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2014.09.25

第4回中央区:総合環境講座の開催で区民の環境意識啓発と実践行動を促す ~より広い層への波及や講座後のつながりのための仕組みづくりをめざして

  当プロジェクトの助成金を活用した都内62市区町村の環境事業の取り組み状況について順番に紹介する「環境事業紹介」のコーナー。
 第4回は、中央区で平成21年度から開催している「中央区総合環境講座」の取り組みについて紹介します。今年度からは、昨年11月に京橋駅前に開設した中央区立環境情報センターが会場となり、普及啓発講座にとどまらないより効果的な講座をめざして取り組んでいます。

江戸の経済・文化・交通の要衝・京橋に立地する中央区立環境情報センターで開講する区の「総合環境講座」

京橋駅前ビル6階の一角にある「中央区立環境情報センター」

京橋駅前ビル6階の一角にある「中央区立環境情報センター」

 昨年(2013年)4月、地下鉄京橋駅の3番出口に直結して東京スクエアガーデンが開設した。国土交通省の平成22年度第一回住宅・建築物省CO2先導事業採択案件として、太陽光発電や地中熱利用、BEMS【1】などさまざまな最先端の環境技術を結集し、既存の同規模の事務所と比べてCO2排出削減約45%をめざすという。かつて、江戸の経済・文化・交通の要衝として発展し、現在もオフィスビルが立ち並ぶビジネス拠点である京橋に誕生したこのビルの6階フロアは、全体が「京橋環境ステーション」として、最先端の環境技術の紹介をしている【2】
 中央区立環境情報センターは、その一角に開設され、環境活動展示や研修室・交流室など区民の環境情報及び活動の拠点施設となっている。
 平成17年度に「環境学習講座」として始まり、平成21年度からは現在の「中央区総合環境講座」に形を変え、この環境情報センターの研修室を会場にして開講している。
 「総合環境講座は、春に家庭向け講座、秋には事業者向け講座を、それぞれ全8回の連続講座として実施しています。これまでは区役所の会議室で開講していましたが、昨年(2013年)6月、 環境情報センターのオープンに伴い、センターの研修室で開催するようになり ました。今年度、講座後のフォローアップなども含めて全体の組み立てを見直 して、総合環境講座をセンターの事業として改めて位置付けました」
 そう話すのは、環境情報センターの担当でもある環境推進課環境活動係の大熊勇樹さん。今の職場で2011年度から環境事業に携わるようになったが、さらに今年度からはセンターの事業として位置づけられることになった総合環境講座も担当することになった。

さまざまなテーマを取り上げて、区民の環境意識向上をめざす

 総合環境講座は、区内在住・在勤・在学者たちの環境問題に対する理解を深めるとともに、地域で率先して環境の問題に取り組む人材の育成をめざして、さまざまなテーマ設定によって総合的に環境問題について学ぶものだ。もともと東京都が、地域における環境学習活動や環境保全活動を率先して行うリーダーを育成することを目的として1994~2003年度にかけて実施していた「環境学習リーダー講座」の事業終了を受けて、中央区でも2005~2008年度にかけて環境学習講座を実施。その後、2009年から総合環境講座による環境人材育成の事業に移行したという経緯がある。

 総合環境講座は、春と秋にそれぞれ家庭向けと事業者向けの2講座を開講し、1講座につき各8講義で構成。開講日は週に一度、平日の18時半から20時半の2時間を基本に開講し、各回を前後半に分けて、複数の講師による講義や事例紹介などが設定されている。在勤・在学者も無理なく通えるような時間設定だ。全8回のうち1回は屋外学習を入れて、土曜日の日中に開催している。定員は約30名。
 各回のテーマは、例えば2014年度の家庭向け講座の場合、ヒートアイランド現象と緑の効果、水質の問題と東京の水辺のかかわり、地球温暖化と生物への影響や異常気象、持続可能な社会に向けた3Rの取り組み、省エネ・節エネと暮らしに取り入れる自然エネルギーなど、多岐にわたる。終盤の第5回には屋外学習を実施。土曜日の1日をかけて、午前中に区内の街なみウォッチング、午後は環境学習施設を見学した。最後の2講座(第7・8回)では、それまでの講座で学んだことの振り返りと、夏の間の環境活動への挑戦(第7回)及び約1か月後のフォローアップ(第8回)と、単に講義を聴くだけにとどまらない発展的内容を盛り込んだ(下図参照)。
 一方、事業者向け講座では、空調や照明などオフィスの省エネ活動に関する基本的な知識やノウハウについて紹介する。事業者限定というわけではなく、区民の参加も可能だが、家庭受け講座よりも絞り込んだ内容の実践的な講座が特徴だ。

2014年度総合環境講座(家庭向け)のプログラム概要。8回中6回以上の出席で修了証が授与される。
2014年度総合環境講座(家庭向け)のプログラム概要。8回中6回以上の出席で修了証が授与される。
※クリックで別ウインドウが開きます(PDF:1.463KB)

2014年度総合環境講座(事業者向け)のプログラム概要。今年度は全8回を4講座ずつ2コースに分けて開催することにした。もちろん、両コースを受講することもできる。
2014年度総合環境講座(事業者向け)のプログラム概要。今年度は全8回を4講座ずつ2コースに分けて開催することにした。もちろん、両コースを受講することもできる。
※クリックで別ウインドウが開きます(PDF:1.463KB)

 「この講座は、環境問題に関する体系的な知識を提供するとともに、環境活動のための実践的な行動を身につけるための機会提供を目的としています。屋外学習では、バスを借り上げて、遠出することもあって、2013年度には千葉県柏市にある『柏の葉スマートシティ』【3】の見学に行きました。スマートシティの理念や概念を学び、同地で導入されている技術や設備を実地に見て、近い将来に実現される近未来の街の仕組みやライフスタイルについて学ぶ内容です。全8回の講座を通じて体系的に学べて有意義だったとの感想もいただいていますが、課題も残ります。その一つが、受講者層の広がりです。講座の参加者の多くはそもそも環境に関心の高い人たちで、過去に総合環境講座を受講したリピーターもいます。繰り返し学習することで、学びの対象を広げたり、より深く学んだりしていただく一方で、より広い層の方々に受講していただけるようにもしていきたいのです」

総合環境講座。環境情報センターの研修室を会場に開催。 総合環境講座。環境情報センターの研修室を会場に開催。

総合環境講座。環境情報センターの研修室を会場に開催。

総合環境講座の屋外学習。左は街なみウォッチング、右はすみだ環境ふれあい館 雨水資料室の見学。
総合環境講座の屋外学習。左は街なみウォッチング、右はすみだ環境ふれあい館 雨水資料室の見学。

総合環境講座の屋外学習。左は街なみウォッチング、右はすみだ環境ふれあい館 雨水資料室の見学。

総合環境講座をきっかけに、率先して区内の環境の取り組みにかかわる人たちを増やしていくための仕組みをつくっていきたい

 講座の参加者を広げていくのと同時に、講座を受講した後の実践的な取り組みを促していくことも課題の一つだ。
 「事業者向け講座の場合は“人材育成”とはちょっと目的が異なりますが、家庭向けの講座は、もともと人材育成を目的にした事業です。ただ、講座を受講するだけでは受け身で終わってしまいますから、講座後の主体的な実践活動へとつなげていくのが課題です。講座を受けた後につながるような仕組みを作れていないんですね。環境情報センターでも様々な講座やイベントを開催していますから、これらとうまく連動させながら、総合環境講座の受講生が講座後に自分たちで活動できるようなフォローアップの仕組みを講座として組み込んでいきたいと考えています」
 今年度、家庭向け講座では、最後の2回(第7・8回)をフォローアップとステップアップの講座として位置付けたのもそうした試行の一環だ。第7回を終えたあと、第8回の講座は1か月後になる。夏休みの間に取り組むことを第7回の講座の中でそれぞれが宣言し、最終回の第8回でその経験を踏まえた意見交換で学習を深めていこうというねらいだった。これまでも最終回の第8回を振り返りの回に充てていたが、より主体的な関わりと実践活動を求める講座内容に改めた。

 

 取材に伺った時、ちょうど秋からの事業者向け講座の準備をしているところだった。
 「中央区、特に環境情報センターのある京橋は、オフィスビルの真っただ中にあって、居住者よりも事業者の方が多い土地柄です。中小企業も多いので、総合環境講座を中心にうまく誘導して、企業活動の中に環境のことを取り入れていただけるよう、連携してやっていきたいと思っています。今の時点ではあまりシステマチックにはできていませんから、そんなところも今後の課題です。この秋に開催する事業者向け講座では、4回×2コースに分けて実施することにしました。8回連続講座だと、なかなか通して参加するのが難しいという声もありました。それぞれ「環境・CSRコース」と「省エネ対策コース」としてテーマを絞り、参加者の関心や専門に応じて受講してもらいます。もちろん、両講座に参加してもらっても構いません」
 事業者向けの講座は、10月8日(水)の開講だ。1週おきに両コースの講義が実施され、ラストの第4回には屋外学習を予定している。

瑞穂町都市整備部建設課公園係の田中俊輔さん。

話を伺った、中央区環境推進課環境活動係の大熊勇樹さん。

脚注

【1】BEMS(Building Energy Management System)
 建築物のエネルギー管理システムのこと。エネルギー管理システム(EMS)とは、センサーやIT技術を駆使して、電力使用量の見える化(可視化)を行うことで節電につなげたり、再生可能エネルギーや蓄電池等の機器の制御を行って効率的なエネルギーの管理・制御を行ったりするためのシステム。対象によってHEMS(家庭のエネルギー管理システム)、BEMS(建築物のエネルギー管理システム)、FEMS(工場のエネルギー管理システム)、CEMS(地域のエネルギー管理システム)などと称される。
【2】京橋環境ステーション
 東京スクエアガーデン6階に開設した、最先端エコの知恵“エコチエ”をみんなで学び・知り・広げるエコ拠点。  地域全体の省CO2化を推進するため、個別の省CO2への取り組みの相談窓口となる「エリアエネルギーマネジメント(AEM)センター」、東京スクエアガーデンの環境技術をはじめとした最先端の環境技術を展示する複数の企業ショールーム「エコテクカン」、「中央区立環境情報センター」の3つの機能により、多様な環境情報を発信し、環境活動を支援している。
【3】柏の葉スマートシティ
 千葉県柏市にある「学術研究都市・柏の葉」は、2011年12月に内閣府より「総合特区」「環境未来都市」に選定された街。  この地で進むスマートシティ構想は、行政機関、大学や研究機関、民間企業などの「公・民・学」が連携して、「環境共生都市」「健康長寿都市」「新産業創造都市」という3つの取り組みによって、安心・安全・サスティナブルなスマートシティの実現をめざして取り組んでいる。

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年に一度の環境活動団体の活動報告・紹介の機会として ―杉並区「すぎなみエコ路地フェスタ2020」
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《国分寺市制施行55周年記念》第15回 国分寺市環境シンポジウム『緑あふれるまちを目指して ~都市農地の保全・活用~』
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第9号
埋立てが終了した最終処分場で、日本の原風景の秋を楽しむ―秋の谷戸沢処分場自然観察会
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