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 みどり東京レターは、都内62市区町村が実施するイベントをわかりやすく紹介することを目的に、月に1回程度の更新を予定しています。ぜひご一読ください。

2021.08.16

第18号資源を有効活用して、区民みんなでごみダイエット!―文京区「ステージ・エコ イン ギャラリーシビック」

新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じて開催された、資源回収イベント「ステージ・エコ」。会場を訪れた区民により、小型家電をはじめ、ペットボトルキャップ、古本、食用廃油などの資源が数多く持ち込まれました。

新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じて開催された、資源回収イベント「ステージ・エコ」。会場を訪れた区民により、小型家電をはじめ、ペットボトルキャップ、古本、食用廃油などの資源が数多く持ち込まれました。

イベント名称:ステージ・エコ イン ギャラリーシビック

開催日時:令和3年7月10日(土)午前10時から正午まで
会場:ギャラリーシビック(文京シビックセンター1階)
主催:ステージ・エコ実行委員会、文京区資源環境部リサイクル清掃課(事務局)

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文京区民の皆さんの協力で集まった資源は、この後一体どこに行くんだろう?

目指すのは、地球にやさしい「資源循環」の確立

 7月10日(土)、文京シビックセンター1階ギャラリーシビックで開催された「ステージ・エコ イン ギャラリーシビック」にお邪魔してきました。次々と会場に持ち寄られる、様々な種類の資源や未利用食品から、文京区民の方々のリサイクルに対する意識の高さが伺えます。当イベント事務局、文京区資源環境部リサイクル清掃課長の村岡健市さんに、イベントの開催背景についてお話を伺いました。

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会場入口の受付で連絡先カードを記入。会場のあちこちに設置された手指消毒液やサーキュレーターで、感染予防対策もしっかりと。

会場入口の受付で連絡先カードを記入。会場のあちこちに設置された手指消毒液やサーキュレーターで、感染予防対策もしっかりと。


 文京区では「資源循環の確立」を目的として、学生によるエレクトーンの演奏をバックにフリーマーケットや各種資源回収を行う「ステージ・エコ」を平成20年度から開始し、当イベント内でのフードドライブ事業(未利用食品の回収)を平成27年度から開始しました。
 例年、地下2階の区民ひろばを会場に年5回程度開催してきた「ステージ・エコ」では、フリーマーケットが同時開催され、大いに盛り上がっていましたが、今回は新型コロナウイルス感染拡大防止と施設改修工事により区民ひろばが使用できなくなったことで、規模を縮小し、各種資源回収及びフードドライブに絞って実施されました。当日の会場には、ペットボトルキャップ、古本、食用廃油、未使用の陶磁器製食器類、使用済み小型家電9品目、水銀使用計器類、小型の金属類を回収する資源回収ブースと、未利用食品を回収するフードドライブブースが設置されました。順路の最後には、前回までのステージ・エコで回収された未使用の陶磁器製食器類の無料頒布ブースが設けられ、各種資源や未利用食品を持参した方が1人3点まで好きなものを選んで持ち帰れるようになっていました。
 フリーマーケットの開催が中止されたことを惜しむ声も多かったものの、このイベントのために自宅で資源として大切に保管しておいてくれたり、帰り際に「楽しみにしていました」と声をかけてくれたりする区民の方々に接すると、「開催してよかった」と思えると村岡さんは言います。

回収されたペットボトルキャップ(写真左)、古本(写真中央)、未使用の陶磁器製食器類(写真右)

回収されたペットボトルキャップ(写真左)、古本(写真中央)、未使用の陶磁器製食器類(写真右)


 みんなが気になる「回収された資源の行方」ですが、例えばペットボトルキャップは、売却益で世界の子どもたちにワクチンを届ける事業者へと送られます。未利用食品は、文京区社会福祉協議会やフードバンクへと送られ、広く地域の福祉団体や施設、生活困窮者等に届けられます。このように、当イベントで回収された資源は、文京区内外でさらに多くの人の役に立つことになります。ステージ・エコ実行委員会及び同区リサイクル清掃課の皆さんが目指す「資源循環」は、当イベントを通して確実に築き上げられているのです。

回収された未使用の陶磁器製食器類は、次回以降の「ステージ・エコ」で頒布予定。次に必要としている方々へと巡っていきます。

回収された未使用の陶磁器製食器類は、次回以降の「ステージ・エコ」で頒布予定。次に必要としている方々へと巡っていきます。


「日々の積み重ね」でさらに減らしていきたいプラスチックごみと食品ロス

 文京区内には、地域活動センターや区立図書館をはじめ、35か所(令和3年7月末現在)の回収拠点があり、プラスチック製ボトル容器や発泡スチロール食品トレイ等の資源を一部の拠点で回収しています。同区リサイクル清掃課では、区民の皆さんに日々リサイクルについて意識してもらえるよう、コロナ禍でも工夫をしながら、啓発活動を継続的に実施しているそうです。イベント・講座情報やごみ減量のポイントをLINE公式アカウントからプッシュ形式で配信したり、啓発紙『Bunkyoごみダイエット通信』の内容をより充実させて発行したりしています。また、オンライン講座を開催するなど、引き続き幅広い層の区民の方に資源循環について学ぶ機会を提供しています。さらには、毎年11月に行われている市民参加型の環境イベント「文京エコ・リサイクルフェア」も、今年は規模を縮小して実施予定です(新型コロナウイルス感染拡大の状況により変更の可能性あり)。

持ち込まれた未利用食品を記録する、同区職員と「リサイクル推進サポーター」の皆さん。

持ち込まれた未利用食品を記録する、「リサイクル推進サポーター」の皆さん。


 近年、同区リサイクル清掃課で特に力を入れているのは、プラスチックごみ対策と、食品ロスの削減です。
 令和3年6月に『プラスチック資源循環促進法』が制定されるなど、廃プラスチックの資源利用は社会的な関心が高くなってきています。文京区では、現在可燃ごみとして回収し、熱回収によるサーマルリサイクルを実施していますが、今後はマテリアルリサイクルによる資源利用を促進し、さらには使用量の削減にも取り組んでいくよう検討しています。
 また、同課が令和元年度に実施した家庭ごみの組成分析調査の結果から、可燃ごみの約33%を生ごみが占め、うち約7%は手つかずで直接廃棄された食品であることがわかりました。SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」などにもかかわる、食品ロスの削減に向けて、「これからもフードドライブを実施していくことが重要だ」と、村岡さんは話します。


今回お話を伺った、文京区資源環境部リサイクル清掃課長の村岡健市さん

今回お話を伺った、文京区資源環境部リサイクル清掃課長の村岡健市さん


 新型コロナウイルス感染拡大により、自宅で過ごす時間が増えました。巣ごもり需要で、ごみの量が増えてしまうこともありますが、一方で、各家庭で眠っている資源を見直して、色々なところで再活用させる機会でもあります。「ステージ・エコ イン ギャラリーシビック」からは、リサイクルに対する意識を持ち続け、行動に移す、その日々の積み重ねこそが、地球にやさしい資源循環を構築していくための鍵であることを学びました。村岡さん、本当にありがとうございました。

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本事業は、公益財団法人 東京都区市町村振興協会からの助成で実施しております。