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2018.05.24

第47回清瀬市:陸と川の両方を会場に、来て見て体験し、再確認するための場を提供(きよせの環境・川まつり)

 「みどり東京・温暖化防止プロジェクト」の助成金を活用した都内62市区町村の環境事業の取り組み状況について順番に紹介する「環境事業紹介」のコーナー。第47回は、清瀬市が毎年7月の夏休み最初の土曜日に開催している「きよせの環境・川まつり」について紹介します。
 清瀬市内を流れる柳瀬川のある桜並木の公園と川の中の両方を会場に開催しているこのイベントは、市内最大の環境イベントとして、約7千5百人が集まってきています。
 同イベントの特徴や意義と課題等について、担当者より話を伺いました。ぜひご一読ください。

 ※本記事の内容は、2018年5月掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

柳瀬川の土手沿いに連なる桜並木の公園を舞台に、毎年夏に開催している「きよせの環境・川まつり」

 清瀬市は、北多摩エリアの最北端、武蔵野台地の手前にある平坦部に位置している。埼玉県との県境に突き出るような格好で、北に所沢市、東に新座市が挟み込むように接しているほか、都内の市では、東村山市と東久留米市に隣接している。所沢市との境にほぼ沿うように流れているのが、荒川水系の一級河川、柳瀬川。その柳瀬川流域で、毎年7月の夏休み最初の土曜日に開催しているのが、清瀬市で最大の環境イベント「きよせの環境・川まつり」だ。
 会場となる台田運動公園は、柳瀬川の土手沿いの約1.3kmの間に約150本の桜並木が連なる桜の名所として知られ、春先の開花時期には見事な花のトンネルをつくり、市民の憩いの場となっている。

 2017年の「きよせの環境・川まつり」は、“環境保全の大切さを 来て・見て・体験しよう!!”をテーマに、7月22日(土)の10時から15時の会期で開催され、当日は約7千5百人が来場した。
 会場は、大きく、川と陸の2つに分かれて、川の中に入って、ペットボトルを活用したボート遊びやいかだコンテストなどを通じて川と親しむとともに、陸の会場では環境関連のクイズやスタンプラリー、パネル展示など30団体が出展するブースを巡って、楽しみながら環境保全の大切さを学ぶ機会を提供した。
 「もともとは、環境と川のイベントをそれぞれ別々に開催していましたが、役所の組織改正があって同じ課になったため、集客面やアピールの面からも分散させず合同で開催した方が効果的ということで、いっしょに開催するようになりました。柳瀬川をはじめとする市内を流れる川も、下水道整備により、かつての汚い川から徐々にきれいになってきていますから、川のイメージアップというのも目的のひとつにしています」
 毎年夏先に「きよせの環境・川まつり」として開催するようになって5年が経つ。それ以前にも、環境と川のイベントを別々に開催していた時代から通算すると、10年ほどになるという。
 清瀬市都市整備部水と緑の環境課の金子雅広課長と主事の佐々木透さんに話を聞いた。

2017きよせの環境・川まつりのチラシは、8千枚を印刷した。裏面には会場地図を掲載。台田運動公園の園路沿いにブーステントが立ち並ぶ陸の会場は、本部ブースをはじめとする出展団体のパネル展示が軒を連ねるAブロックと、主に飲食ブースが並ぶBブロックに分かれる。川遊び会場への受付や仮設の更衣室はAブロックに設置され、ボート遊び体験など、川の中に入るプログラムが用意された。 ※画像をクリックするとPDFが開きます [左:844KB 右:5.94MB]

実行委員会の協力で、事前に50台のペットボトルボートを準備

 2017年の環境・川まつりで、川のイベントとして実施したのは、10:15~11:00と11:15~12:00の2回に分けて実施した「ボート遊び体験」、小学生限定で透明で大きな球状のビニールボールの中に入って水面に浮かんで遊ぶ「ウォーターバルーン体験」、そして事前申し込みをした団体が自作のいかだを浮かべて競い合う「いかだコンテスト」(12:40~13:20)。
 「ボート遊び体験は、浮き輪ボートなどではなくて、2リットルのペットボトル12本を組み合わせて作ったボートに1人ずつ乗って、流れを堰止めた川をボートで流れていきます。再利用したペットボトルで水に浮く経験をしてもらうのですね。高校生ボランティアが川の中に入って、川流れの安全を見守るとともに、下流に着いたボートを上流に運んでいく役割も担ってもらいました」
 河川は東京都の管理になるため、当日朝に都の方で土嚢を積んで堰止めて、イベント終了後はすぐに撤収。その日限りの堰止め川遊びとなる。
 その2~3日前には、市職員と実行委員や保護者の会の協力で、川の清掃もしている。
 ペットボトルボートの準備も実行委員会の協力で作製し、事前に50台ほどを用意している。毎年恒例のイベントなので、すでに作ってあるものの補修をしたり、埃が被っているのを洗ってきれいにしたりするのが主な作業だ。ペットボトルボートは、2リットルのペットボトル2個を6セットつなげたようなもので、1台に1人が乗船する。

ペットボトルで作ったボートに乗って、堰止めした川の上流から下流に向けて流れていく「ボート遊び体験」

ペットボトルで作ったボートに乗って、堰止めした川の上流から下流に向けて流れていく「ボート遊び体験」

ウォーターバルーン体験(小学生限定)は、透明なビニールのボールに包まれて、川面を転がっていく

ウォーターバルーン体験(小学生限定)は、透明なビニールのボールに包まれて、川面を転がっていく

 午後に開催される「いかだコンテスト」は、市民の参加者が、環境に配慮した素材を使って創意工夫を凝らした「いかだ」を作るというもの。先着10チームを募集していて、毎年、子どもチームから大人のチームまで幅広い参加があるという。
 「コンテストなので、タイムを競うレースではなく、環境にやさしい材料を使っていかだを作り、アイデア、ユーモアを競う、品評会のようなものです。いかだを設計するに当たっては、金属類やガラス類などの危険な材料、水に溶け出す塗料など水質に悪影響を与えるような素材を使用しないで作ってもらうようにしています。コンテストの審査は、5人の審査員が、アイデアのユニークさやデザインの格好よさ、かわいさ、親しみやすさ、また川を流れるいかだ本来のパフォーマンスなどを採点項目にして、審査しています」
 距離100m・水深40~50cmに区切ったコンテスト実施エリアを各チームのいかだが思い思いに流れていく。審査の結果、アイデア賞やユーモア賞、ファミリー賞、「環境・川まつり」賞などの賞を設けて、表彰するとともに、副賞として協賛企業等から提供してもらった景品などが贈呈される。

川面に浮かぶ、いかだコンテストの参加チームたち。

川面に浮かぶ、いかだコンテストの参加チームたち。

いかだコンテスト「環境・川まつり賞」受賞チーム(「三小ラボ」チーム)。

いかだコンテスト「環境・川まつり賞」受賞チーム(「三小ラボ」チーム)。

“富士山が またがるような 柳瀬川” ──当日は、川柳コンテストの表彰式も実施

 一方、陸の会場では、企業や行政、市民団体など、2017年は30団体がブースを出展した。「柳瀬川の今と昔」「柳瀬川の魚展示」「雑木林の若返り」など地域の自然・生物について展示するものもあれば、「世界の環境」「失われつつある生物多様性」などよりグローバルなテーマを取り上げるところもある。「市内の放射線量」「水道なんでも相談」「子どものアレルギー問題」「見て!使って!石けんのススメ」など生活環境や健康をテーマにするブース、企業の環境の取り組みをアピールするブースなどもある。雑貨類の回収とリサイクル相談、小型家電の臨時回収のブースもあって、当日に市民が持ち込むものの回収拠点になっていたりもする。不要になった育児用品やおもちゃやぬいぐるみ、かばん、靴・食器類などの無料回収や、リサイクル家具の展示・販売も行っている。
 パネル展示などの出展はAブロック主体で、人混みも多く、にぎわっている。飲食ブースを中心にレイアウトされたBブロックは、比較的余裕のあるスペースの中で、広場も使えるため、あえてBブロックでの実施を希望する団体もあったという。
 各ブースで1問ずつ出題されるクイズを解いて回る「クイズラリー」も実施している。例えば、「柳瀬川はどこからどこまで流れている?」など、ブースの出展内容と連動したクイズが出題された。

 ブースを巡る以外にも、清瀬の自然を守る会が「柳瀬川の名木・巨木を訪ねて」というテーマで実施した自然観察会や、市内の小学校や広く一般市民に呼びかけて募集した川柳コンテストも実施している。川柳なので季語はいらないが、環境(川)にちなんだ5・7・5の17音になるように作品作りを呼びかけた。
 2017年は、市内の小学生273名から640句の投句があり、金賞に選ばれたのは、「富士山が またがるような 柳瀬川」。このほか、銀賞に「川まつり 夏の思い出 清瀬っ子」、銅賞に「さらさらと 川のマラカス なっている」が選ばれ、当日会場にて表彰された。

台田運動公園内の陸の会場。桜並木の公園で、木陰の中に展示ブースが設置され、緑陰が涼しい。
台田運動公園内の陸の会場。桜並木の公園で、木陰の中に展示ブースが設置され、緑陰が涼しい。

台田運動公園内の陸の会場。桜並木の公園で、木陰の中に展示ブースが設置され、緑陰が涼しい。

魚や昆虫とのふれあい体験

魚や昆虫とのふれあい体験

川柳コンテスト

川柳コンテスト

スタンプラリーの景品として配った、星座トランプ。

スタンプラリーの景品として配った、星座トランプ。

川の体験活動は、リスク管理が最大の課題

 きよせの環境・川まつりは、毎年7月の開催に向けて、年間9回の実行委員会を開催して、準備を行っている。
 「実行委員会の立ち上げは、前年の11月になります。開催後の8月にふりかえり兼反省会を開催して締めていますから、ほぼ一年がかりになっています」
 初回は、開催日や内容の検討を行い、年度が明けて春先にはブースの募集を開始するとともに、チラシ・ポスターの写真やデザインの選定を行う。高校生ボランティアの協力要請もこの時期からだ。当日は、総勢50~60人もの高校生がボランティアとして活躍しているという。
 「川のイベントでは安全対策のため、子どもたちにライフジャケットを着用してもらっています。また、実行委員メンバーだけでは大人の目が足りない状況です。そのため、高校生たちにも、川の中で子どもたちの安全を見守ってもらいます。このほか、人手の足りないブースの手伝いや本部の運営も手伝ってもらっています」
 参加する高校生たちにとっても、奉仕の課外授業として、単位になる。

   川の体験イベントは、晴れて暑い日には爽快感はひとしおだ。一方で、曇った日などは夏とはいえ水温も冷たく、体も冷える。また、前日に大雨が降ったり台風が襲ったりした場合には、川のイベントを全面的に中止することも想定しておく必要があるなど、天候や気象状況に左右される面も大きい。
 「水量が増えると、何が流れてくるかわかりませんから、安全面を最優先していかなくてはなりません。前日に川の清掃もして、危険なものが流れ着いていないか確認して、あれば除去しています」
 川の楽しさを知ってもらい、川に親しんでもらうために実施している川の体験イベントだが、万が一にも怪我や事故が起きてしまったら、人命にかかわる危険もあり得る。安全なイベントとして運営することが最大の課題だ。

 一方、こうした川の体験の楽しさとともに、企業や市民団体の地球温暖化対策やごみ対策などをアピールしながら、環境に配慮した商品や取り組みをPR・啓発していくのも重要な役割になる。今後は、環境面のアピールによって人が集められるようなイベントにして、市民にリサイクルを心掛けるといった行動の呼びかけをしていきたいと、金子さん、佐々木さんは話す。

Aブロックの入口に設置された「きよせの環境・川まつり」の横断幕。

Aブロックの入口に設置された「きよせの環境・川まつり」の横断幕。

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