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Tokyo62エコ散歩

東京には、人口密度の高い都心部から緑豊かな町村部、本土から海を隔てた島しょ部など異なる環境にある62の区市町村(23区、26市、5町、8村)があります。そんな東京62市区町村の各地域を実際に巡って(散歩して)、地域ごとの環境への取り組みを知り、感じるためのヒントとなるスポットをクイズ形式で紹介します。

第8回 大自然広がる東京のオアシス・檜原村

かれん

 檜原村にやって来ました。
 東京都の西南端に位置する檜原村は、周囲を急峻な山地に囲まれ、広大な山林に恵まれた緑豊かな村です。
 多摩川の最も大きい支流・秋川が流れる「秋川源流の里」であり、浅間尾根を中心に南北に分かれる秋川の周囲には多くの滝があります。
 村の大部分は秩父多摩甲斐国立公園に指定されており、自然観光資源の活用と環境保全が行われています。
 そんな檜原村で「エコ」を探して散歩してみましょう。

  • 美しい滝
  • 森のおもちゃ
  • 山を歩く
  • 温泉の秘密

払沢(ほっさわ)の滝を見にやって来ました。駐車場から滝までの遊歩道はウッドチップが敷かれていて歩きやすく、15分ほど歩くと滝が見えてきました。この滝では、季節ごとに美しい景色を見られるそうです。

Q1「日本の滝百選」にも選ばれた払沢の滝の特徴は? 

  1. 1 冬に凍り付く
  2. 2 夏に水が枯れる
  3. 3 2段に分かれている
  4. 4 夜光虫により光る

正解1 冬に凍り付く

払沢の滝は高度差約60メートル・全4段からなる滝で、1990年に選定された「日本の滝百選」に東京都で唯一選ばれました。

冬期に結氷することでも有名で、12月から2月には「払沢の滝冬まつり」と題して、最も氷結する最初の日を予想する「氷瀑クイズ」やフォトコンテストが行われています。

夏には「払沢の滝ふるさと夏まつり」が行われ、夜間のライトアップで幻想的な滝の姿を楽しむことができます。春は新緑、秋は紅葉に囲まれた美しい景色となり、季節ごとに異なる魅力を味わえます。

檜原村には秋川・北秋川に流れ込む沢に多くの滝があり、村内の滝の数は50以上です。景観に優れた13の滝を案内する「滝めぐりマップ」も作成されており、自然を感じることができる滝めぐりが楽しめます。

結氷した払沢の滝

檜原森のおもちゃ美術館にやって来ました。檜原村の森林資源がふんだんに使われた木の遊具やおもちゃを楽しめる体験型美術館です。檜原村には豊かな森林が広がっています。

Q2檜原村の面積のうち、森林の割合はどのくらい?

  1. 1 約13%
  2. 2 約43%
  3. 3 約73%
  4. 4 約93%

正解4 93%

檜原村は東京都で3番目に面積が広い市区町村で、総面積の約93%を森林が占めています。かつては林業が盛んな村でしたが、低価格の輸入木材の増大により需要が縮小し、豊富な木材資源をどのように活用すべきか検討されてきました。

そこで、木材・木育産業の推進事業として「檜原村トイ・ビレッジ構想」がスタートし、木工品・おもちゃの製造を行うおもちゃ工房と、木育拠点となる檜原森のおもちゃ美術館が設立されました。

美術館は旧北檜原小学校の跡地に村の木材を使って建てられ、木のぬくもりに満ちた空間でおもちゃ遊びやワークショップを楽しめます。ボランティアスタッフの「おもちゃ学芸員」の養成講座も行われ、木育に関わる人材の育成が進められています。

この他にも子供たちが檜原村の木に触れる環境づくりとして、檜原小中学校の教室やトイレなどに檜・杉板を貼る木質化や、木造の檜原村立図書館の建設などの形で木材利用が行われています。

檜原森のおもちゃ美術館

檜原村の最高峰・三頭山(みとうさん)でハイキングをしました。自然豊かな美しい山で、貴重な景観にも出会うことができます。紅葉の時期にはとても美しい景観を楽しめるようです。

Q3三頭山には東京都では貴重なある落葉広葉樹の原生林が残っているが、その樹木はどれ?

  1. 1 ブナ
  2. 2 シイ
  3. 3 カシ
  4. 4 クスノキ

正解1 ブナ

三頭山は檜原村、奥多摩町、山梨県上野原市、北都留郡小菅村にまたがる標高1,531mの山で、日本三百名山、山梨百名山、多摩百山に選定されています。

山頂周辺は秩父多摩甲斐国立公園の特別保護地区に指定されており、東京都では希少となったブナの原生林が残っています。ブナは新緑や紅葉の時期がとりわけ美しい落葉広葉樹で、檜原村の自然を代表する景観として守られています。

三頭山には「東京都檜原都民の森」が整備されており、「ブナの路」を含む色々なコースを楽しめます。そのうち「大滝の路」は森林セラピーに適しているとされ、都内で初めて「森林セラピーロード」に認定されました。

檜原村はこのような山岳・河川・滝・動植物などのほか、伝統的な生活文化も含めた多くの自然観光資源に恵まれており、これらを活かした観光施策としてのエコツーリズムが推進されています。

三頭山・ブナの路

「檜原温泉センター数馬(かずま)の湯」で温泉につかりました。山々を眺めながら天然温泉で温まり、身も心もリフレッシュされます。

Q4檜原温泉センター数馬の湯では、CO2排出量削減のため何を使って温泉を温めている?

  1. 1 村内の可燃ごみを焼却する際の熱
  2. 2 村内の使われていない木材で作った薪
  3. 3 村内の山で風力発電されたエネルギー
  4. 4 村内の滝で水力発電されたエネルギー

正解2 村内の使われていない木材で作った薪

檜原村では、CO2排出量削減に向けて木質バイオマスの利活用を推進しています。豊富な森林資源のある檜原村で、あまり利用されずに放置されていた木材を薪燃料や木質チップにして有効利用する取り組みです。

村内にある伐り捨て間伐材などの林地残材や森林整備・林道工事などで伐採した木材を搬出し、薪に加工したのち、半年ほど乾燥させてから薪ボイラーで燃料として利用します。

檜原温泉センター数馬の湯には薪ボイラーが導入され、温泉のお湯を温める際に灯油の代わりに薪を使うことでCO2排出量を削減しています。

このほかにも、檜原村やすらぎの里(福祉複合施設)には木質チップを燃料とするチップボイラーが導入されているほか、村内の公共施設には薪ストーブやペレットストーブが設置されています。

数馬の湯の薪ボイラー

本事業は、公益財団法人 東京都区市町村振興協会からの助成で実施しております。