第8号 まだまだ使えるあれもこれも「リサイクルプラザ20周年まつり」

大盛況のリユース品の無料配布会

リユース品を地域で循環

 ふんわりと地球にベールをかけるようなわたがし雲と水色の空が広がる晴天の1月25日(日)、東京都と埼玉県の境を流れる荒川沿いに位置する板橋区立リサイクルプラザで、「リサイクルプラザ20周年まつり」が行われました。
 板橋区立リサイクルプラザは、びん・缶を選別・圧縮して資源化する「処理ゾーン」と、ごみ減量・リサイクルに関する各種イベント、不用品の販売を行う「プラザゾーン」の2つの施設で構成し、区民の暮らしを支え続けて20周年を迎えました。利用者や区民への感謝を込めて、さらにごみ減量や3Rを知ってもらおうと周年まつりを企画しました。板橋区の坂本健区長も駆けつけ、これからも区民に寄り添った施設運営を目指す旨を語られました。
 今回の目玉は、区民から集まった家具や雑貨、おもちゃ、子ども服などのリユース品の無料配布会です。通常は同プラザ内の「いたぷらショップ」で、安価にリユース品を販売していますが、この日は“無料”とあって、イベント開始の9時30分には、多くの人が列を作り、1日の来場者数は700名以上に上りました。家具やおもちゃは早々に新しい家主のもとへ旅立ち、食器、子ども服、本などの陳列場所も人だかりができ、バックヤードから品物を補充し続ける状態が続きました。

引き取り手を待つリユースの品々(準備時)

 家具はお一人様一点限り、そのほかは点数制限なしとあって、争奪戦の様相を呈していました。食器もガラス製の洋物、陶器の湯飲みやお椀、重箱などもある、あらゆる種類がそろう充実ぶりでした。
 特に子ども用品は、サイズアウトした服、遊び飽きたおもちゃが集まり、状態の良い品をリユースできるため、人気がありました。

リユース・リデュース・リサイクル+アップサイクルを体験

背中に描(えが)こう
自分で自分の背中に色をのせていく

 完成するまで自分では見えない「背中」に描くという、はじめての描き方を体験し作品を完成させました。最後は、皆で記念撮影し、出来上がった作品は、同プラザで1か月間作品展を開催します。作品展では、描いた衣類をそのまま展示しますが、ご自宅に持ち帰り額装することで「不要なもの」が「思い出の作品」となり、すてきなアップサイクルとなります。

中央がパフォーマンスアーティストの村田さん
防災体験 紙でお皿をつくろう

 いつ見舞われるかわからない災害に備えて、紙製のカップを作るワークショップ。3種類の中から作りたいお皿のタイプを選び、折り紙の要領で折り方を教えてもらえます。出店者の協力があり、作ったカップは、イベント内のキッチンカーなどの飲食ブースで即使うことができます。マイ容器を持参すると、割引特典が受けられ、相互に利用者が増えていました。

いざという時に備えて紙皿づくり
ロスフラワーワークショップ

 美しいまま捨てられる花(ロスフラワー)を使って様々な作品作りを体験できるワークショップ。選んだお花にインクを付けた「ボタニカルスタンプ」を使って、植物の形をそのまま生かしてカードやポーチに装飾します。オリジナルの作品づくりを参加者は楽しんでいました。

ロスフラワーの花柄をプリント
分別紙芝居 ~資源・ごみの分け方知ってる?~

 お笑い芸人でごみ清掃員のマシンガンズ滝沢秀一さんが主宰する「滝沢ごみクラブ」のメンバーのともち(渡辺智子)さんがごみの分別紙芝居を実演していました。紙芝居のタイトルは「ウエイスティーとゴミ山の住人」。滝沢さんが原作・原案し、ごみ山の住人のモンスターたちに資源を食べさせる体験型の紙芝居です。

分別ゲームに奮闘する子どもたち

 子どもたちは、ともちさんの声色とお芝居を聞いてすっかり物語の世界へ。資源やごみが様々なキャラクターとなって、分別の大切さを教えてくれます。お話の合間には分別ゲームが盛り込まれ分別が正解すると喜ぶ声、間違っていると、モンスターが嫌がる声を出す仕掛けがあり、楽しく分別を学んでいました。

プロにおまかせ!刃物研ぎ直し

 切れ味がイマイチになった包丁、ハサミなどをプロに研いでもらえる出張研ぎ工房。千葉県成田市の(有)正次郎鋏刃物工芸の六代目正次郎さんが刃物を研ぎなおしてくれます。有料ながら事前予約は定員に達し、人気の高さが伺えました。プロの手により、思い入れのある包丁が再び使えるようになり依頼された方たちは満足されていました。

プロの手でその場で研いでもらえます(六代目正次郎さん)
キッチンカー・フードブース

 板橋区にゆかりのあるMOS50(モスバーガーの移動販売)のほか、地域で人気のキッチンカー「くってけ亭」が出店。通にはのらないB品野菜の付け合わせが使用されていたり、マイ容器割引など、ここでもゴミ削減の工夫がありました。
 子どもだけでなく大人にも人気だったわたがしは、なんと棒まで美味しく食べられる逸品。美味しく食べ終わったあとは、館内にあるリサイクルステーションで容器から生ごみまですべて受け入れました。

リサイクルステーション

 リサイクルプラザで一年を通して活動している「コミュニティコンポストメンバー」の協力で、イベント中にでた資源やごみを回収するブースもありました。美味しく食べおわったあとの容器などは、ステーションで回収。どっちかわからない場合は「資源」か「ごみ」かを同メンバーが教えてくれます。
 どうしても食べきれないときはコンポストへ。コンポストへ入れる作業も体験できます。ごみを減らしたいと考えている方からの質問は絶えませんでした。

ここからは、板橋区立リサイクルプラザに迫るよ!

リユース意識は高まっている

 板橋区立リサイクルプラザは2006年に竣工し、リサイクル拠点施設としての歩みを始めました。ごみ処理機能に特化した「資源化センター」の跡地に建てられたことから、当初は一般の人が利用するイメージがなく、認知度向上が課題でした。ごみのことや3Rを楽しく学べる講座やイベントの開催頻度を増やし、不用品の受け入れ・販売の増加とともに、開設時約8,000人だった来館者は約2万8,000人(2024年度)と約3.5倍の右肩上がりとなっています。

 不用品は家具を中心としていましたが、要望があり食器や衣服などの品目が増えていきました。2024年度の提供者数は5年前の約3倍[ST2.1]を記録し、世の中全体で次の人に使ってほしいと考える人が増えたと考えられます。2009年以降、リユース市場は15年連続で拡大しているというデータ(リユース経済新聞)もあり、SDGsやフリマアプリの普及もリユース品への抵抗を軽くしたと推察できます。

 環境省によると、2023 年における、国内の消費財における販売額を示したリユース市場規模は3兆1,227億円で、2009 年の1兆1,274 億円から大幅に増加し、今後も市場規模が増加していくことが予測されています。

リユース市場規模(国内の消費財における販売額)の経年変化と予測

環境省の令和6年度リユース市場規模調査報告書より引用
出典)リユース経済新聞「リユース市場データブック2024」
注)法人間の売買および輸出に関する値は含まれておらず、自動車や住宅等は集計対象外
注)推計値は環境省「平成 24 年度使用済製品等のリユース促進事業研究会」の調査を基準に、リユース経済新聞による
「リユース売上ランキング」や取材情報をもとに算出。また、市場規模は、国内小売り金額ベースで算出。

 同プラザは、すぐそばには荒川河川敷があり、散歩やスポーツを楽しむ人の往来があります。
 板橋区では「板橋区かわまちづくり「ITTA KAWAMACHI PRPJECT」を推進しており、荒川河川敷をにぎわい創出と防災を軸とした自然体験型アーバンリバーパークを目指しています。2025(令和7)年度に「板橋区かわまちづくり基本計画」を策定し、今後、具体化が進むと、同プラザもにぎわいの一端を担う存在となることでしょう。


板橋区立リサイクルプラザ

2006(平成18)年1月

9:00~17:00(臨時休館あり)
リユース品の回収・販売「いたぷらショップ」 10:00~16:00

土・日・祝日は、東武東上線ときわ台駅と都営三田線西台駅を通る無料送迎バスが運行
都営三田線「西台」、都営三田線「高島平」、JR埼京線「浮間舟渡」、東武東上線「東武練馬」から国際興業バス路線あり。「舟渡小学校」下車徒歩7分。


注釈

【注1】びん・缶の中間処理施設(処理ゾーン)の作業は日曜日お休み。

関連リンク