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第61回全米2万3400都市のエネルギー関連データを提供:アメリカ エネルギー省

 この「ECOネット東京62」のサイトでも、「62市区町村環境データ」が公表されていますが、今、ネット上で簡単に入手できるオープンデータに注目が集まっています。様々な情報ポータルサイトが生まれ、より良い政策や意思決定、取り組みに活用されることが期待されているのです。
 この夏、アメリカのエネルギー省(Department of Energy-DOE)が、全米2万3400の都市別エネルギー関連データを提供するポータルサイト ”State & Local Energy Data” (州&自治体のエネルギーデータ)を公開しました。これは、州政府や自治体が、よりクリーンなエネルギー政策を実現できるよう、支援することを目的にしたもので、二つのツールが用意されています。
 一つは、個々の都市のエネルギー関連データが得られる、「都市エネルギー・プロフィール」。そしてもう一つは、テーマ別に、取り組み方や実践例、ケーススタディなどを紹介する「地域エネルギー・ツールボックス(道具箱)」です。本稿では各ツールがどんな情報を提供しているのかを紹介します。

”State & Local Energy Data” サイトのトップページ
http://apps1.eere.energy.gov/sled/#/

”State & Local Energy Data” サイトのトップページ

1.ツール1:「都市エネルギー・プロフィール」の使い方と内容

 上記トップページの上枠のなかのBOXに、データを得たい都市の郵便番号を打ち込み、ENTERを押すと、その地域のページが現れ、ここからさらに、さまざまなテーマ別データにとぶことができます。たとえば、サンフランシスコ市内の郵便番号(zip code)を入れてみると、以下のページが現れました。

サンフランシスコ市のデータ: トップページ(URLは本稿末尾に記載)

サンフランシスコ市のデータ: トップページ(URLは本稿末尾に記載)

 上記サンフランシスコ市のトップページ「エネルギーマーケット概観」には、市の年間温室効果ガス排出量に加え、エネルギー関連データとして、横棒グラフで、市内のガソリン車とディーゼル車の割合、天然ガスとエネルギーのセクター別(家庭、商業、産業)消費量の割合が紹介されています(①)。また、ページ左上には、各種テーマが記載され、ユーザーは調べたいテーマをクリックすることで、そのテーマに関する詳細データ(以下表参照)のページに移動することができます(②)。

テーマとそのページに移動すると得られる各種地域の詳細データ
注:州や自治体によってデータ内容・数は異なります。

テーマ詳細データ
電気と天然ガス電力会社名、電気料金、セクター別電力消費量、電気及び天然ガスのセクター別消費量と額、再生可能エネルギー利用可能量など
交通燃料消費、道路の種別自動車走行距離、自動車エネルギー源別内訳、燃費、クリーンエネルギー用ステーション数と位置、燃料コストなど
建物と産業建物屋上の太陽光発電ポテンシャル、建築物ストック、商業・産業の分野別活動(店舗・施設数、電力使用量、分野別順位)、エアコン必要温度(一日の平均気温と、快適とされる華氏65度(摂氏18.3度)との差をエアコン必要温度とし、それを一か月ごとの総和で表し、全国平均と比較したデータ。)など
人口人口、世帯数、収入分布、住宅情報(住宅全戸数及び形態別比率、住宅設備の普及率)など
政策とインセンティブ「エネルギー効率、再生可能エネルギー、交通」に関する政策及びインセンティブ(助成金・補助金など)
ツールボックス「地域エネルギー・ツールボックス(道具箱)」へのリンク
データソース各種データの出典一覧

 たとえば、以下は、「交通」テーマのページにある、「クリーンエネルギー用ステーション数と位置」のデータです。このようなカラーの図表で、各種データが提供されます。

クリーンエネルギー用ステーション数と位置(URLは本稿末尾に記載)

クリーンエネルギー用ステーション数と位置(URLは本稿末尾に記載)

2.ツール2:「地域エネルギー・ツールボックス(道具箱)」の使い方と内容

 ツール2では、具体的な政策策定や取り組みにつなげるために、全米各地ですでに行われている取り組みやケーススタディ、すでに存在する法規制やインセンティブなどを、テーマごとに検索し、詳細内容を知ることができるよう設計されています。

ツール2のトップページ:「地域エネルギーアクション検索:コミュニティのエネルギー政策を学ぼう」
http://apps1.eere.energy.gov/sled/cleap.html

ツール2のトップページ:「地域エネルギーアクション検索:コミュニティのエネルギー政策を学ぼう」
http://apps1.eere.energy.gov/sled/cleap.html

トップページでは、まず左下の「カテゴリー」(Category)のなかから、情報を得たいテーマを選び、その次に「サブカテゴリー」(Subcategory)のプルダウンメニューから、さらに詳しい内容を選択します。カテゴリー及びサブカテゴリーの内容は以下の一覧の通りです。

カテゴリーサブカテゴリー
建築物・効率建築法規・基準・認証、改修・改善、暖房・燃料、情報・透明性、事例、市場投資・財源確保、支援・計画、その他
再生可能エネルギー法規・許可、インセンティブ・財源確保、地域発電、支援、その他
交通・土地利用代替交通インセンティブ・価格決定、法規・施行、貨物・空港、資金提供・事業、より良い交通オプション・インフラ、地域交通、普及・教育、計画策定、その他
その他事例、その他、気候適応
地域活動・事業排出目標設定、建築物、コミュニティへの普及と教育、情報・透明性、活動目標設定、公益事業、事業政策・支援
エネルギー消費・インフラ省エネ・効率、インフラ・発電

 たとえば、「交通・土地利用」(Transportation & Land Use)というカテゴリーを選択し、その次にサブカテゴリーのプルダウンメニューで、「条例・法律・施行」(Codes, Laws & Enforcement)を選ぶと、以下のようなページになります。そこで、ページ右中央の「検索」(Search)ボタンをクリックします(キーワード検索もできます)。

出典: http://apps1.eere.energy.gov/sled/cleap.html#?standard_action_category_id=&standard_action_subcategory_id=&query=

 すると以下のページに移動します。
 左側の一覧は、選択されたカテゴリー「交通・土地利用」とサブカテゴリー「条例・法律・施行」に関するテーマの一覧です。そのテーマ別に、具体的に何事例検索できるかが、数字(Resources)で書かれており、興味のあるテーマをクリックすることで、全事例の見出しが現れます。その中から、具体的事例を選択してクリックすると、ページ右にその内容が簡単に説明され、その下の「資料へ」(Go To Resource)ボタンをクリックすることで、その事例のHP等に移動して、詳細を知ることができるようにリンクが貼られています。

出典:http://apps1.eere.energy.gov/sled/cleap.html#?standard_action_category_id=3&standard_action_subcategory_id=15&query=

上記の検索結果は以下の通りです。(★が選択した内容)
★エネルギー目標のための並列駐車要件――2事例
持続可能なコミュニティ戦略:カリフォルニア・コミュニティタイプ別ガイドブック
★駐車スペース/コミュニティプレイス:スマートグロース手法でバランスをとる
交通と渋滞のコントロール――5事例
自動車排出削減のための反アイドリング対策――9事例
建物基準法における電気自動車充電インフラ整備建築物――1事例
速度制限の変更と施行――事例なし
自動車排出削減の支援と基準――1事例

上記★印の具体的内容として、ページ右側に紹介された内容は以下の通りでした。

出典:環境保護庁(EPA)、政策ガイド・ベストプラックティス、2006年
内容:本資料には、コミュニティが新しい柔軟な駐車政策を策定する上で参考になる方法が記載されています。その政策は、都市の成長を促す一方で、他の需要と駐車スペースへの需要をバランスさせるものである必要があります。



 以上、二つのツールが提供している内容とその使い方を簡単に紹介しました。
 エネルギー関連の様々な課題に向き合うなかで、よりよい成果を上げるには、より多くのデータを持ち、各主体が取り組んできた様々な事例等から学ぶことが近道かもしれません。いろいろなところに散らばっている情報を一元化したオープンデータが、今後ますます増えてくることを期待したいと思います。



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