トップページ > 環境レポート > 第91回「世代をこえてリサイクル生活文化の輪をエコーのように拡げたい(北区赤羽エコー広場館)」
2017.12.22
エコー広場館のめざすところは、単にリサイクル活動だけではない。リサイクルを通しての生きがいづくりや生涯学習の場であり、福祉や教育の場ともなるコミュニティ広場をめざしているのだという。
そのため、4つのエコー広場館では、それぞれに地域の特色を活かした講座を開いていて、講座に参加する目的で訪れる住民も多く、北区外からもお客さんがやってくる。
赤羽エコー広場館ではさき布織りのほか、編物や絵手紙、布ぞうりやネクタイでポシェットづくりなどがあり、毎日2~3の講座が開かれている。
講師には、林さんや後藤さんのようにエコー広場館の活動に興味を持ってボランティアとして参加したことをきっかけに、得意分野を活かして活躍している人が多い。
リサイクルでつくられた手作りの名札と材料のマット。座面に並んだプラスチック製のパーツをばらして漆やマニュキアで文字を書くと立派な名札になる。
さき布織りの指導をする林さんは、若い頃に伊勢崎銘仙の産地(群馬県伊勢崎市)の近くに住み、夏休みには機織りをしてお小遣いにしたという。手仕事が好きだという林さんは、仕事を退職する2年ほど前に富士見橋エコー広場館を訪れたことがきっかけで、ボランティアの仕事を手伝うようになった。
「退職後はどうやって過ごそうかと思っていたのですが、ここがあってほんとうに助かっています」と林さん。
後藤さんも、退職後に何か仕事はないかと探していて、料理教室に参加するためにエコー広場館にきたのがきっかけで活動に参加するようになった。はじめは「ちょっと手伝ってくれない」と声をかけられて手伝うようになったそうだが、ここには力仕事など男性が活躍する場も多いという。
エコー広場館では、当初から高齢者の人材を活かすことも目的としていた。北区リサイクラー活動機構理事長の竹腰里子さんは、『エコー広場活動20年のあゆみ』のなかで「エコー広場活動を通して新しい生きがいを見つけた人たち、才能や素質の華が開いた人たちも多く、自己実現の場としての役割も大きい」と述べている。
あらたな才能や素質を開花さかせた人材が、さまざまな講座を通して「もったいない」のリサイクル生活文化を「エコー」のように次の世代へと拡げていく、エコー広場館の中ではそんなことが起こっているのかもしれない。
赤羽エコー広場館では、毎週木曜日に「ちいさい子のおはなし会」が開かれ、子ども連れのお母さんたちが集まってくる。未来を担う世代に、エコー広場館がめざしてきたリサイクル生活文化がうまく伝わっていくよう願いたい。
さき布織り教室の先生の林節子さん(左端)と参加者のみなさん。右端は、いろいろとお話を聞かせてくださった赤羽エコー広場館の後藤豊さん。
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