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2017.07.07

かれん と シーナの『エコ質問箱』 質問17

質問17:日焼けして黒くなるのって、健康的?

シーナ
暑くなってきたよね。今日の気温は35℃になるって!
かれん
日射しも強くなってきたから、日焼けしちゃいそうだわ。
シーナ
かれんも、もう少し焼けた方がいいんじゃない? 真っ黒に日焼けしていると、いかにも元気なイメージだよね。
パパ
う~ん、日光に当たることで、皮膚でビタミンDが生成されたりするからいい面もあるんだけど、紫外線に当たりすぎるのは要注意なんだよ。炎天下で真っ黒に焼けるのが健康的というのは一昔前のイメージで、今は長袖を着たり帽子をかぶったり、日焼け止めを塗って紫外線を防ぐのが基本だよ。
かれん
え、そうなの? 知らなかった…。
シーナ
そういえば、フロン類によってオゾン層が破壊されて、紫外線が増えているって聞いたけど、ほんとなの?
パパ
そうなんだよ。
地上から10~50km上空の成層圏と呼ばれるところに、オゾン(O3)が豊富な層があって、これを「オゾン層」という。オゾンは酸素原子3個からなる化学作用の強い気体だから、生物にとって有害な太陽からの紫外線の多くを吸収してくれるんだ。
かれん
そのオゾン層が破壊されているんでしょ。オゾンホールだっけ?
パパ
そう。毎年、南半球の冬季から春季に当たる8~9月頃に南極上空のオゾン層が急速に濃度を減らして、周辺に比べて穴があいたようになることからオゾンホールと呼ばれている。ただ、10月頃からオゾンホールが小さくなり始めて、毎年11月下旬には穴がふさがっているらしいよ。
シーナ
フロン類なんて使わなければいいのに。何に使われているの?
パパ
かれんは、フロンって聞いたことないかい?
かれん
ええと、エアコンや冷蔵庫の冷媒に使われているんでしょ。うちの冷蔵庫はノンフロンって書かれていたはずよ。
パパ
ノンフロンはフロンを使っていない製品という意味なんだ。
フロン類は、人体等への毒性もないし、不燃性で金属を腐食させることもない、化学的に安定な物質として重宝されたんだよ。まさかオゾン層を破壊することなんて想像もしなかったからね。エアコンや冷蔵庫の冷媒の他、半導体の洗浄剤などさまざまな用途に使われてきた。
シーナ
そんな“すぐれもの”のフロンが、どうやってオゾン層を破壊するの?
パパ
安定な物質だからこそ、大気中に放出されたあともほとんど分解されないまま上空の成層圏まで達して、拡散する。高度20kmくらいに至って、太陽の強い光に当たることで分解されるんだけど、このとき放出される塩素分子がオゾン層を破壊することになる。
ウィーン条約やモントリオール議定書など国際的な枠組で生産や消費、貿易などが規制されて、新しい機器には使われないようになってきているけど、古い機器に入っているフロン類を大気に放出しないようにきちんと回収することも課題になっているんだよ。
シーナ
へえ、そうなんだ…。でも、紫外線自体はもともと太陽から降り注いでいるんだよね。
パパ
そう。大気中の汚染物質などがなくなってきれいになると紫外線量も増えたりするよ。
かれん
紫外線対策として、私たちは何をすればいいの?
パパ
太陽の光は、波長の長さで赤外線、可視光、紫外線(UV)に分類されるのは、かれん・シーナも習ったかな?
紫外線はさらに、長波長域のUV-A、中波長域のUV-B、短波長域のUV-Cに区分される。波長が短いほど生体への悪影響は強くなるけど、一方で、短波長の光ほど成層圏オゾンや大気で吸収されて、地表に届く確率は小さくなる。最も危険なUV-Cは地表に届く前に吸収されるし、UV-Bも多くはオゾン層などに吸収されて地表に届く量は減る。ただ、完全には遮られないんだ。紫外線対策は、主にこのUV-Bが大事なんだよ。それとUV-AもUV-CやUV-Bに比べると影響は小さいけど、長時間当たると肌などに影響が出るから気を付けた方がいい。
かれん
日焼け止めのクリームやローションに「SPF」とか「PA」ってあるじゃない。あれはどういう意味なの?
パパ
SPFは“Sun Protection Factor”の略称で、紫外線防御指数ともいう。主に、中波長のUV-B(B領域紫外線)の防止の目安になる数値で、効果としてはシミやそばかすを防いでくれることになる。
シーナ
かれんの日焼け止めには「SPF50」って書いてあるけど、これはどのくらい効果があるの?
パパ
「SPF50」というのは、塗らなかった場合に比べて50倍の紫外線が当てることで翌日赤く焼けるっていう意味なんだ。
シーナ
つまり、50倍の紫外線を防いでくれるわけだね。じゃあ、日焼けして黒くなっても、4時間も日に当たれば、かれんが1時間くらい外に出て真っ赤になったのと同じくらいのダメージを受けているってこと?
パパ
SPFは時間というより防御力の強さを表す指標なんだ。紫外線が当たり始めてから日焼けするまでには個人差もあるけど、だいたい15分から20分と言われている。SPFは、何も塗っていない皮膚と塗ったところの皮膚が赤くなるまでの時間差で評価しているから、SPF50の日焼け止めを塗っておけば、何も塗っていない場合よりも50倍ほど日焼けが起こるのを遅らせる効果があるということだ。
かれん
じゃあ、なるべく数値の高い日焼け止めを使って、紫外線除けを心掛けろってこと?
パパ
SPFの値が高い方が紫外線から守ってくれる効果は高いんだけど、日焼け止めに含まれる成分は肌荒れや乾燥肌の原因になったりすることもあるから、必要最小限のものを選ぶのがベストだ。それと、時間が経つとともに効果も減っていくから、こまめに塗りなおすことが大事なんだよ。
シーナ
もう一つ「PA」というのもあるよね。「PA+++」なんて書いてあって、「+」が多い方が効果が高そうだけど、これはどんな効果があるの?
パパ
PAは、“Protection grade of UV-A”といって、長波長のUV-A(A領域紫外線)に対する効果を表す指標なんだ。+が多いほど効果が高くて、最大「++++」とプラスが4つ付くものがある。UV-Aは皮膚を黒くするんだけど、シワやたるみの原因にもなるから、気にする人は「+」が多いものを選ぶようだね。
シーナ
でも、これも同じく、効果は高い分、肌への負担も増していくわけだね。
かれん
活動状況に応じた適切な利用がポイントね。
パパ
その通り! 2人ともわかってきたね。
かれん
まあね! 私も紫外線対策をばっちりして、ちょっとずつ女子力を高めていきたいな!

Question

シーナ
ではここで、紫外線対策についての○×問題です。それぞれ、「はい」か「いいえ」で答えてください!
  • ・水の中では日焼けしない
  • ・曇った日には日焼けはしない
  • ・炎天下で活動していても、途中で定期的に休憩すれば日焼けしなくなる
  • ・暑さを感じないときには、日焼けはしない

答えを見る

解説

かれん
答えは、すべてうそ。「いいえ」と答えてくれた人が正解です。
  • ・水中でも日焼けはします。水はほとんど紫外線を防いでくれないばかりか、水面の反射によって紫外線の暴露量は増えるそうです。
  • ・曇った日でも、日焼けはします。薄曇りの時には、紫外線の80%が通過していると言います。
  • ・紫外線の暴露は、一日を通して蓄積されるので、休憩を入れても日焼けします。
  • ・暑さを感じるのは赤外線で、紫外線は見えないし感じることもできません。曇りの日と同じように、厚くなくても日焼けはするので、UVケアが大事です。
シーナ
みんなもこの夏はきちんとUVケアしてね!

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