かれん と シーナの『エコ質問箱』質問21
2017.11.02
宅配便の再配達って、何が問題なの?

かれん、遊びに行こうよ!

今日はおばあちゃんからの荷物が届く予定だから、お家にいなくちゃダメなの。

え~!? 宅配便が届くの? いないときに届いたら再配達してもらえばいいじゃん。ねえ、遊びに行こうよ!!

だめよ、シーナ。そんなふうに考える人が多いから、再配達が多くなっていろいろと問題になっているらしいのよ。

え、どういうこと?

国の調査では、宅配便が再配達されている割合は、全体の約2割にもなるんだって。

へえ、意外に多いんだね。

そうでしょ。再配達のための労働力は、トラックドライバーの約1割に当たる9万人に相当するという試算もあるのよ。つまり、ドライバーが10人いるとして、そのうちの1人が再配達ばかりしていることになるんだって。

それは大変だ! ぼくは再配達係にはなりたくないなあ。

あくまで計算上だから、再配達専門の人がいるわけじゃないけどね。

そっか。でも、宅配便って、そんなにたくさん使われているんだね。

ほら、ネット通販ってあるじゃない。ここ10年で3倍になっているらしいわよ。

あ、そうか。おばあちゃんも結構使っているよね。

「便利な世の中になった」ってよく言っているわ。でも、シーナみたいに指定の時間に出かけちゃったりして再配達してもらうと、その分の負荷が生じるじゃない。

えへ! ごめん、ごめん。

再配達によって排出されているCO2量は、一年間の総量では、JR山手線の内側の2.5倍の面積のスギ林が吸収する量に相当する約42万トンにもなるんだって。

え、そんなになるの? 山手線内って、結構広いよ!

それだけ、大きな無駄が発生しているってことなの。しかもそれって、受け取る人が少し意識すれば改善できることだったりもするじゃない。

ああ、そうだよね。

宅配会社にとっても、再配達を減らすことができれば、その分の燃料代や人件費、荷物の保管代も節約できるんだって。宅配ドライバーって、重労働だし、朝早くから夜遅くまで長い時間働かなくちゃならないし、その割にお給料が高いわけでもないから、担い手不足になっていているって、この間授業で習ったわ。宅配料金の値上げも検討されたりするみたいだけど、今の便利な宅配便の仕組みを続けていくのも案外大変らしいのよね。

せっかく運んできたのに留守でまた持ってこないといけないとなると、がっかりだよね。

再配達って、一度行って留守だったら、不在票を入れて翌日以降に届けてくれるんだと思うじゃない。

違うの?

実は、午前中に留守だったりすると、午後や夕方にも来てくれているらしいの。留守が続くと、2倍どころか、3~4倍の負担になるんだって。

かれんのうちみたいにマンションの階段を歩いて登ってきていることを考えると、しんどいよね。

そうでしょ。安易に再配達してもらえばいいなんて言えないわよね!

…反省しています。

じゃあ、対策についてはどんなことが考えられる?

う~ん、そうだな。まずはきちんと受け取れる時間に持ってきてもらうことかな。

そうね。留守にしているケースでは、そもそも宅配便が届くことを知らなかったという人も多いらしいの。送る人が受け取る人に一言連絡したうえで、都合のよい時間帯を指定して送るなど、一回で受け取れるようにすればいいと思うのよ。
宅配便の取扱件数も、再配達の割合もこれだけ高くなっているからこそ、一人ひとりの心がけ次第で、大きな効果が生まれることになると思うのよね。

今度宅配便を送ってもらうときには、ぼくの大好物も入れてくれるようにおばあちゃんに言っておいて! そうすれば、それこそドアの前で待機しておくからさ!!
Question

では、ここで質問です。
宅配便の再配達を減らすための工夫として、受取時間を指定するとよいって、かれんが紹介してくれたけど、他にはどんなことが考えられるかな? 実際に始まっていることもあるらしいので、考えてみてね!
今回は選択肢は無しだよ。

解説

みなさんのアイデアも聞きたいところですが、ここでは1つだけ紹介しますね。
駅前とかコンビニなどに設置された受取用の宅配ロッカーを通じて、会社帰りのお父さんに受け取ってもらえるような仕組みも始まっているんですって。
宅配ロッカーでは、画面にパスワードを打ち込むことで扉が開く仕組なんかもあるから、安心ですね。