かれん と シーナの『エコ質問箱』質問18

2017.08.31

まだ暑い日が続くね。まいっちゃうよ…。

8月は雨の日が続いていて、夏も終わっちゃったと思っていたんだけど、また夏に舞い戻った感じね。
ところで、雨続きになる前、7月中旬頃には深刻な赤潮の発生があったわよ。天気がよくなって暑い日が続くとなると、また赤潮が心配になってくるわ。

どういうこと?

7月にお父さんが出張で飛行機に乗ったときに、東京湾が真っ赤に染まっていたのを見たんだって。例年以上に大規模な赤潮が発生したらしいの。

暑くなると赤潮が発生するの?

春から秋にかけて、日照時間が長くなって水温が上がると、海水の中の植物プランクトンや、それを捕食する動物プランクトンが増えていくのよ。プランクトンが異常に増えることで、海水が濁って、赤潮になるんだって。

赤い海なんて珍しいね。

プランクトンの種類によって茶褐色や黄褐色、緑色などにもなるらしいわ。いずれにしても透明度が低下して、悪臭も漂うようになるんだって。
プランクトンが増えすぎて水中の酸素が足りなくなったり、有毒物質を出すプランクトンもいたりして、魚や貝類の大量死を招くこともあるそうよ。規模の違いはあるけど、赤潮は毎年発生しているんだって。

それは大変だ。でもなんで暑くなるとプランクトンが増えるの?

植物プランクトンだから、暑くなるというよりは、日照時間が長くなることで光合成が活発になることがポイントね。水温が上がると生物活動も活発化するしね。

なるほどそうなんだ。

実は、赤潮が発生するときの大事なポイントがもう一つあるの。なんだと思う?

う~ん、わからないな。ヒントは?

植物プランクトンが生長するのに必要なものよ。基本的には陸上の植物と同じだと考えていいわ。

あ、そうか。肥料があるといいってことじゃない?

そう、その通り! 東京湾には、植物プランクトンの栄養分となる窒素やリンがたくさん溶け込んでいるの。そのたくさんの栄養分を取り込んで、陸上の植物が大きく生長していくのに対して、水中にいる植物プランクトンはどんどん分裂して数を増やしていくのよ。

あ、そうか、富栄養化だよね!!
人間生活から出る栄養塩類で、プランクトンがどんどん増えていって、赤潮になるわけだよね。

そうね。
昔は工場などの排水が流れ込んだり、トイレの汚水が直接海に捨てられていたりしたことで赤潮も頻繁に発生していたんだって。法律で規制するようになって改善してきたらしいんだけど、東京湾では今でも年間90日間ほど赤潮が発生しているそうよ。

結構多いんだね。
どうすればいいのかな?

東京湾には江戸川や荒川、多摩川をはじめとして大小60数本の河川が流入しているのよね。生活排水や工場排水などは河川を通じて東京湾に流れ込むから、ちょっとずつが溜まっていくことで赤潮が発生するほどの汚れになるのよ。

つまり、河川がきれいになれば、東京湾もきれいになるってことだね。

そうね、東京湾の汚濁の原因は、私たちが家庭から出している生活排水が大きな比率を占めているらしいから、私たちが気を付ければ改善できると思うの。
例えば、調理のときに油の使用量を減らすとか、洗い物などで洗剤を使いすぎないようにするとか、私たちが出している排水が水質汚濁や赤潮の原因になっていることを知って、気を付けることが大切ね。

ぼくもこれからは気を付けるよ!

それでは、ここで問題です。
深刻な赤潮は魚や貝類の大量死を招くなど、影響も大きいんだけど、ある神秘的な姿を見せることもあるんだって。それは、次のうちどれでしょう?

プランクトンの種類によっては、波の刺激などで発光する種類もあるんだって。「夜光虫」とか「海ほたる」って言われる、発光性のプランクトンだね。

私は見たことがないんだけど、海が光るなんて神秘的よね。自然って不思議だわ。 ただ、光るかどうかはプランクトンの種類によるから、必ずしも赤潮になったら夜には光る海が見られるというわけではないので、注意してくださいね!