トップページ > エコアカデミー一覧 > 第3回 電気の未来~スマートグリッドがつくる新しい地域・社会システム
-電気を供給する側と、使う側、双方向で情報共有ができるとのことですが、どのようなメリットがあるのでしょうか-
大きくわけると、電力供給側のメリット、電力需要側のメリット、社会的なメリットの3つがあります。電力供給側のメリットとしては、東日本大震災以降、注目されている再生可能エネルギーを現状の電力系統に受け入れると運用が非常に難しく、どうしてもコストが上昇してしまいます。ですが、スマートグリッドを活用することでその運用を簡単にし、無駄なエネルギーや無駄な設備投資を抑え、結果として電力のコストの上昇を抑えるという期待があります。
電力需要側のメリットとしては、これまで家庭では毎月検針があり、どれくらい電気を使っているか、去年とくらべて多かったか、少なかったか、その程度の情報しか得られませんでした。しかし、スマートグリッドでは、家庭のすべての家電機器をほぼリアルタイムで、どう使っているかを把握することができ、電力消費を「見える化」することができます。
例えるなら、ダイエットする際に、日々体重計にのって増減を見るとやる気がでますよね。電気の使い方を工夫し、その結果を目で見て、何キロワット時減って、何円節約できたか確認できると、節電も続けることができる。他にも、ベンチマーキングといって、標準的な使い方とくらべて、自分はエネルギー偏差値が高いか、低いかランキングする。そうすると、モチベーションになる。スマートグリッドでは、そういった情報も提供することができます。
社会的なメリットとしては、スマートグリッドを進めるにあたり、バッテリーや電気自動車など、新たな産業が活性化し雇用が生まれます。いずれは、日本の市場が飽和してきたら、外にもっていくことができるようになるでしょう。特に高温で多湿に適した形の空調やエネルギーの使い方については、アメリカやヨーロッパが発信するよりも、我々日本がアジアに向けて発信したほうが、親和性が高いと思います。実際、そういう取組は中国やタイなどの東南アジアに向けて行われています。今後、エネルギー需要が見込まれる国に対し、新しい技術を提案していくという目的もあり、産業界においては特に期待がかかります。
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