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Tokyo62エコ散歩

東京には、人口密度の高い都心部から緑豊かな町村部、本土から海を隔てた島しょ部など異なる環境にある62の区市町村(23区、26市、5町、8村)があります。そんな東京62市区町村の各地域を実際に巡って(散歩して)、地域ごとの環境への取り組みを知り、感じるためのヒントとなるスポットをクイズ形式で紹介します。

第3回 春の小川が作った谷のまち・渋谷

かれん

 渋谷区にやって来ました。
 武蔵野台地の東部・淀橋台地に位置する渋谷区は、渋谷川・宇田川などの川に恵まれた土地でした。中央部には渋谷川によってできた谷と支谷が伸び、それを取り巻く数々の台地により起伏に富む地形となっています。
 若者や観光客で賑わう一方、明治神宮や代々木公園などの緑地が多い土地でもあります。開発の進む渋谷駅周辺では渋谷川の再生整備も行われ、かつての潤いが街に取り戻されつつあります。
 そんな渋谷の街で「エコ」を探して散歩してみましょう。

  • 三ツ星を発見
  • 都会の川
  • 植物とふれあう
  • 何に乗る?

レストランへ食事に来ました。お店に貼ってある「SHIBURAN」と書かれた三ツ星のステッカー、どうやら環境問題に関係がありそうです。

Q1シブラン三ツ星レストランへの認証条件となっている3つの取り組みはどれ?

  1. 1 地産地消、鮮度と安全性の管理、ヴィーガン表示
  2. 2 食品ロス削減、環境美化、ごみ削減
  3. 3 消費電力削減、プラスチックの提供削減、リサイクル
  4. 4 オンライン予約、デリバリー、テイクアウト

正解2 食品ロス削減、環境美化、ごみ削減

渋谷区では、食品ロスの削減、地域環境の美化、ごみの削減に取り組む飲食店を「シブラン三ツ星レストラン」として認証し、渋谷区観光協会 公式キャラクター HACHIがデザインされた認証ステッカーを交付しています。

3項目それぞれに対応した取組のチェック項目があり、認証店の取組内容は区のウェブサイトなどでPRされます。

本来食べられる食品が捨てられてしまう「食品ロス」の削減に向けた項目としては、「食材の無駄が出ないような仕入れの実施」「小盛りメニュー、SMLサイズ又はハーフサイズメニューの設定」などが定められています。

また、フードシェアリングサービス「TABETE」とも連携し、飲食店の食品ロス削減や食品ロスの削減に対する区民意識の向上を図っています。

シブラン三ツ星レストラン認証ステッカー

渋谷リバーストリートにやって来ました。渋谷ストリームなど大規模施設が立ち並ぶ中、渋谷川に沿う遊歩道で人々がリラックスしています。

Q2渋谷川で行われた取り組みとして当てはまらないものは?

  1. 1 人工の滝である「壁泉」を護岸から流した
  2. 2 川沿いでさくら祭りを始めた
  3. 3 下水を高度処理した再生水によって清流を復活した
  4. 4 川の上空を覆う建造物を撤廃した

正解4 川の上空を覆う建造物を撤廃した

かつての渋谷川は流量豊かで、新宿御苑の水源から東京湾へと流れ込む全長10kmの川でした。支流の一つである河骨川は唱歌「春の小川」の舞台とされる穏やかな小川だったそうです。

戦後は生活排水や産業排水により水質悪化が進み、下水道整備や区画整理のため上流・支流は暗渠化され地上から姿を消しました。

枯渇した水流を取り戻すべく1995年に清流復活事業が行われ、下水を高度処理した再生水の放流が始まりました。

その後、渋谷の再開発に伴い官民連携で環境整備が進められ、清流復活水は護岸から「壁泉」として涼しげに流れるようになりました。川沿いの遊歩道は渋谷リバーストリートとして整備され、こたつに入って河津桜を見られるさくら祭りや、川の上でスポーツやイベントもできる広場などで人々が水辺の時間を楽しんでいます。

渋谷リバーストリート

渋谷駅から徒歩10分ほどの場所にある「渋谷区ふれあい植物センター」にやって来ました。長年愛されてきたこの施設は、リニューアルにより生まれ変わったようです。

Q3ふれあい植物センターのリニューアルに伴い、新たに掲げられたコンセプトは?

  1. 1 持続可能なエネルギーの推進拠点
  2. 2 都市型生態系の保全地
  3. 3 農と食の地域拠点
  4. 4 環境と健康をつなげる緑の健康センター

正解3 農と食の地域拠点

渋谷区ふれあい植物センターは、渋谷清掃工場の地域還元施設として平成17年4月に開園しました。ごみ焼却時に発電された電気の供給を受けた温室で様々な熱帯植物を楽しめる「日本で一番小さな植物園」として長年愛されてきました。

令和3年末に一度休園し、建物の改修工事に伴うリニューアル整備が行われました。そして令和5年7月、新たに「農と食の地域拠点」というコンセプトを掲げ、「栽培・収穫・消費」を体験できる植物園としてリニューアルオープンされました。

柑橘類や熱帯果樹が土耕栽培で育つガーデン、サラダ野菜等を栽培する水耕栽培室、新しく併設されたカフェなどを通して、農と食を身近に感じる体験をすることができます。

より身近に植物の存在を感じることのできるイベントやワークショップも行われ、農と食に関する学びや体験を通した地域コミュニティの拠点となっています。

渋谷区ふれあい植物センター

コミュニティサイクルで渋谷の街をツーリングしていましたが、雨が降ってきたのでバスに乗ることにしました。乗り込んだハチ公バスは電気で走っており、電気自動車は「ZEV」の一つであるそうです。

Q4「ZEV」は何を意味する言葉?

  1. 1 ゼロエミッション・ビークル/走行時に二酸化炭素等の排出ガスを出さない車
  2. 2 ゼロエネルギー・バッテリー/エネルギーを使わずに動くバッテリー
  3. 3 ゼロエンジン・ビークル/エンジンを搭載せずに走行する車
  4. 4 ゼロエフィシェンシー・バン/エネルギーの効率性を最大化したバン

正解1 ゼロエミッション・ビークル/走行時に二酸化炭素等の排出ガスを出さない車

電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)などの、走行時に二酸化炭素等の排出ガスを出さない車をゼロエミッション・ビークルと呼びます。

2050年にCO2排出を実質ゼロにするという世界共通のゴールに向け、東京都では「ゼロエミッション東京」の実現を目指しており、2030年に乗用車新車販売の5割がZEVになることを目標としています。

渋谷区では移動時のCO2排出を削減するため、自転車や公共交通機関の利用を促進しています。街のあらゆる場所で自転車をレンタルできるコミュニティサイクル等のシェアリングサービスが整備されている他、コミュニティバスであるハチ公バスへのEVバス導入を皮切りにZEVの導入促進を行っています。

EVハチ公バス

本事業は、公益財団法人 東京都区市町村振興協会からの助成で実施しております。