トップページ > Tokyo62エコ散歩 > 第13回 葛飾区
東京には、人口密度の高い都心部から緑豊かな町村部、本土から海を隔てた島しょ部など異なる環境にある62の区市町村(23区、26市、5町、8村)があります。そんな東京62市区町村の各地域を実際に巡って(散歩して)、地域ごとの環境への取り組みを知り、感じるためのヒントとなるスポットをクイズ形式で紹介します。
葛飾区にやってきました。
東京都の北東部に位置する葛飾区は、東京低地と呼ばれる利根川と荒川の堆積作用によってつくられた沖積平野にあり、区の周囲には、東に江戸川、西に荒川(荒川放水路)と綾瀬川、北には大場川が流れ、さらに、中央を中川とそこから分かれた新中川が貫いています。下町情緒あふれる街並みが残り、国民的映画や漫画の舞台としても親しまれている街は、水に恵まれ、大規模な公園など、自然に親しめるスポットが多くあることも魅力となっています。
そんな葛飾区の街で「エコ」を探して散歩してみましょう。
JR常磐線の金町を出て、葛飾にいじゅくみらい公園にやってきました。元々製紙工場があった場所につくられた公園で、高層住宅や大学が併設されています。
葛飾にいじゅくみらい公園にはかつて、三菱製紙所中川工場があり、実際に使用されていた、パルプ製造のための蒸釜(むしがま)が現在はモニュメントとして、飾られています。内径は4.27mあり、近づくと見上げるほどの大きさです。
赤錆色の球体は「地球釜」と呼ばれ、昭和20年~21年に設置され、その後約60年間、稼働し続けました。釜の中に、損紙(印刷・製本で生じた、使用に堪えない紙)と水を入れ、毎分1回転の速度で回転させながら蒸気を注入して蒸し、紙の繊維を解きほぐして再生原料として使用しました。
現在では、この地域において製紙産業は姿を消してしまいましたが、この地球釜は、製紙業の足跡を残す貴重な近代遺産となっています。
都内でも屈指の広さを誇る水郷公園の水元公園を散策していると、水元かわせみの里(水元小合溜(こあいだめ)水質浄化センター)に着きました。
水元かわせみの里の愛称で親しまれている水元小合溜水質浄化センターは、水元小合溜の水質を浄化し、かつて水元小合溜に生息していた生きものを呼び戻すことを目的とした「カムバックかわせみ作戦」にあわせて、1995(平成7)年に開設されました。
館内に設置された「水辺のふれあいルーム」では、水元小合溜の水をきれいにする方法や、水辺の自然環境及び水元小合溜の歴史に関する展示のほか、カワセミをはじめとする野鳥や水生動植物を、専門員による案内付きで観察することができます。
ここでは、毎年1,000回以上カワセミの飛来が確認されており、23区内でも屈指のカワセミ観察スポットとなっています。
公園から江戸川沿いを下って、歌や映画の舞台になった渡し舟や、有名なお寺を眺めつつ、小さな児童公園の向かいに「細田グリーンバンク」の看板が見えてきました。何だろうと覗いてみると、種類の異なる樹木が植えてありました。
葛飾区のグリーンバンク制度では、自宅の増改築などにより不要になった樹木を区が引き取り、希望者に提供しています。
細田グリーンバンクは引き取った樹木を仮植している場所で、自由に見学することができます。また、提供したい樹木と引き取りたい樹木を区に登録し、区のホームページなどで公表して、住民同士が直接樹木の引き渡しができるよう便宜を図るなど、区内の緑の保全を後押ししています。
区の中央を流れる新中川と中川を渡り、かつしかエコライフプラザにやってきました。ここは、図書館との複合施設で、ごみの減量をはじめとした環境にやさしい暮らし(エコライフ)に関する学習や実践・活動の拠点となっています。
葛飾区では、これからの時代を担う小中学生向けに、2009(平成21)年に「葛飾区環境教育用副読本~エコライフかつしか~」を発行。
2018年度版から、より使いやすく、見やすい、手に取りたくなる魅力ある冊子「葛飾区環境学習用教材~エコかつ~」として刷新・改訂を行いました。
本編では、案内役のキャラクターとともに、アプリで遊ぶような感覚で、葛飾区の環境や、現在起きている環境問題を学ぶことができます。
また、最後に、「かつしかエコマイスター認定試験」にチャレンジすることができ、正解者は「認定証」をダウンロードすることができます。
本事業は、公益財団法人 東京都区市町村振興協会からの助成で実施しております。
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