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Tokyo62エコ散歩

東京には、人口密度の高い都心部から緑豊かな町村部、本土から海を隔てた島しょ部など異なる環境にある62の区市町村(23区、26市、5町、8村)があります。そんな東京62市区町村の各地域を実際に巡って(散歩して)、地域ごとの環境への取り組みを知り、感じるためのヒントとなるスポットをクイズ形式で紹介します。

第2回 “湧き水のまち”東久留米の水と木々

かれん

 東久留米市にやって来ました。
 武蔵野台地の中央部に位置する東久留米市は、黒目川・落合川・立野川をはじめとし、市内の湧水から流れる幾筋もの川に恵まれた水の豊かな地です。
 旧石器時代~縄文時代の遺跡が100ヶ所以上発見されており、古くから人々が水の近くで暮らしていたことが分かります。
 「湧水・清流保全都市」を掲げる湧き水のまちで、「エコ」を探して散歩してみましょう。

  • 湧き水を発見
  • 川のいきもの
  • 雑木林を探検
  • 美しい大木

孟宗竹の立ち並ぶ竹林公園で湧き水に出会いました。南沢地域では多くの湧水が落合川へ注ぎ、「南沢湧水群」と呼ばれています。

Q1落合川と南沢湧水群が、東京都で唯一選ばれたのはどれ?

  1. 1 水の郷百選
  2. 2 名水百選
  3. 3 名水百選選抜総選挙
  4. 4 平成の名水百選

正解4 平成の名水百選

「落合川と南沢湧水群」は、平成20年に環境省が選定した「平成の名水百選」に東京都で唯一選ばれました。

"地域の生活に溶け込んでいる清澄な水や水環境のなかで、特に、地域住民等による主体的かつ持続的な水環境の保全活動が行われているもの"が選定対象となっており、東久留米市の地域住民による長年の保全活動が評価されました。

湧水は市内の水道水に利用されるほか、各地から汲みに来る方々も大勢います。南沢緑地・竹林公園・黒目川天神社前の湧水は「東京の名湧水57選」にも選ばれています。

竹林公園は古くから生えていた竹林を保存するために開設され、「新東京百景」にも選ばれた美しい景観が楽しめる公園です。

沢頭(さがしら)湧水(南沢緑地保全地域内)

落合川にやって来ました。湧水が流れ込む穏やかな川で、希少な生き物たちも暮らしているようです。

Q2落合川にも生息する絶滅危惧種で、コイ目に分類される全長4~6cm程度の淡水魚は?

  1. 1 ギギ
  2. 2 ニゴイ
  3. 3 ホトケドジョウ
  4. 4 ブラックシャーク

正解3 ホトケドジョウ

ホトケドジョウはコイ目ドジョウ科の淡水魚です。通常のドジョウが全長20cmほどになるのに対し、ホトケドジョウは全長4~6cmの手のひらサイズでズングリとした見た目です。

「環境省レッドリスト2020」では"近い将来における野生での絶滅の危険性が高い"とされる絶滅危惧IB類(EN)に指定されている他、「東京都レッドデータブック(本土部)2023」にも掲載されています。

湧水が流れ込む穏やかな水域に生息しますが、開発や水質汚濁の影響で全国的に生息地が減少しています。落合川をはじめとする東久留米市内の川は湧水の清流であり、希少なホトケドジョウの住処となっています。

市内の川では他にも準絶滅危惧種のナガエミクリ・タコノアシ・ミズニラなどを見ることができ、生息・生育環境の保全に力が尽くされています。

ホトケドジョウ

縄文土器などが出土した小山台遺跡のあたりを散策していると、雑木林が現れました。市内には「雑木林のみち」のコースが3つあるほか、保全地域を中心に木々や自然が守られています。

Q3雑木林や緑地を保全する「東久留米自然ふれあいボランティア」の活動として当てはまらないものは?

  1. 1 「ボタンクサギ」などの鮮やかな花を植える
  2. 2 枯れた木を切り分ける「玉切り」を行う
  3. 3 刈払機や鎌で下草刈りを行う
  4. 4 「マダケ」などの竹を間伐する

正解1 「ボタンクサギ」などの鮮やかな花を植える

東京都環境局では、自然の保護及び保全を目的として「保全地域」を指定しています。東久留米市には8カ所の保全地域がある他、保全地域を組み込んだ「雑木林のみち」も3コース指定され、雑木林の保全と活用が行われています。

保全地域や市管理の樹林地等は、市が東久留米自然ふれあいボランティアとともに管理を行っています。

隠れている植物の生長を促すための下草刈りや、枯損木の玉切り処理、マダケやモウソウダケの間伐による整理など、管理作業は場所によって多岐に渡ります。

「ボタンクサギ」などの外来植物が勝手に植えられているケースがありますが、放っておくと一面を覆ってしまう厄介な植物であるため駆除作業を強いられています。

氷川台緑地保全地域

めったに湧水の見られない「さいかち窪」入口の芝生広場で、背の高い立派なエノキを見つけました。この木は「東久留米の名木百選」に選出されているそうです。

Q4平成29年に発表された「東久留米の名木百選」に一番多く選出された樹種は?

  1. 1 ケヤキ
  2. 2 エノキ
  3. 3 イチョウ
  4. 4 桜

正解4 桜

「東久留米の名木百選」は、”市内にある貴重な資源を広く市民に周知することで保全にあたっての啓発を進め、地域と一体となった保全体制をつくる”ことを目的として選定されました。

市内の樹木を市民からの推薦で集め、選定委員会の厳選により選んだ100本です。

樹種としては桜が最も多く17本、次いでケヤキが13本という結果でした。

寺社や学校、道路や民家など市街地の身近な場所の樹木が多く選定され、市民が東久留米の木々に親しむきっかけとなっています。

東久留米の名木百選No.12さいかち窪入口芝生広場内のエノキ

本事業は、公益財団法人 東京都区市町村振興協会からの助成で実施しております。