はじめに

スマートコミュニティをはじめとする先進的な環境の取組みを多方面で展開している北九州市に直接訪問し、スマートコミュニティ関連設備の見学だけでなく、市の職員やスマートコミュニティ事業に携わっているNPOなどと意見交換を行うことによって、スマートコミュニティに対する知識の醸成や事業に資する予備知識の習得を目的としています。

  以下、見学会の概要を示します。

見学会概要

日時

平成24年9月20日(木)~21日(金)

行程
9月20日(木)午後北九州市職員との意見交換会(北九州市役所)
9月21日(金)午前北九州スマートコミュニティ創造事業現地見学(八幡東田地区)
午後NPO法人「里山を考える会」による活動紹介(東田エコクラブ)
場所

見学会の詳細

北九州市職員との意見交換会
目的

スマートコミュニティ創造事業を推進している北九州市の変遷から現在の先進的な取組みを学ぶとともに、市職員との意見交換によって、実証事業における自治体の姿勢(役割)などを把握することを目的としています。

日時

平成24年9月20日(木)13:30~16:00

場所

北九州市役所 特別会議室B

次第

(1)開会
(2)進行説明等
(3)北九州市の取組紹介
(4)意見交換会
(5)閉会

内容

主な北九州市の取組紹介は以下の通りです。

北九州市の変遷
北九州市は、1901年の官製八幡製鐵所の操業開始以降、「工業のまち」として発展し、その後、様々な工業の進出により、公害問題が深刻化し、これを克服するため、他の自治体に先立って公害対策を実施しました。
現在、公害克服の経験で培われた地域社会のパートナーシップは、現在のまちづくりや地域環境改善活動にも引き継がれ、さらには国際的にも環境改善のモデルとして高く評価されています。

スマートコミュニティ創造事業
主な説明項目
  ・事業全体の二酸化炭素削減目標
  ・ダイナミックプライシング
特に、ダイナミックプライシング(電力料金を地域の電力需給の状況に応じて変更する仕組み)は需要家参加型のエネルギーサービスであり、平成24年度に日本で初めて実施される事業です。

その後、スマートコミュニティ創造事業に中心的に従事している職員と意見交換を行いました。

主なテーマ
主な説明項目
  ・実証事業における庁内調整
  ・実証事業における課題
・実証事業後の展開
  ・参加企業等による協議会の開催状況
・行政の果たすべき役割
・専門的な人材の確保(企業からの人材派遣)

その後、スマートコミュニティ創造事業に中心的に従事している職員と意見交換を行いました。

北九州スマートコミュニティ創造事業現地見学

目的

北九州スマートコミュニティ創造事業の主要5施設を、専門ガイドの案内のもと、より詳細に説明を頂きながら、導入されている技術や事業の仕組みなどを学ぶことを目的としています。

日時

平成24年9月20日(木)13:30~16:00

場所

北九州市 八幡東田地区

内容

(1)環境ミュージアム

環境ミュージアム
施設内を見学し、公害の歴史から環境未来都市までの北九州市の変遷を、映像やパネルなどで学ぶとともに、専門ガイド(NPO法人「里山を考える会」)と意見交換を行いました。


(2)地域節電所
 地域節電所では、不安定な太陽光発電の供給能力を予測しながら電力情報を管理し、利用者に使用抑制や変動する電気料金(ダイナミックプライシング)等の情報を配信するシステムを運用しています。

地域節電所
施設内を見学し、ダイナミックプライシングのシステムについて、専門ガイド(NPO法人「里山を考える会」)から、リアルタイムのモニターを通して、説明して頂き、意見交換を行いました。
  また、ダイナミックプライシングの仕組みを具体的にイメージできるものとして、地域節電所に集約されたデータがどのような情報としてスマートメーターに表示されるのかなど、実際に実証事業で使用している端末を使った体験を行いました。

(3)コミュニティサイクル
 コミュニティサイクル事業は、過度なマイカー利用から地球環境にやさしい乗り物である公共交通や自転車の利用促進を図ることを目的に実施されています。「NPO法人タウンモービルネットワーク北九州」が事業運営を行っています。

コミュニティサイクル
市主導でなく、NPO法人主導による事業展開を図っておりNPO法人の運営に至るまでの経緯、活動の内容、他自治体で実施されているコミュニティサイクルとの比較など、NPO法人タウンモービルネットワーク北九州のスタッフの方と意見交換を行いました。

(4)水素㏚館
 北九州市は、世界初の次世代型水素エネルギーモデル都市「北九州水素タウン」の実証が行われており、水素PR館は、その水素エネルギー社会を可視化できる施設です。

水素㏚館
北九州市が進めている水素利用社会システム構築実証事業についての経過状況や導入技術等を専門ガイド(NPO法人「里山を考える会」)に説明して頂きました。

(5)水素実証住宅
 地中に敷設した水素パイプラインによって、集合住宅や業務用施設等に設置する燃料電池や低圧水素充填装置に、効率的に水素を供給・利用する実証試験をするものであり、将来につながる水素タウンを実証するとともに、実証データの収集や技術的課題や運用面での課題抽出を行っています。

水素実証住宅
集合住宅や業務用施設、水素ステーション等に設置した燃料電池、および蓄電池と太陽光発電の連系システムなどを見学し、さらには、それらの運転状況をリアルタイムに把握できるHEMSの機能について、専門ガイド(NPO法人「里山を考える会」)に説明して頂きました。

目的

 北九州市の様々な先進的な取組みをエコツアーとして運営しているNPO法人「里山を考える会」の方々と意見交換を行う場を設けることで、スマートコミュニティ創造実証事業について、行政以外の主体の関わり方や行政との協働のあり方などを学ぶことを目的としています。

日時

平成24年9月21日(金)13:00~14:00

場所

東田エコクラブ(八幡東田地区内)

内容

NPO法人「里山を考える会」の活動紹介及び質疑応答

主なテーマ
・事業参加のきっかけ
  ・エコツアーの運営支援の経緯
  ・行政との付き合い方
  ・行政に必要なこと
  ・人材育成