攻と結びつけた活動ができると広がりや深まりも出てくると思うんです」
と口添えする。
サポーター長の宮武千奈さん(左)と笠原紗耶香さん(右)
今年からはじめた取り組みの一つに、家庭菜園ほどの小さな畑づくりがあるという。校舎の間の小さな空き地を借りて、夏野菜(トマト、ナス、ミントとハツカダイコン)を植えて、収穫した。発想のきっかけは、緑のカーテンでゴーヤを育てた経験だった。もっといろいろ育ててみたい、そんなノリで始めた活動だという。
「来年は、サツマイモを育てたいなんて話をしています。見ての通り、大学構内には木がたくさんあるので、落ち葉も多いんです。秋になって落ち葉を集めて焼き芋を焼いたりするのも楽しいなと思って」
楽しい活動でないと続かないし、広がっていかない。肩肘張らずに、身近にできることから少しずつ、でも着実にやっていきたいと話す笠原さんと宮武さんだ。
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