第14号 年に一度の環境活動団体の活動報告・紹介の機会として

杉並区「すぎなみエコ路地フェスタ2020」

新型コロナウイルス感染拡大防止対策を取りながら開催された「すぎなみエコ路地フェスタ2020」の様子を紹介します。

すぎなみエコ路地フェスタ

令和2年10月3日(土)・4日(日) 両日10時00分~15時00分

杉並区立環境活動推進センター

府中市

府中野鳥クラブ

コロナ感染拡大防止対策を取りながら、規模を縮小して開催したんだ!

アルバトロス(アホウドリ)の胃袋の中に、プラスチックが詰まっている

 アルバトロス(アホウドリ)などウミドリの死体の胃袋を切り開くと、たくさんのプラスチック片が詰まっている。そんな衝撃的な映像が、ハワイ・ミッドウェイ島の雄大な自然の中で子育てをするアルバトロスの姿を映し出すドキュメンタリー映画「ALBATROSS ~ウミドリの悲劇~」には描かれています。

 毎年10月初旬の週末に開催されている「すぎなみエコ路地フェスタ」では、昨年・今年と、アメリカ人アーティストでカメラマン・映画プロデューサーでもあるクリス・ジョーダン(Chris Jordan)氏が監督した「ALBATROSS」の上映を行いました。
映像自体はインターネット上で無料公開されていますが、日本国内で上映しているのは「すぎなみエコ路地フェスタ」だけであると、すぎなみエコ路地フェスタ実行委員長の渡辺剛弘さんは言います。上映するに当たっては、学生ボランティアの協力も得ながら、日本語字幕を付けたそうです。
 併せて、今回のすぎなみエコ路地フェスタでは、実行委員会の企画展示として、「プラスチックによる環境汚染の現状」をテーマにパネル展示をまとめて、「手をこまねいてみていられますか?私たちができることは何でしょう!今です 一人ひとりが考えるのは!!」と、プラスチック問題の深刻さと対策を呼び掛けました。

3階講座室上映コーナーでは、クリス・ジョーダン監督「ALBATROSS~ウミドリの悲劇」(約90分)を1日3回のスケジュールで上映。

映像には、学生ボランティア等の協力によって、日本語字幕をつけた。

実行委員会企画展示「プラスチックによる環境汚染の現状」

都立葛西臨海公園で採取した砂浜の砂。浮いているのは木かプラスチック

「STOP!使いすてプラ いまわたしたちにできること」をテーマに、規模を縮小して開催

 「すぎなみエコ路地フェスタ」は、会場となる杉並区立環境活動推進センターが高井戸駅前の現在の場所に移ってから3年目の平成29年から始まり、今回で4回目の開催となりました。
 「昨年は、10月第1週の週末に、隣接する高井戸地域区民センターの高井戸センターまつりや杉並清掃工場の環境フェアと同日開催で実施しました。3つの会場をまわるスタンプラリーを企画し、高井戸地域区民センターの広場でワークショップをやったり、清掃工場の地下でフリーマーケットをやったり、大勢の来場者で盛況でした。」
 環境活動推進センター所長で杉並区環境課環境活動推進係長の高橋澄人さんはそう話します。
 ところが今年度は新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、各地でイベントの開催中止が相次ぎ、杉並区でも高井戸センターまつり及び杉並清掃工場環境フェアがともに中止となりました。エコ路地フェスタ実行委員会でも、例年と同じような形での開催は難しいとの判断を下したと言います。
 「去年までは清掃工場の100人定員の大きな会議室で、講師を呼びシンポジウムを開催し、そのなかで小学生の発表会や、映画の上映も行いました。また、環境団体の活動展示や工作ワークショップの実施や、ハーブティーの無料提供も行いました。しかし、今年度は、例年通りにやろうとすると3密になることや、飲食の提供による感染リスクを考慮し、パネル展示と上映会に絞って実施することにしました。」
 実行委員会会長の渡辺剛弘さんはそう話します。
 感染防止対策を取りつつ規模を縮小することになったとしても、年に一度の環境団体の活動報告の貴重な機会として、また区内の環境活動の活性化につなげるためにも、継続することを大事にしたいというのが実行委員会の共通した思いだったと言います。

3階講座室に展示された、環境団体活動紹介のパネル。

4階で併催した「第26回かんきょうアイデア展」では、リポート、リサイクル作品、自然の恵みの3部門のアイデア作品を展示。来場者のアンケートをもとに、各種賞を選定する。

会場入り口に掲示されたエコ路地フェスタのポスター

すぎなみエコ路地フェスタ実行委員長の渡辺さん(左)と、杉並区環境課環境活動推進係長の高橋澄人さん(右)

関連リンク