トップページ > Tokyo62エコ散歩 > 第9回 北区
東京には、人口密度の高い都心部から緑豊かな町村部、本土から海を隔てた島しょ部など異なる環境にある62の区市町村(23区、26市、5町、8村)があります。そんな東京62市区町村の各地域を実際に巡って(散歩して)、地域ごとの環境への取り組みを知り、感じるためのヒントとなるスポットをクイズ形式で紹介します。
北区にやって来ました。
東京都の北部に位置する北区は、江戸時代から桜の名所や滝などで知られる行楽地として栄えてきました。
東西に狭く、南北に長い独特の形状をした地形は、高低差のある台地と低地の2つに分かれ、東京を南北に走るJR京浜東北線の西側が山の手台地で、東側が下町低地となっています。境目に当たる崖線には、豊かな自然がそのまま残り、区内には荒川をはじめ、隅田川、新河岸川、石神井川が流れるなど、緑と水に恵まれたうるおいあふれるまちです。
そんな北区で「エコ」を探して散歩してみましょう。
隅田川沿いに建っている団地を眺めながら歩いていると、「みどりと環境の情報館(エコベルデ)」にたどり着きました。
みどりと環境の情報館(エコベルデ)は、区民がみどりとふれあい、植物の育て方や楽しみ方を学びながらみどりへの関心を深める施設です。
愛称の「エコベルデ」は、地元の小学生から応募された中から選ばれました。ベルデはスペイン語で『みどり』という意味があり、「北区が環境にやさしいみどりの多いまちになるように」という思いが込められています。
ここでは、「自然に関する教室」や、区内の環境保全活動を実施し、環境教育の担い手となる人材を育成する「北区環境リーダー養成講座」などを開催しています。
このほか、土壌汚染対策についての情報を発信する場としても活用されています。
区内を散策していると、桜の名所として有名な飛鳥山公園につきました。ここ北区には東京に唯一残っている路面電車 東京さくらトラムが走っており、沿線には四季折々の花や緑が植えられとてもきれいです。
北区ではより豊かな自然と快適な都市環境を次世代に引き継いでいくための指針として、令和2年3月に「北区緑の基本計画 2020」を策定し、区民や区内の事業者とともにさまざまな活動に取り組んでいます。
東京さくらトラム(都電荒川線)の沿線緑地では、区民や都電利用者に四季折々の花や緑を楽しめるよう、東京都交通局との間で協定を締結し、都電が区内を走る約2.7km の区間に、ツツジやサザンカ、キンモクセイなどの木や草花を植栽しています。
世界を目指すアスリートがトレーニングする姿を横目に歩いていると、「赤羽自然観察公園」に着きました。まるで深い森に迷い込んでしまったような世界が広がっています。
赤羽自然観察公園は元自衛隊十条駐屯地として使用されていた土地の一部に整備された公園です。
谷状の地形を有し、北区では唯一の湧水が存在しており、この湧水の保全・活用をするため、「自然とのふれあい」をテーマにした公園づくりを行っています。
園内には柵で囲われた「自然保護区域」を設けており、この地域に本来生息する植物もしくは生息していた植物を植栽し、基本的に人の手を加えない前提で管理しています。
また、園内には「北区ふるさと農家体験館」や、「多目的広場」「バーベキューサイト」なども整備されており、自然とふれあいながら楽しめる公園となっています。
荒川の河原にある「北区・子どもの水辺」に着きました。ここには川の水と海の水が混ざった荒川の水を取り込んだ大小2つのワンド(池)があり、たくさんの生き物が棲んでいます。
この地域の荒川は、荒川放水路と呼ばれ、洪水の被害を緩和するためつくられた人工河川のため、河川の勾配が緩やかになっています。
そのため、ここでは海からの潮の影響を受けやすく、川の水と海の水が混ざった汽水状態となり、「子どもの水辺」にあるワンド(池)では、淡水を好む魚と、汽水を好む魚の両方を観察することができます。
ゲンゴロウブナは、釣りで人気のヘラブナの原種といわれ、環境省のレッドリスト2021では絶滅危惧ⅠB類に分類されています。
ワンド(池)には、上流からのゴミだけでなく、上げ潮とともに流入・滞留する土砂などがたまりやすいため、こうした貴重な生き物を守り、子供たちの体験学習が安全に行えるよう、年1回、池の水を抜き、泥を取り除くかいぼりを行っています。
本事業は、公益財団法人 東京都区市町村振興協会からの助成で実施しております。
オール東京62市区町村共同事業 Copyright(C)2007 公益財団法人特別区協議会( 03-5210-9068 ) All Right Reserved.