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Tokyo62エコ散歩

東京には、人口密度の高い都心部から緑豊かな町村部、本土から海を隔てた島しょ部など異なる環境にある62の区市町村(23区、26市、5町、8村)があります。そんな東京62市区町村の各地域を実際に巡って(散歩して)、地域ごとの環境への取り組みを知り、感じるためのヒントとなるスポットをクイズ形式で紹介します。

第10回 緑と水の公園都市・三鷹市

かれん

 三鷹市にやってきました。
 多摩地域の東端に位置する三鷹市は、東京23区と多摩地域の境界を接する隣接市のひとつです。三鷹の名前は、かつて徳川将軍家および御三家が、鷹狩を行った鷹場の村々が集まっていたことと、世田谷領・府中領・野方領にまたがっていたことに由来します。
 市域のほとんどが武蔵野段丘にあり、西の端は旧多摩川が侵食してできた国分寺崖線と呼ばれる急斜面が、一段低い立川段丘との境を形成しています。市内には南東に向かってほぼ並行して流れる神田川、仙川、野川の3本の川に加え、玉川上水も流れており、今も豊かな水で街を潤し、たくさんの緑を育んでいます。
 都心への玄関口として栄える一方で、豊かな自然がバランスよく混ざり合う三鷹の街で「エコ」を探して散歩してみましょう。

  • 今も農業が息づく
  • 緑あふれるまち
  • かつての農風景
  • バードサンクチュアリ

市内を流れる3つの川のうち、仙川のほとりを歩いていると、「三鷹市農業公園」にたどり着きました。ここでは、農業と緑について身近に学び、体験することができます。隣接する「三鷹緑化センター」では、たくさんの花や植木のほか、市内でとれた野菜や果物を販売しています。

Q1「農」が生み出した緑が市の特徴になっている三鷹市で生産量1位の果物は?

  1. 1 キウイフルーツ
  2. 2 ぎんなん
  3. 3 ブルーベリー
  4. 4 ぶどう

正解1 キウイフルーツ

かつて三鷹市のあった場所は純農村地帯でしたが、関東大震災の被災者が移住して来たことがきっかけとなり住宅地化してきました。

現在では農家の数もだいぶ少なくなってしまいましたが、23区という大消費地に近く、さまざまな野菜や果物が生産されています。

なかでも、キウイフルーツは、1978(昭和53)年に試験的に栽培が開始され、原産地のニュージーランドと三鷹市の土壌が似通っていたこともあり、現在では40軒ほどの農家が生産し、東京一の生産量を誇る特産品となっています。

三鷹市農業公園

かつて江戸のまちに水を供給した玉川上水沿いを南下していくと、農地や雑木林などの緑が目立つようになり、花壇や芝生広場、花畑などがある広場「花と緑の広場」に着きました。

Q2三鷹市ではさまざまな緑化推進活動を行っていますが、実際に行われていないのは?

  1. 1 花いっぱい運動
  2. 2 誕生記念樹配布
  3. 3 ガーデニングフェスタの開催
  4. 4 カメムシの駆除

正解4 カメムシの駆除

都心近郊にありながら、緑豊かな三鷹市でも、年々緑が減少傾向にあります。そこで、市では市民緑化推進委員会を設置し、植樹、草花の植栽及び管理等の実践活動を通じて、緑豊かでうるおいのあるまちづくりを推進しています。

主な活動としては、公共施設やコミュニティ・センター、町会、商店会などに花苗を提供する「花いっぱい運動」や、子どもの誕生のお祝いに苗木をプレゼントする「誕生記念樹配布」、自宅の庭やお気に入りの風景の写真を展示する「ガーデニングフェスタ」、都市の緑地の役割を、野鳥を通じて啓発する「シジュウカラの巣箱配付」等を行っています。

花と緑の広場

市の西側を流れる野川周辺に足を延ばすと、国分寺崖線の緑の下に、水田や畑が拡がる空間「大沢の里」にたどり着きました。

Q3大沢の里では、かつての里山が再現されていますが、ここでは見ることができないのは?

  1. 1 わさびの栽培
  2. 2 はた織り
  3. 3 水湿地に生育している植物を中心にした植物園(湿生花園)
  4. 4 ほたる

正解2 はた織り

大沢の里は、野川流域と国分寺崖線が織りなす豊かな緑と、古民家などの文化財によって、かつての三鷹の原風景を現在に伝えています。

ここでは、崖線からの豊かな湧水によって、わさびの栽培やホタルの生育、湿地に生息する植物を育てる湿生花園の維持を可能としています。

このほか、1808年(文化5)年頃につくられた巨大水車(新車)や茅葺屋根の古民家などの地域の文化遺産をはじめ、親子体験農園や市民農園、拠点施設となる大沢ふるさとセンターなどがあり、年間を通して田植え・稲刈り・収穫祭などが開催され、都心からほど近い場所にありながら、里山体験が楽しめます。

大沢の里 湿生花園

野川に沿ってさらに国分寺崖線を進んでいくと、野川公園に着きました。この公園にはバードサンクチュアリがあり、さまざまな種類の野鳥が観察できます。

Q4三鷹市の紋章には中央に鷹の図が描かれ、かつて江戸時代には鷹場であったことを表しています。三鷹市でみられる猛禽類はどれ?

  1. 1 クマタカ
  2. 2 イヌワシ
  3. 3 オオタカ
  4. 4 オオワシ

正解3 オオタカ

調布、小金井、三鷹の三市にまたがる野川公園は、もともと国際基督教大学のゴルフ場だった場所を「武蔵野の森構想」のもとに造成を行い、1980(昭和55)年6月に開園しました。

園内を流れる野川の北側には、国分寺崖線から出る湧き水によってできた湿地帯や池、小川などが自然のまま保全され、また、バードサンクチュアリが設置されており、そこに飛来する野鳥はもちろん昆虫や植物などの自然観察におすすめです。

オオタカは野川流域に生息する猛禽類です。三鷹の地名は、江戸時代の鷹狩の場所「御鷹場」が由来ですが、その鷹狩にはオオタカが主に使われたそうです。

野川公園 川沿いには崖(はけ)の道と呼ばれる遊歩道も整備されている

本事業は、公益財団法人 東京都区市町村振興協会からの助成で実施しております。