トップページ > Tokyo62エコ散歩 > 第1回 板橋区
東京には、人口密度の高い都心部から緑豊かな町村部、本土から海を隔てた島しょ部など異なる環境にある62の区市町村(23区、26市、5町、8村)があります。そんな東京62市区町村の各地域を実際に巡って(散歩して)、地域ごとの環境への取り組みを知り、感じるためのヒントとなるスポットをクイズ形式で紹介します。
板橋区にやって来ました。
東京23区北西部に位置する板橋区は、平均海抜30m前後の武蔵野台地と荒川の沖積低地によって形成された高低差の大きな地形で、崖線の湧水や市街地の河川にも恵まれています。板橋区立赤塚溜池公園を散策していると、柵に囲われた小さな池「赤塚トンボ池」を見つけました。かつてこの土地に生息していた在来の生き物が棲めるようにと、市民参加でつくられた池です。
「東京都版レッドリスト(本土部)2020年版」において、都内に生息する在来の両生類は15種すべてが掲載種となり、ヒキガエル(アズマヒキガエル)も準絶滅種から絶滅危惧種に格上げされています。
赤塚トンボ池を管理しているNPOは、毎年卵を産みに来るカエルが年々数を減らしていると指摘します。「以前は庭でよくカエルを踏んづけてしまうことがあったけど、最近は見かけない」「毎朝散歩していた樹林地では時々のそのそ歩いているカエルを見かけたが、森が切り倒されて住宅地になってしまった」といった住民の声があるそうです。
都立赤塚公園の「大門地区」につきました。武蔵野台地の崖線に沿って雑木林が続くこの地区は、ニリンソウの都内最大級の自生地としても知られています。
ニリンソウは春先に白い花を2輪ずつ咲かせます。都市化による樹林の減少とともに少なくなりましたが、大門地区では崖地の斜面に沿って真っ白なニリンソウのじゅうたんを楽しむことができ、開花時期の4月上旬ごろにはガイドツアーやニリンソウ展なども開催されてきました。大門地区が都内最大級の自生地であることから、ニリンソウは緑の保全と緑化推進のシンボルとして板橋区の花に選定されています。
ニリンソウなど、雑木林の木々が葉っぱを茂らせる前の明るい森の中で花をつけ、夏までの間に光合成をし、6月頃には枯れ、以降は地中で過ごして越冬する草花をスプリングエフェメラルと呼びます。直訳すると「春の儚い命」といった意味ですが、可憐な花をイメージして「春の妖精」とも言われます。
都立赤塚公園の前でけやき並木に出会いました。「高島平団地とけやき並木」として板橋十景に選定された約600mのけやき並木は、四季折々の美しさを見せてくれます。
高島平では、昭和40年代に建設されたマンモス団地をバックに、赤塚公園前から高島平駅前まで続く見事なけやき並木を楽しむことができます。
そんなけやきの木肌はうろこ状に剥がれ落ちておもしろい模様を描きます。木の根元に剥がれ落ちた樹皮を拾い、どこから落ちたのか木肌の樹皮跡の模様に当てはめてみると、ちょっと楽しいパズル遊びができます。並木道の景観も美しいですが、けやきの木に近寄って、足元の樹皮や木肌に注目してみるのも楽しいものです。
板橋区立熱帯環境植物館にやって来ました。東南アジアの熱帯環境が再現されており、失われつつある熱帯雨林を肌身で感じることのできる貴重な施設です。
板橋区立熱帯環境植物館は、世界の三大熱帯雨林の中から日本に最も近い東南アジアの熱帯環境を再現し、温室・冷室の4つの植生ゾーンに繁茂する珍しい植物やミニ水族館の大小さまざまな魚たちを観察できます。隣接する板橋清掃工場の余熱を活用した施設として設置されました。
板橋清掃工場ではごみ焼却時のエネルギー利用を進めており、総発電量の約6万6千メガワット/時は一般家庭の電力使用量に換算すると約2万世帯の1年分に相当します。余熱を活用した高温水によって、隣接する温水プールや熱帯環境植物館への5千ギガジュールほどの熱供給量をしています。
このほか、板橋区役所の屋上(40kW)及び壁面(35kW)の太陽光パネルや、小豆沢体育館プール棟の地中熱を利用した空調システムなどの、さまざまな再生可能エネルギー導入の取り組みも実施しています。
本事業は、公益財団法人 東京都区市町村振興協会からの助成で実施しております。
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