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2016.03.04

かれん と シーナの『エコ質問箱』 質問1

質問1:「バイオマス」って、なんのこと?

かれん
さあ、「エコ質問箱」のはじまり、はじまり! 今回は、私から質問をさせてもらおうかしら。
シーナ
OK! じゃあ、何でも聞いてよ。
かれん
あら、シーナが答えてくれるの?
では質問です。最近「再生可能エネルギー」って、よく聞くんだけど、何のことか教えてくれる?
シーナ
再生可能エネルギーっていうのは、石油・石炭・天然ガスなど採り尽くしちゃったらなくなってしまう「化石燃料」に対して、太陽光発電や風力発電など太陽の光や風など自然の力がある限りなくならないエネルギーのことだよ。「自然エネルギー」とも言われるんだ。他にも、バイオマスとか地熱発電などがあるよ。
かれん
そうそう、その「バイオマス」がよくわからないのよ。なんか木を燃やしたりするんでしょ。燃やしたらCO2が出るんじゃないの?
シーナ
うん、ちょっとわかりにくいかもしれないね。昔から使われている薪や炭などを思い浮かべたらイメージしやすいと思うんだけど、バイオマスを燃やしてエネルギー取り出す時に放出されるCO2は、もともとは生物が育っていく過程で、光合成によって大気中から吸収して取り込んだものだよね。だから、燃やしたりしてCO2として大気中に放出されても、元に戻るだけで増えているわけじゃないんだよ。
かれん
え、それじゃあ、化石燃料は違うの?
シーナ
化石燃料も太古の昔の大気中のCO2が吸収・固定されたものなんだけど、ものすごく長い期間をかけて溜まったものだから、それを今の時代に一気に使っちゃうと、吸収・固定←→放出のバランスが取れなくなっちゃうのが問題なんだ。
かれん
なるほどね。
ところで、なんで「バイオマス」なんてわかりにくい言葉を使うの? 薪や炭って言えばいいじゃない。
シーナ
生物資源(バイオ)の量(マス)というのは、木材などだけじゃなくていろいろあるんだよ。例えば、家畜の糞尿とか食べ残しや食品クズなどもバイオマスの一種なんだよ。
家畜のふんなんかは、燃料のない国や地域では、今でも乾燥させて炊き出しに使ったりしているし、先進国ではもっと工業的にエネルギー生産に利用しようと開発が進んでいる。下水処理場に溜まる下水汚泥からもエネルギーが取れると注目されているし、稲や麦のワラとか、サトウキビから汁を絞ったあとのカスなどの未利用資源や、資源作物として栽培されるトウモロコシなどもバイオマスなんだ。
かれん
へえ、いろいろあるのね。ちょっと賢くなった気分。
でもなんかちょっと難しそうだわ。
シーナ
だからこそ、薪ストーブなど身近に使えるバイオマス燃料が注目を集めているんだ。
ぼくの生まれ故郷の里山も、薪を使う暮らしがなくなって荒れてしまったけど、最近はボランティアの人たちが整備してくれるようになって、生き生きしてきたんだ。育ちすぎた木をちゃんと切って、使ってもらえれば、森もよみがえる。だから、もっと木を使ってほしいんだ。その方法の一つが、薪ストーブなどバイオマス燃料としての活用なんだよ。
かれん
お父さんに言って、うちにも薪ストーブを入れてもらおうかしら…。

Question

かれん
さて、最後に問題です。今日は、「バイオマス」という言葉について勉強しましたが、次のうち次のうちバイオマスといえるのはどれか、わかりますか? シーナの説明にもあったので、皆さんはもうおわかりですよね?
  • A1 サトウキビを発酵させてつくるエタノール
  • A2 天然ガスから作った水素ガス
  • A3 風力発電で作った電気

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解説

シーナ
答えは、A1のサトウキビを発酵させてつくるエタノール。
天然ガスは化石燃料の一種だよね。
風力発電で作った電気は再生可能エネルギーだけど、バイオマスではない。
正解だった人も間違えた人も、おさらいしておいてね。
じゃあ、また次回!

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