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2017.11.30

かれん と シーナの『エコ質問箱』 質問22

質問22:昆虫が地球を救うって、どういうこと?

かれん
ねえ、シーナ、昆虫って食べても大丈夫なのかな?
シーナ
どうしたの?
かれん
今度、うちの学校の給食で「昆虫食」が出るって聞いたの。私にも食べられるのか心配だわ…。
シーナ
う~ん、昔の人たちは普通に食べていたみたいだって聞いたことはあるよ。もっとも、ぼくたちどんぐりは、昆虫や動物に食べられる立場だから、人間の食生活はよく知らないんだけどね。
かれん
ああ、そうだったわね。でも昔の人は昆虫を食べていたなんて、今の時代に生まれてよかったなあ。
シーナ
今でも、世界にはアジア、アフリカ、南アメリカなどを中心に、昆虫を食べる習慣を持つ人たちがたくさんいるって聞いたことがあるよ。
かれん
え!? 本当なの? う~ん、私はちょっと無理だなあ。
シーナ
食文化の違いだよね。日本人が刺身を食べるのを見て、生の魚を食べるなんて信じられないと言われていたこともあるからなあ。
かれん
魚も、頭がついているのは目が合っちゃうと、ちょっと食べるのが怖くなるわ…。
シーナ
いわゆる尾頭付きの魚ってやつだね。祝いの膳じゃない。
でもさ、かれんはエビフライが好きじゃなかったっけ? 魚もエビも昆虫も、似たようなものだと思うけどなあ。
かれん
でも、エビフライには目玉がついていないじゃない!
シーナ
ふん、命をいただくことをちゃんと知っておかないとなあ。
かれん
そうね。でも何で、今、昆虫食なんだろ。
シーナ
日本で食べられてきた昆虫には、イナゴの佃煮やハチの子などがあって、それもおいしいらしいんだけど、最近は世界的な食糧不足への対応策の一つとして「昆虫食」が注目されているんだ。
かれん
へえ、そうなんだ。知らなかったわ。
でも、昆虫って小さいから、食糧不足に役立つとは思えないわ。
シーナ
昆虫は地球上でもっとも繁栄している生きものなんだ。
ブタやウシなどの家畜動物に比べて繁殖サイクルが短いから生産性が高いし、はるかに多様な栄養吸収方法を持っていることも特徴の一つといえる。
例えば、アフリカでよく食べられている昆虫にシロアリやイモムシがあるけど、シロアリは枯れ木や落ち葉などを栄養源としているんだよ。
家畜動物の場合、穀物など人間の食糧にもなるものをエサにしていることも多いのに対して、枯れ木や落ち葉などこれまで利用されてこなかった資源が食糧になれば、単純にいって食糧生産が倍増するといえるよね。
かれん
ちょっと食べるのに抵抗がありそうだけど、大事なのね。
シーナ
人間が直接食べるだけじゃなくて、魚の養殖用のエサに使う研究も進められているらしいよ。
かれん
養殖魚のエサにするの? まあ、水面に落ちた昆虫を食べる魚もいるわよね。
シーナ
もっと効率的に、エサとして開発しているんだ。今の養殖魚のエサには、イワシやアジなど安い魚を加工した魚粉が使われているんだけど、人の食料にもなるアジやイワシは水産資源として人が食べて、その代わりにハエの幼虫のウジムシなんかを使おうという計画なんだよ。しかもそのウジムシは、家畜動物の糞尿などをエサにするというから、廃棄物の処理にもなって、一石二鳥にも三鳥にもなる方法といえるよね。
かれん
へえ、養殖魚のエサにするなら、昆虫を直接食べるわけじゃなくて、抵抗感も薄れるかもしれないわね。
シーナ
養殖魚のエサのように粉末やペースト状に加工しちゃうとあまり実感できないかもしれないけど、「昆虫食」というのは、人が土や水、植物や昆虫と一つながりの“環”になっていることを実感できるわかりやすい食事といえるんじゃないかな。最近の人間たちは、お肉や魚もパックに入っている状態でしか買っていないから、かれんのいうように「目玉があると怖い」なんていう感覚が強くなっているんだと思うけど、人間も自然の一部ということをちゃんと認識して、環境とのよい関係を保ってほしいと思うんだよな。自然環境を維持しながら、人間の健康の維持を両立できるような食事こそ、生きものとしての人間本来の食事のあり方だとぼくは思うよ。
かれん
シーナ、今日は深いわね…。私も食事のことをちゃんと考え直すようにするわね。

Question

シーナ
では、ここで質問です。
世界各地で食用にされる昆虫には、シロアリやイモムシ、イナゴやハチの子などの他にもたくさんありますが、次のうち食用昆虫とは言えないのはどれだか、わかるかな?
ちゃんと考えればわかるはずだよ!
  • A1 カメムシ
  • A2 ゴミムシダマシ
  • A3 タランチュラ
  • A4 ゴキブリ

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解説

シーナ

答えは、A3のタランチュラ。

クモの仲間だから、昆虫ではないよね。
ただ、クモはたんぱく質が豊富なこともあって、いろんな国で食用にされているんだ。特にタランチュラは珍味としてよく食べられているらしいよ。調味料や香辛料をまぶしてあげたタランチュラがレストランの定番メニューとして普及している地域もあるというから、驚きだよ。
カメムシも、ゴミムシダマシも、ゴキブリも、すべて食用にされる種類があるんだ。
ゴミムシダマシはあまり聞いたことがないかもしれないけど、飼育しやすいこともあって、幼虫がミールワームと呼ばれて食用にされたり、ペットなどの生餌にされたりしているんだ。栄養価も高く、おいしいんだって。
カメムシなんて臭そうだし、ゴキブリは見るのもイヤという人が多そうだけど、どちらも食用にされる種類がある。もちろん、カメムシは独特の臭いを取るための下処理は必要だし、ゴキブリも衛生的な環境で飼育したものをきちんと調理しているから心配はないよ!

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