【第77回】食物ロスを減らして、「5000人に食事を」

1.食品ロスのカーボンフットプリント

温室効果ガス総排出量(LULUCFを除く)の上位20か国と、食品ロスによる排出量の比較
(2011年のデータをもとにFAO算出)

2.19万人に無料の食事を提供してきた、「5000人に食事を(Feeding the 5000)」

@ブリュッセル(ツールキットから転載)
@ニューヨーク(ツールキットから転載)
@アテネ(ツールキットから転載)

3.各地で「5000人に食事を」イベントを導入するためのツールキット

【「5000人に食事を」イベント開催のための10の原則】

  1. 誰でも参加できること。
  2. 本来なら食べられるのに廃棄されている食品のみを利用すること。
  3. 農地から食卓までの食品ロスについてメッセージを送る場であること。
  4. 前向きに解決策を探る場であること。
  5. 環境負荷を減らし、食品を無駄にしないこと。
  6. 民間企業との共催にはしないこと。
  7. 様々な地域団体と協力すること。
  8. 節約すること。
  9. 創造的に楽しむこと。
  10. 知見を伝えること。

 なかでも、6番目の「民間企業との共催にはしないこと」という原則には、「人は企業の関わりがないほうが、自らの力を最大限に発揮しようとする」、というFeedbackの信念がこもっています。これは企業との協力関係を拒むということでは決してなく、様々な支援・寄付を受けても、企業名は表には出さないという合意をそれらの企業と取り付けているのです。HPなどで感謝の辞を述べる程度に留めることで、このイベントの趣旨があくまでも市民から市民へのメッセージだという姿勢を貫こうとしています。

 その他にも、ツールキットには、これまでの開催イベントを例にとりながら、準備スケジュール、予算、開催地、会場設営、免許・許可申請手続き、保険、食品確保、機材、食品管理、安全性から、サイドイベント、食事の提供方法、ボランティア、料理レシピまで、各項目について細かく説明されています。その一部を以下に紹介しましょう。

実施までの準備スケジュール
内容実施時期
実行委員会の設置:食品ロス等について活動している地域の3~10団体が実行委員会に参加することが望まれる。4か月前
場所の確保、イベント開催に必要な許認可の手続き開始、予算の決定。3か月前
食品の確保:一回のイベントには、本来なら捨てられてしまう1,000キロほどの食品が必要。まずは供給業者や店舗のデータベース作りから。3か月前
広報:イベントの主要メッセージ、デザイン等の決定、記者発表。3か月前
調理計画:メニューから調理方法や提供の仕方までを決定。6週間前
ゲストスピーカー(自治体の首長など)、参加アーチスト、DJ、司会者などの決定。2か月前
ボランティア募集:必要なボランティアの数を割り出し、ボランティアのチームづくり(ボランティアは、一日のイベントで通常100名ほど。宣伝、食品の確保から、調理・加工、配膳、給仕まで、様々な役割を担う。)2か月前

 当日は、早朝5時ごろからテントやステージの設営を開始する例が多く、食事は昼食としてふるまわれます。最も人気のあるメニューは野菜カレー(以下にレシピを紹介)。調理は開催場所によって、その場で調理する場合と、他の場所で調理して運び込む場合がありますが、いずれの場合も多くのボランティアがそれに協力します。

調理を手伝うボランティアと野菜カレー(ツールキットから転載)

野菜カレーのレシピ
以下の基本食材に加えて入手できた食材を自由に加える
ジャガイモ300 kg
120 kg
カリフラワー150 kg
人参100 kg
エンドウマメ100 kg
トマト80 kg
キャベツ80 kg
ズッキーニ―15 kg
コリアンダー(オプション)80 kg
レンズマメ80 kg
バター7 kg
パリでのパレード
ワシントンDCでのシェフのデモンストレーション
フロントレンジ(アメリカ)での子どもたちの路上お絵描き。(ツールキットから転載)

★★★

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